約 868,612 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6435.html
憩「おそいで、京太郎くん」 京太郎「えっ?憩さん?どうして……ここに?」 憩「へっへー、ウチだけやないでー」 照「……寒い」ガクガク 郁乃「レディーを待たせるなんて悪いオトコノコやな~」ムギュッ エイスリン「京太郎、ハヤク!」 咏「掃除なら言えば手伝ってやったのによ~」 霞「まあまあ、京太郎くんも来たことですし、仲良く帰りましょうね」 清々荘のみんなが、待ってくれていた 京太郎「みんなでお迎えなんて豪華っすね」 照「今日は帰ったらクリスマスパーティーだから」ムフー 郁乃「京太郎くんがおらへんやったら始まらんやろ~?」ムギュー 京太郎「い、郁乃さんは背中に抱き着くのやめてください」 郁乃「お姉さんの温もりが味わえるんやから満足やんか~」フニュッ 温もりとか意識したら、背中の柔らかい感触が…… とか思ってる間に、前からも何かが抱き着いてきた 咏「早く歩けよなー」ギュッ 京太郎「赤ん坊かよ……誰か助けてー」 憩「ほなウチは右手もらうなーぁ」ギュッ エイスリン「ヒダリテ!」 照「……霞、私は?」 霞「照ちゃんは私と手を繋いでいきましょうか」 照「ありがとう」ジワッ 京太郎「ちょ、なんで涙目になってんの」 照「決して京が構ってくれなくて悲しいから泣いたんじゃない、目が乾いただけ」 京太郎「はいはい」 ふと空を見上げると、そこは星で満ちていて、目を凝らしてみれば一条の光が流れたのが見えた 京太郎「……あ」 咏「どうしたんだぃ?」 京太郎「なんでもねー、早く降りろ」 咏「んだよー減るもんじゃねーんだしー」 咏「それによ、こんぐらい顔が近けりゃ……私の唇、奪い放題だぜぃ?」 京太郎「い・ら・ねー」 照「京、私のは?」 憩「う、ウチは……?」 エイスリン「…………」ジーッ えぇ、何この質問責め エイスリンさんまで物欲しげに見てるし…… 郁乃「私は~さっきの流れ星にお願いしたからええかな~」 郁乃「京太郎くんも見てたやろ~?何お願いしたん~?」 京太郎「な、何も願ってませんよ!」 郁乃「え~嘘や~ん」 エイスリン「ナガレボシ?」 憩「流れ星が落ちる間に三回お願いすると叶うんやって」 エイスリン「ホント?!」 照「そんなの迷信、お子様が信じること」 エイスリン「ゥ……」シュン 京太郎「たべっこどうぶつ食べてる高校三年生が何言ってやがる」 照「たべっこどうぶつは至高のビスケット菓子」 霞「ビスケットと言えば、今日はビスケット生地のチーズケーキとショートケーキを用意しておいたわよ」 京太郎「……誰が買いに行ったんですか?」 霞「みんな試合会場に行ってたから、華菜ちゃんに頼んでおいたのよ」 京太郎「華菜……?」 照「……誰?」 エイスリン「ンー……?」 憩「そんな子、ウチのクラスにおったっけ……?」 霞「それ、知ってるって言ってるのと同じじゃないの」 ……本当にわかんねぇ 咏「んで、何お願いしたんだよ」 京太郎「結局その話になるのかよ、ってか早く降りて」 郁乃「あ、また流れ星や~」 エイスリン「ワァ!」 照「…………」ブツブツ 憩「…………」 思いっきりお願いしてるじゃねえか あ、もう一個流れた 霞「今日は多いわねー」 照「こぐま座流星群だとか、久が言ってた」 京太郎「ああ、道理で」 京太郎「え゙っ、だったら今って」 咏「もうすぐ22時ぐらいじゃねーの、知らんけど」 京太郎「ぁ……なんかすんません」 霞「そんなこと気にしなくていいのよ」 照「みんなで帰りたかったから、そうしただけ」 エイスリン「サムカッタケド!」 咏「ま、流れ星も見れたし良かっただろ」 郁乃「せやね~こうして京太郎くんにもおぶってもろてるしな~」 京太郎「あんたもいい加減降りてください」 憩「ふふっ……みんなでずっと、こうしてたいなぁ」 言って、憩さんが眺めた星空には、幾つもの光が流れていた 高い建物の無い三箇牧では、空は果てしなく見えて、 みんなと繋がっていると、夜の闇も星の輝きも鮮やかに見えた ずっとこんな風にみんなで過ごしたい そう、聖夜の空を走る星に願った 霞「はーい、それじゃあみんな、準備はいいかな?」 「「「「「「「いいともー!」」」」」」」 霞「年末恒例、清々荘のクリスマスパーティーを始めまーす!」 エイスリン「カンパーイ!」 「「「「「「かんぱーい!」」」」」」 京太郎「ってかなんでチューハイとかあるんですか!未成年しかいないんですよ!」 郁乃「私の中身は大人やも~ん」フラフラ 京太郎「もう酔っぱらってる!?」 郁乃「せやから~京太郎くんに座らせてもらうで~」ストッ 京太郎「違うわ、この人いつもこんな感じだったわ」 郁乃「京太郎くんも一杯どうや?」 京太郎「遠慮しておきます!」 郁乃「も~京太郎くんのいけず~」 京太郎「行かず後家予備軍の郁乃さんよりはマシですぅー」 郁乃「京太郎くんが貰ってくれるから大丈夫やろ~」 照「」ピキッ 憩「」ピキッ エイスリン「」ピキッ 咏「」ピキッ 華菜「ハンバーグ食べないならカナちゃんが食べちゃうぞ!」 霞「じゃんじゃん食べて頂戴ね」 華菜「カナちゃんにお任せあれ!だし!」 照「京は私を養ってくれる、郁乃のものじゃない」 憩「京太郎くんはウチの病院で一緒に働くんですーぅ」 咏「京太郎は私とプロ入りして男女のトップになるんだよ!」 エイスリン「京太郎ハ、ワタシトクラス!」 京太郎「さっきも思ったんですけど、エイスリンさんの発音上手くなってませんか?」 エイスリン「ベンキョーシマシタ!」エッヘン 郁乃「エイちゃん偉いな~ご褒美にジュースあげるわ~」 エイスリン「アリガトウ!」ゴクゴク 京太郎「いや、ちょ、郁乃さん、それって……」 郁乃「照ちゃんも憩ちゃんも咏ちゃんも~」 京太郎「ストォーップ!」 霞「今日はこれでお開きね」 華菜「御馳走様でした!」 京太郎「ご馳走様でした」 郁乃「ごちそうさま~」 霞「私と華菜ちゃんはお片付けしてくるから、京太郎くんはその子たちの片づけをお願いね」 京太郎「えぇぇ……」 憩「きょぉたろぉくぅん……きもちぇぇで……」 照「すぅ……」Zzz 咏「だからそこで私が言ってやったんだよねぃ、にょれろーんってよ!」 憩「もっとぉ、もっと突いてぇ……」 京太郎(照は寝ちゃてるし、咏は狸の置物に話しかけてるし、憩さんの夢も気になるし……) エイスリン「京太郎、ンー」ズイッ 京太郎(エイスリンさんはずっと俺にキスしようとしてきてるし!正直魅力的過ぎてたまんないんだよ!天使か、天使なのかこの人は!) 咏「お前も話聞いてばっかじゃねーで何か話せよー!」ドカバキ 照「ぐごー」ポリポリ 憩「おなかのなか、いっぱいやぁ……」 京太郎(咏、なんであいつ置物と喧嘩してんだよ……照は服がめくれてアレだし、憩さんはもう既にアレだ) エイスリン「京太郎ぉー」ズイーッ 京太郎(そういや、俺今夜この人と寝るんだよな……) 京太郎(え?このキス魔と化したエイスリンさんと同じ布団ってぇことだよ……な) 京太郎(そんなん間違いが起きてもおかしくないよーな……) 京太郎(イヤイヤダメだ、ありえないだろ!) 京太郎(明日の朝からどうすればいいのかわっかんねーよ!) 京太郎(エイスリンさんのことは好きだけど、同じくらいに照も憩も咏も郁乃さんも好きだし、良子さんとかも……) 京太郎(誰か一人だけなんて選べない……よな」 郁乃「せやったらみんなを選べばええや~ん」 京太郎「ああ、そうかみんなでいいんだ!」 京太郎「みんなで暮らしてみんなでずっと幸せにいれば誰も不幸にならないよな!ハーレム万歳!よし、俺の将来決定!」 郁乃「おめでとさ~ん」 京太郎「ってちっがーう!」 京太郎「何それハーレムとかどうなのよ人間として!非常識にもほどがあるだろ!大体なんで俺の思考に語りかけてきてんですか郁乃さん!」 郁乃「まあまあ、この際みんな寝とるんやからお持ち帰りすればええやんか~」 京太郎「それは本当のゲスの考えです」 霞「あら、もうみんな運んできてくれたのね」 京太郎「照は涎垂らして、咏は暴れて、憩さんはエロかったです」 京太郎(エイスリンさんに首元にされたときはヤバかった……) 霞「京太郎くんには、将来の夢はあるのかしら」 京太郎「夢は……特にまだ」 霞「それなら、選択肢の一つとして考えていてほしいのだけど……」 霞「将来、ここに住んでみないかしら?」 京太郎「そっ、それはつまり霞さんと同居ということでよろしいのでしょうか!」 霞「そうじゃなくて、私の代わりに、ということよ」 京太郎「霞さんの代わりにここの大家さんになれ、ってことですか?」 霞「そういうこと、姫様が正式にお世継ぎになられたら、六女仙の私は呼び戻されることになっているの」 霞「ここ、案外住み心地もいいから、どうかしら?」 京太郎「では……一応考えておきますよ」 霞「よろしくね」 霞「あ、あと……」 京太郎「何ですか?」 霞「あの子たちの気持ちも、答えてあげるようにね」 霞「もう、気づいているんでしょう?」 京太郎「……あそこまで露骨にされれば気づきますよ」 京太郎「俺って、結構気遣い得意なんで」 京太郎「あっち側の気持ちはわかってるんですけど、俺がそれに応えられるかどうかわからなくて」 京太郎「女の子が泣く顔なんて、見たくないんですよ」 霞「気障な台詞ね」 京太郎「昔、ちょっとあったんで……」 霞「まあいいわ、話はそれだけよ」 霞「明日からは当分部活無しだから、ゆっくり休んで頂戴」 霞「それじゃ、おやすみなさい」 俺は惚れやすい男だ 照に笑いかけられれば胸がざわつく 初めて出会ったときの憩さんの笑顔がいつまでも忘れられない 咏がいない授業がとてつもなく退屈だった エイスリンさんの悲しそうな顔なんて、考えるだけでも嫌だ 郁乃さんの悪ノリに付き合うのがたまらなく心地よかった 良子さんや、怜さんや、咲、淡も たった八か月で惚れたのが九人もいるんだ、これを惚れっぽいと言わずして、何と言えばいいんだろう そして、俺の勘違いでなければ、みんなは俺に好意を持っている ……こう言うと、ナルシストみたいだけれど いつかはこの気持ちを整理しなければならない いつかはみんなの気持ちに応えなければならない ずっとこの関係のままでいたいけれど、いつか誰かいなくなる 来年の春には照とエイスリンさんがいなくなって、再来年には憩さんが…… みんなを繋ぎ止めるのに、どうすればいいのかはわからない 我ながら都合がいい考えだとは思う、ただの夢だ それでも時は進むし、人の心は変わっていく わからない未来や変えられない過去より、確実で、変えられる現在 俺はまだ、その夢を頭の片隅に置いて生きるしかない 俺には過去から未来を予想をする力も、暇もない、それほどまでに今を生きるのに精一杯なんだ だから、俺は―――― 京太郎「エイスリンさーん、入りますよー」 漢になる! エイスリンさんは制服のまま布団の上で既に寝ていた パーティーの途中で「アツイ……」と言って外していた第一ボタンと第二ボタンのおかげで白い上着の間からは肌色が覗いていて 横向きに寝転がっているものだから、こちらからはエイスリンさんのハイソックスに包まれたふくらはぎと太もも、そしてめくれかかったスカートが見えていた Q.彼女は天使ですか? A.いいえ、女神です 女神なら襲っちゃあいけないな、うん どれだけ今のエイスリンさんが性的であろうとも、漢として絶対に我慢しなければいけないのだ 霞さんにバレれば一巻の終わりであることは間違いない 何はともあれ、このままエイスリンさんを寝かせておけば風邪を引いてしまうかもしれないので、起こしてみる 鎖骨の上辺りを叩いて、優しくエイスリンさんに呼びかける これは中学の頃に救命講習で教わったものの応用技で、これを使えばほぼ確実に相手は起きてくれる必殺技なのだ 二回目に呼びかけたところでエイスリンさんが徐に瞼を開けた エイスリン「京太郎……?」 京太郎「制服で寝てたら風邪引きますよ」 京太郎「俺もシャワー浴びてくるんで、その後で一緒に寝ましょう」 エイスリン「ネ、ル……?」 エイスリンさんは可愛らしく小首を傾げて思案すると、急に頬を赤らめて小さく口を開いた エイスリン「京太郎……イッショニ、ハイル?」 Q.彼女は天使ですか? A.いいえ、女神です 京太郎(いかんいかんいかんいかん!)シャアー 京太郎(エイスリンさんに魅せられたら駄目だ!)シャァー 京太郎(間違いなど起こしてたまるものか!)キュッ 京太郎(お互いにシャワーを浴びる、ということで逃げてきたけど……) 京太郎(風呂上りのエイスリンさんの隣で寝れるのか、俺?) 京太郎「」ブルッ 京太郎「……寒いな」 京太郎「パジャマ、パジャマー……」 近藤さん「…………」 京太郎「……………」 京太郎(……あー、買ったなー、こんなの) 京太郎(間違えて買っちゃったんだよなー) 京太郎(まあ、二度あることは三度あるって言うし、俺とエイスリンさんが間違いを起こすことだって十分有り得るわけで) 京太郎(だったらこいつを持って行っても悪いことは無いよね!) 京太郎(って、あるから!悪いこと思いっきりあるから!俺悪いことする気マンマンじゃん!下心しかないじゃん!) 京太郎(近藤、お前の出番はまだ後だ……) 近藤さん「…………」 京太郎「…………」 近藤さん「…………」 京太郎「…………」 京太郎(迷う!) 近藤さんと共に、俺はまたエイスリンさんの部屋の扉を叩く 年末ともなると、寒さは日に日に増していくばかりで、夜であれば殊更のものだった 俺は自分自身の深層心理を悟り、近藤さんをポケットに潜めていた 使わない、使わないけどね 三回目のノックをしようかとしたところで、シャワーを浴びていたら返事ができない、ということに気付き、ドアを開ける 部屋にはシャンプーの香りが漂っていて、奥の浴室からはまだシャワーの音が聞こえる 自室から持ってきた布団をエイスリンさんの布団の隣に敷いて、エイスリンさんが上がるのを待っている間、勉強机に目をやる 机の上にあったのは国語用のジャポニカ学習帳と漢字ドリルだ。名前欄には不慣れな平仮名で持ち主の名前が書かれている 内容は気になったが、見るのは紳士的でないのでやめておくことにする 特にすることもないので、布団の上で寝転がり、今日の出来事を整理する 朝は郁乃さんを連れ戻すために謎の組織のアジトに乗り込んだ 昼はエイスリンさんと遊んで、この約束をさせられた それからプロ・アマ交流戦が始まり、俺たちは見事優勝することができた そして、華菜さんを除く清々荘のみんなで帰って来た クリスマスパーティーはどんちゃん騒ぎで、霞さんの手料理はいつも通りおいしく、郁乃さんの酒で照たちは酔っ払いと化した などと思い出していると、耳元にゆっくりと足音が近づいて来たので目を開けて声をかける 京太郎「エイスリンさん……っ!?」 エイスリン「……?」 とろん、と微睡んだ眼で俺の顔を見下ろすエイスリンさんは、桃色の下着以外に何も纏っていなかった 京太郎「どうしてあなたは下着しか着けてないんですか!」 エイスリン「ふぁ……」 京太郎「聞く気ないだろこの人」 エイスリン「京太郎、エランデ……」 いや、選んでって言われましても…… とりあえずタンスの中身を見てみよう 京太郎「普通のパジャマに、猫耳つきの可愛いパジャマ」 京太郎「んで、これは確か、ネグリジェ?にベビードール?」 京太郎「……すっけすけじゃねえか」 京太郎「エイスリンさん?これらは一体どこで買ったんですか?」 エイスリン「……イク……ノ……」ウツラウツラ 京太郎「やっぱりか……」 エイスリン「きょうたろ、きょうたろ……」クイクイッ 京太郎「どうしました?」 エイスリン「きょうたろうノY-shirtキタイ……ダメ?」 京太郎「えっ」 京太郎「えっ」 京太郎「……えっ?」 京太郎「Yシャツって俺の、ですか?」 エイスリン「……」コクン 京太郎「了解……です」 部屋からYシャツを持ってきて、下着姿のエイスリンさんに着せてあげた。もちろん、心臓に悪いのでボタンはしっかり締めた エイスリンさんの酔いは大分醒めてきたらしいが、眠そうで蕩けた顔をしている その蕩けた顔で微笑みながらドライヤーや歯磨きを頼まれて断る男はいないだろう、少なくとも俺はそうだった 組んだ脚の上にエイスリンさんを乗せてドライヤーをかけている間、ゆっくりと左右に傾く頭が可愛かった 膝の上に頭を乗せて歯磨きをしてあげているときも、「アー」「イー」と声を出しながら歯を開く様子が可愛かった 子どもができたらこんな風なものなのかな、と将来の家庭を想像しながらエイスリンさんを寝かしつける 将来の嫁さんと、寝かせたわが子を挟んで、他愛もないことを話して、一緒に笑って寝る ああ、いいな、これ最高、最高に平和 京太郎「まあ、こんなこと考えても寝れるわけないんだけどな……」 隣のエイスリンさんが立てる静かな寝息が耳にほのかに触れてくすぐったい それ以上にエイスリンさんは寝ながらも俺の右脚に両脚を絡めて来ているのがまずい、非常にまずい エイスリンさんの太ももは竜華さんほど肉付きが良いわけではないのだが、丁度よく柔らかく、丁度よくすべすべしていた 女の子の肌を触るだけで興奮してくるのってなんだろうねあれ とりあえず、もう一度適当なことを考えながら寝ることに挑戦する テーマは巨乳と貧乳の感度について、よし、頑張ろう 京太郎「寝れない……」 かれこれ一時間ほど思考を続けた結果 京太郎(それならエイスリンさんの胸を触れば済むんじゃないか?) 京太郎(触っただけで起きたら感度良好、B地区まで触っても起きなかったら感度悪し) という疑念を持ったまま眠れずにいた 体力的にも精神的にもすっかり疲れているはずなのに何故眠れないのか ……そういうことを考えてる時に限って眠くなってくるんだよね 腰のあたりに重みを感じたので、目を見開く 窓からは優しい月明かりが注ぎ込まれているおかげで眼が部屋の暗さに慣れるのにそう時間はかからず 重みの正体も、すぐに目視することができた 京太郎「……エイスリン……さん?」 俺の腰に乗っていたのは、裸Yシャツのエイスリンさんだった 京太郎「えっ、ちょっ、何すか」 エイスリン「京太郎ハ……ワタシ、スキ?」 胸が、チクリと痛んだ その問いにしっかりと答えられない自分に嫌気が差す 京太郎「……まだ、酔ってるんですか?」 エイスリン「ソウ、カナ……」 エイスリンさんの秘所が、俺の息子の上で少し動く 布越しで 京太郎「俺だって男なんですから、襲われたって知りませんよ」 京太郎「いいですか、エイスリンさん」 京太郎「そうして誘っていいのは、あなたの彼氏に対してだけ、です」 淡のときのような二の鉄を踏まないように、エイスリンさんを説得する このままでいれば、彼女を襲ってしまいかねないからだ 俺の気持ちを隠しながら、突き放すように言う エイスリン「…………」 京太郎「布団に入らないと、風邪引いちゃいますよ」 肩を抱いて、そう促す 月光に照らされたエイスリンさんの顔は、憂いを浮かべているように見え、気づかぬ間に、その顔が近づいてきていた 閉じられたエイスリンさんの目が迫ってくる そして、エイスリンさんの柔い唇が、俺の唇と繋がった 背中の力を抜いて、布団に倒れこむと、繋がっていた唇が離れる 気付くと、胸の上ではエイスリンさんがまた寝息を立てていた 京太郎「……寝ぼけてたのか」 状況を確認、納得、目を閉じて、俺もまた眠りに落ちていった こうして、俺の長い一日が終わった 【冬休み 11日目】終 番外編の【12日目】 野菜を刻んだ包丁がまな板を叩く音 鍋の中で沸騰するお湯の音 測定が終わったことを知らせる体温計の音 それに表示された数字を見て嘆息する音 エイスリンさんよりも先に目覚めた朝、俺は風邪を引いていた 頭に痛みが走り、喉が焼けるように痛くて、寒気がして、頭が熱くて、なんかもういろいろと酷かった とりあえず最後の力を振り絞ってエイスリンさんが起きないように自分の部屋まで撤退したわけなのだが…… 朝 憩「何度やった?」 京太郎「38度2分です」 憩「酷い声やねぇ、昨日は夜更かしでもしてたん?」 京太郎「いや、寝付けなかっただけですよ、けほっ」 憩「無茶はせんようにねぇ」 京太郎「わかってます、けほっ、けほげほっ、げほっ、ぐへおぁっ!」 憩「風邪のときは生姜を煎じたお茶を飲めば、身体があったまるんやで、はい」 京太郎「すいません」 憩「あとお粥と、お味噌汁やで、ゆっくり食べてな」 憩「……あ!」 京太郎「どうかしたんで、けほっ?」 憩「えっとな……」 憩「あ、熱いから、冷まそか?」 京太郎「そんな、わざわざいいっすよ」 憩「喉潰れてるから何言ってるんかわからないで」 憩「ほな一口目……ふー」 京太郎(憩さんの顔、こんなに近くに) 京太郎(顔も、唇も小っちゃいし……可愛い) 憩「はい、どうぞ」 京太郎(……そう簡単には食べさせてくれない、か) 京太郎「んっ……」モグモグ 京太郎(こっ、これは……っ!?) 京太郎「おいしい!」テーレッテレー 憩「お、おいしい?ほんま?」 京太郎「おいしいですよ、野菜も小さくて食べやすいです」 憩「それならよかったわぁ、ほな二口目やねぇ」 京太郎(一口ずつこんなことしてたらかなり時間を食うんじゃないか……?) 憩「~♪」 京太郎(朝食を食べ終わった後、俺はこうして寝かされていて、憩さんは食器を洗っている) 京太郎(そんでその尻はこっちを向いて踊っている……) 京太郎(やばっ、鼻血出そう) 京太郎(……そういや、なんか忘れてるような) 京太郎「……」モゾモゾ 京太郎「!」 京太郎(いない……!) 京太郎(近藤さんが、いないんだ……っ!)ガバッ 憩「きょ、京太郎くん?」 京太郎「すいません、憩さん」 京太郎「俺には、行かなきゃいけないところがあるんです!」 憩「風邪はひき始めが肝要なんやから、寝てた方がええって!」ガシッ 京太郎「大丈夫です、風邪は学校を休むように都合よくできているのだから!」ウゴゴ 憩「鼻声で言われても信じられんわ!」ギューッ 京太郎(……うっ、頭が) 京太郎(クラクラする……) 京太郎(倒れる……前に憩さんがいるのに) 京太郎(このままじゃ……) ドスン 京太郎(……うわーい) 憩「京太郎くん……大丈夫?」 京太郎「あはは……」 京太郎「…………すみません」 憩「何に急いでるのか知らんけど、無茶はせんようにな」 京太郎「……はい」 京太郎「痛かった、ですよね」 憩「いきなり押し倒されたら、そら痛いやろ」 憩「……まあ、京太郎くんの顔を近くで見れてよかったわ」 憩「……風邪の人、って脈が少し速くなって、呼吸も少し荒くなるらしいんやで」 憩「今のウチは、京太郎くんに負けへんくらいドキドキしてるんや」 憩「なんでか、わかるか?」 京太郎「それ……は……」 憩「…………」 エイスリン「京太郎、ドウシタノ?」 エイスリン「……ケイ?」 エイスリン「京太郎、ケイ、ドウシタノ?」 エイスリン「ダキアッテル、ミタイ」ゴッ 京太郎(エイスリンさんの背後からどす黒い何かが!?) 憩「京太郎くんが倒れてきたんやで、あはは……」 京太郎(憩さん思いっきり苦笑ってるし……ここ、退かないと) 京太郎「二人とも、そんな心配しなくても大丈夫ですから……」 エイスリン「京太郎、キノウイッショニネタ」 憩「……は?」 京太郎(あ、これアカンやつや) 憩「京太郎くん、どういうこと?」ゴッ エイスリン「ドウイウコト?」ゴッ 憩「たーっぷり、お話聞かせてなーぁ」 京太郎「お、俺、病人なんだから、もうちょっといたわりましょうよ」 エイスリン「 」ニッコリ 京太郎「え、いや、ほんと、怖いですって」 憩「正座」 エイスリン「ハヤクシロ」 京太郎「嘘だろ……」 京太郎「もうすぐ昼か……」 京太郎「いいとも、もうすぐ終わるんだよな……」 京太郎「風邪と言えばストレッチマンと笑っていいとも、ドラマの再放送だったのに……」 京太郎「……もういっちょ寝よ」 コンコン 京太郎「……はー、けほっ、げほっ」 京太郎(誰だろ?) 昼 霞「お昼を作りに来たわよ」 京太郎「そんなこと、しなくていいのに……」 霞「いいのよ、することもなかったからちょうどよかったわ」 霞「ほら、病人さんは寝てなさい」 京太郎「……はい」 京太郎(やっぱり霞さんの割烹着姿は安定だな) 京太郎(憩さんのエプロン姿ももちろん可愛かったけど、この年齢不相応な安定感が他とは違うんだよ) 京太郎(おっぱいは全国でも最大級……ヤれたらヤりたいよなぁ) 霞「鼻の下伸ばして、どうしたのかしら?」 京太郎「な、なんでもありませんよー」 京太郎「って、もうできたんですか?」 霞「簡単なおうどんよ、どうぞ」 京太郎「じゃあ、いただきます」ズズッ 霞「どうかしら……?」 京太郎「おいしい!いやーやっぱり……」 京太郎「霞さんの作る料理はおいしいですよ!」 京太郎「この間の鍋焼きうどんももちろん、このうどんもおいしいです!」 京太郎「黒七味も丁度よくあってますし、野菜も特にこの白菜は堅すぎず軟らかすぎずシャキシャキで、そんでもって甘い!」 霞「もうすっかり元気になってきたみたいね」 京太郎「朝から憩さんのお粥食べて、寝て、霞さんのうどんを食べたんで、元気いっぱごほっ、げほっ」 霞「食べ終わったらしっかり風邪薬飲んで寝なさいね」 京太郎「はい……」 霞「あと、りんごを剥いておいたのと、みかんを置いておくから食べて頂戴」 霞「冷蔵庫にはポカリスエットも入ってるから、喉が乾いたら飲んでね」 京太郎「本当にありがとうございます、霞さんが大家さんでよかった……」 霞「もう、現金な子ね」 京太郎「霞さんみたいに家庭的な人と結婚したいと思いました!」 霞「そう言ってしまう辺りが軽いのよねぇ」 京太郎「いやーそれほどでもー」 霞「まったく褒めてないわよ」 霞「それじゃあ私は戻るから、何かあったら連絡して頂戴」 京太郎「はーい」 京太郎「りんごおいしかったなー」 京太郎「うさぎりんごがある辺り霞さんらしいや」 京太郎「つーわけでもう三時くらいだけど……やることないなー」 昼2 京太郎「あっ!」 京太郎「近藤さんを奪還するのを忘れていた!」 京太郎「なんという不覚……!」 京太郎「なんとしてでも奪還しにいかないと!」ガチャ エイスリン「京太郎?」 京太郎「エイスリン……さん」 京太郎(つい勢いを失ってエイスリンさんを上がらせてしまった!) エイスリン「…………」モジモジ 京太郎(エイスリンさんは何やら落ち着いていない様子……正直気まずい) 京太郎(人差し指同士をくるくる回したり、目を泳がせたり、ときどき脚を組み替えるのは可愛い) 京太郎(でも気まずい) エイスリン「京t「エイスリンさん」」 エイスリン「ア……」 京太郎「う……」 エイスリン「…………」 京太郎「…………」 京太郎(ちょー気まずい) 京太郎(かなり気まずい) 京太郎(めちゃ気まずい) 京太郎(字余り) 京太郎「エイスリンさん、先、どうぞ」 エイスリン「ウン……」 エイスリン「京太郎……コレ」 京太郎(近藤さぁぁぁぁぁああああん!) エイスリン「Internetデシラベタ」 エイスリン「京太郎…………」カァァ エイスリン「……」ウルウル 京太郎(い、今にも泣きだしそうじゃねえか……) 京太郎(多分、調べている最中に変な動画を見てしまって……) エイスリン「……ワタシト」カァァ エイスリン「……ワタシト、シタイ?」 京太郎「えっ」 エイスリン「京太郎……コレツカッテ、ワタシトシタカッタ?」 京太郎「えっ」 エイスリン「……ワタシ、イイヨ」 エイスリン「京太郎、ナラ……」カァァ 京太郎(何これおかしくない?普通だったら赤面ビンタになるレベルだよね!?) 京太郎(それがどうしてこんなピンク色の方向へ進んでいるの?) 京太郎(きっとどこかで郁乃さんが見張っているはず!) 京太郎(そしてドッキリ大成功とか言って飛び込んでくるはず!) 京太郎(こんな天使でも、心の裏では小悪魔なはずだ!) エイスリン「ふぇふぁふふぁふぃふぁへへほ、ひひほ?」(滅茶苦茶にされても、いいよ?) 京太郎(小首を傾げつつ咥えゴムで誘ってくる天使なんて聞いたことねえよ……) 京太郎「え、エイスリンさん?」 京太郎「初めては痛い、って言いますし、ゴムをしてても妊娠する可能性があって、もしそうなったらお互いに損なことにしかならないですよ」 エイスリン「京太郎ノコドモ、ホシイ」 エイスリン「京太郎ノコトスキナノデ、京太郎トシタイ」 エイスリン「コレデモ……ダメ?」スッ フニッ 京太郎(俺の右腕が、控えめな谷間にーっ!?) 京太郎(服越しだけど、Tシャツ越しだけど!) エイスリン「ドキドキシテル、ワカル?」 エイスリン「……シテ、ホシイノ」 エイスリン「…………」カァァ 京太郎(こんな、こんなことされたら……) 京太郎(こんなの…………っ!) 顔を朱に染めながら、自分を誘うエイスリンさんを前に、俺に理性の歯止めがかかることはなかった なされるがままに押し倒され、昨夜ぶりの唇に触れる エイスリンさんが目を閉じているのを見て、こちらも目を閉じて、軽く互いの唇に触れあう そんな優しい口づけを何度も繰り返す エイスリン「っ……ヘヘ……」 照れくさいのか、ときたま口を離した際に笑いかけてくる それに応えて、頭を優しく撫でてあげるとくすぐったそうにまた微笑む 今度は俺の方から迫り、唇を触れ合わせる エイスリン「んっ、っ……!?」 エイスリンさんの唇に舌を這わせて、小さな蕾の中へ滑り込ませる 柔らかくて、少しざらついている舌に、俺の舌を絡ませて、幾度となくエイスリンさんの唇の中を蹂躙する 京太郎「れろっ、んっ、ちゅっ……ぷはっ」 エイスリン「んっ…………」 息が苦しくなってきたので、唇を離す 下に突き出た小さな舌から、上を向く口の中へと唾液が一筋の糸となって零れ落ちる 冬の夕日に照らされて金色に輝く糸を見て、 京太郎「これ、本当に俺たちが繋がってるみたいですよね」 エイスリン「……ウン」 ……呟くと、またエイスリンさんははにかんで答える いつものエイスリンさんは元気な少女だ だが、最近の彼女は……俺が見る姿は、どこか物憂げで、彼女らしくないと思ったこともあった しおらしい彼女は正直アリだと思ったが、それと同時に、あんな彼女は見たくないとも思った 涙を流す彼女も、下を向く彼女も、絶対に見たくないと思った その気持ちがきっと、俺からエイスリンさんへの好意の証だったんだろう、とようやく自覚できた 俺は、エイスリンさんが好きだ ……だから、ここから先の行為には責任を持たなければならない 自分に言い聞かせて、承諾した そして、ディープキスを数回繰り返したあと、エイスリンさんの肩を持ってタンマをかけた 私と京太郎は、フトンの上で向かい合ってセイザをしていた 二人ともハダカになって、私は恥ずかしくて京太郎の顔が見られなかった 顔を下げていると、必然的に京太郎のコックが目に入ってしまう 昼に見た動画を思い出して、また顔が熱くなって、逃げ出したくなっちゃう だけど、これに京太郎を誘ったのは私、京太郎としたいと思ったのは私だということを思い出す ここでは私の方が年上で、オネエチャンだから、リードしなくちゃいけないんだ 張り切って、京太郎にヨツンバイで近づいてコックを触ると、「あっ!」と変な声が聞こえた エイスリン「京太郎、キモチイイ?」 京太郎「エイスリンさんの手が冷たくて……はい」 エイスリン「エヘ」 彼を悦ばせられたわずかな達成感に、思わず笑みがこぼれる 動画で見た通り、コックを上下に扱いていると、見る見るうちに赤く、大きくなっていった エイスリン「京太郎、イタクナイ?」 京太郎「むしろ気持ちいいですよ」 彼に頭を撫でられるのはいつもくすぐったくて、京太郎の優しさを感じられる それが嬉しくて、私はいつも目を細めて笑いを返してあげる。そうすると彼も私に微笑み返しをしてくれて、それがまた嬉しいと思うんだ 京太郎「そろそろ……挿れましょうか」 エイスリン「……ウン」 ゴムに包まれた京太郎のコックはジョーギみたいに長くて、太くて、大きかった これが私の中に入るのかと考えると、とても恐くて、不安になった 京太郎「ここまで濡れていれば大丈夫ですよ」 エイスリン「ひゃっ……京太郎!」 京太郎のコック……日本語でちんちんを扱いている間に、私の……股、から液が溢れ出ていた そこをいきなり触られて、怒ってしまう 私がエッチだと言うかのように、京太郎が触って来たのが恥ずかしかった……から エイスリン「京太郎、ウゴケル?」 京太郎「できればエイスリンさんが動いてくれると助かります」 エイスリン「ワカッタ……」 アグラをかく京太郎を抱きしめられるように、脚の上に座って対面する 京太郎「これ、対面座位って言うんですよ」 エイスリン「タイメン、ザイ?」 京太郎「はい、この体位ならお互いの顔が見れるんですよ」 エイスリン「……コレデ、ウエカラ」 京太郎「恐いですか?」 エイスリン「……ウン」 京太郎「……俺が付いているから、安心してください」 京太郎「エイスリンさんが決めるまで、こうしていますね」 私の恐怖心と不安を察してくれた京太郎が優しく抱きしめてくれる オトコノコらしい硬い筋肉が私を包んでくれる 京太郎はいつも気遣いが上手で、私に優しくしてくれる 私は彼のそんなところが大好きなんだ 京太郎の胸元で深く息を吐いて、上に顔を向ける エイスリン「ガンバル!」 エイスリン「んっ……ひっ、うぅ……」 お腹の中に、何かが入り込んでくる感じがする 股が張り裂けそうに痛んで、とても苦しい エイスリン「んっ、ん~~!」 京太郎「大丈夫っ、ですかっ?」 エイスリン「ダイジョウブ……んっ!」 痛みに耐えながら、京太郎を私の奥まで迎え入れる エイスリン「はぁ……はぁ……っ!」 京太郎「落ち着くまで、深呼吸してください」 エイスリン「っ……ふぅ……」 京太郎「……よく頑張りましたね」 京太郎が、ずっと年下の子を褒めるようにほっぺを撫でてくれる その新しい心地よさに痛みもいつの間にか少しだけひいていってくれて、少しだけ楽になった これでやっと、京太郎を悦ばせることができるんだ エイスリン「……ウゴクネ」 私はそう言って、ゆっくりと腰を上下させた 京太郎に抱かれて身体を動かすのは気持ちが良かった おなかの中では京太郎のちんちんが擦れ、身体がムズムズするような感覚が湧いてくる それに加えて、京太郎と抱き合って体を密着させているから、私の胸が京太郎の厚い胸板になすりつけられて、先端に快感が生まれる 風邪を引いている京太郎は苦しそうだけれど、私を優しく抱きしめてくれている そのおかげか、京太郎の、胸の下から響く早めの鼓動と、真っ赤な唇から吐き出される荒い吐息を感じられる エイスリン「きょぅ、たろぉ……」 わからないようなおねだりを、京太郎に唇を向けてしてみる 下の口では足りないから、上の口も満たしてほしい 京太郎「わかってますよ」 私の意思が通じたのか、京太郎が私の顔を抱いて、唇を密着させる そのまま京太郎の舌が私の中にまた入り込んできて、私もそれに舌を絡め返してあげる これで完全に京太郎と繋がっているんだ 他の誰にもしたことのない初めてを、京太郎にしてもらった それが嬉しくて、満足感を抱いた そうしてトースイしていると、唇が離された エイスリン「っは……」 エイスリン「京太郎……ナンデ……」 京太郎「いえ……少し、俺も動けるかと思ったので」 京太郎「ここからは、俺に任せてください」 私が答えるよりも先に、京太郎はまた、私の顔を抱き寄せた 私たちの呼吸が共有されるのと同時に、下からおなかが押し上げられた 京太郎の動きは激しく中を刺激して、唇の中も同じくかき乱される 唇の間から漏れた唾液が身体の合間に落ちて、その感覚が私の快感を加速させる 中でも、おなかの奥まで突かれのがとても気持ち良くて、次第に私も動くのを再開した ―― 傾く陽の光が満ちる部屋には、二人が奏でる水音が響いていた エイスリンさんの愛液が、俺の肌で弾かれる音 舌に絡みつく互いの唾液が、唇の間から発する音 零れ落ちた唾液と滴り落ちる汗が源となり、身体が動く度に打ち出される音 目が滲む代わりに、聴覚だけが優れていく エイスリンさんの髪の匂いがしなくなっていく代わりに、皮膚に伝わる感覚が強調されていく 京太郎「エイスリンさん、大丈夫ですかっ?」 エイスリン「きょぉたろぉ……フシギ」 エイスリン「スゴク、キモチイイ……アト、チョット」 京太郎「……そう、ですか」 腰の動きを早く、力強く、エイスリンさんの奥へと押し付ける ピストン運動の速さに比例するかのごとく、エイスリンさんから預けられる重みが増していく エイスリンさんが感じているフシギな感覚……それは…… 京太郎「エイスリンさん、それ、何て言うか教えてあげますよ」 エイスリン「はぁっ、はぁ、ナ、ニ……?」 京太郎「イクっ、って、言うんです、よっ!」 自分の絶頂とともに最後の一突きをエイスリンさんに打ち込む エイスリン「ああっ、あぁぁぁあぁっ!」 自分の息子が膨張し、ゴムの中へ吐き出すのを感じながらエイスリンさんも絶頂する様子を観察する エイスリンさんの身体は痙攣して、膣口から大量の愛液が吹き出していく 胸にもたれかかった顔は今までにないほど紅潮して、呼吸もままならないようだ 京太郎「ッ――――!」 頭が、くらくらする ああ、そうか ……俺 風邪、引いてたんだっけ ドサッ エイスリン「はぁ、はぁ」 エイスリン「んっ……はぁ」 エイスリン「京太郎……?」 京太郎「」 エイスリン「ネチャッタ?」 エイスリン「…………」ジーッ 京太郎「」 エイスリン「umm...」 エイスリン「京太郎、ネテルンダヨネ?」 エイスリン「ソレ、ナラ、モウスコシ……」 エイスリン「ヤレルダケヤッテミヨウカ!!」 _,、= ニ;‐、、--――‐y、,_ ,,r;;;;''''=―--、、,_ /´ ヽ,ヽ,.゙'l,.゙Y;--',r'゙'ヾ;'V.j /∠,,.r_;'゙-‐-,<゙゙ヽ,'i、'‐、, ./_ .,,_j ゙l l,. Y/゙'ヾ、;、ノ,r;'| /jフ,r-、ヽ、 _,, .゙'ー;゙' ーi,. |'i, j.ヾ! ト‐! | .| .|,_ ./,.〈. 〉| ./ .(゙ _>゙'゙ r''゙´'i,゙l, ,j レ! .| | .|il, __ j .j゙ .l ト,゙',/ j.゙ r;| .レ'゙''‐ニ'''゙r''゙´ .゙l,ヽ,. ,ノ ゙ r''1.jノ .|.l,゙l, ゙ー゙.ノノ / / ゙l ゙l,ヽr',r'l ゙;| .ト、,. /./´゙ヽ;.、 ノ ,゙rッ .,Y';V | l,.゙ヽ--'゙ ,ノ / l, ゙'゙,,.l, ,j ゙| l,ヾ,、--、,,,、'_, r''゙ l / li,;) l,. ゙'i, / ,rシ-、,ィ) l,゙i,V/゙j゙ /゙,,、、、,_ ゙\!.レ゙ .| Y゙ ゙l゙i,・ヾi, ,/ィl、・_ノ ,; ゙シ'i.l,ノ ./゙ \ ゙Y .l / | `ラ´゙'''´ ''"'´ .| | .r'`V'''" ̄`゙ヽ、 ゙'i, |. ' / ゙'i, .j |./ ∧、, ゙̄ヽ、. \ ゙l. |\ ./ ゙i,. r、,,,.、,_ / ノメ、 .j |ヾヽ,゙'ー---‐'''''ヾ-、,‐' .゙i,ヾ'-'ニワ. / ./ノ .V j゙ |'i,. ヽ;-‐-、,_ __ .. / l,〈` //‐'´ ./.ヽ/ .j.ノ . ヾ、; ) ゙'i `ヽ、 / |ヾ‐;<;/__,、r'´ ./ .)='゙ .. ,ソ .( _,,r‐''゙⌒`゙ヽ、, / l; Y゙人゙l; . .,/,r'ニ゙ _,、r''´ .. ゙ヾ、 ヽ, l /,r | j‐゙''l; ゙ニー‐'゙ (`l.(_,r‐'''゙´__,, .... .`ヽ、,.... .. ゙l, .!. .l゙l゙レ' ‐゙ | ト;゙i,l、ノ,r;;'ニ゙/´゙Y .,r'゙ ̄ ..... .゙ヽ、 l, | 'ー;l.'i,.l゙ ,j 'シ'‐-ヘ;'V゙./ ゙l, ヽ, ...... ..ヽ, ゙l .|._,rラl,.| / ,i l, .ノ , ゙i, .゙ィ,.レ' .゙l, .| / / ゙l l,゙l,/./ .l, l, ././ .゙l,゙l、 /.,ィ´ ,.r''ニ'' ヾ, . l, j゙ .,rl´.'-‐ニ, .,、 L,,,,,゙l, V / ヽ,゙'´/.| .l゙/;=iミ;゙'i,. [ . Y゙ .,r',、 「゙´ | .| jヾ、--、ヾl, /,、 ゙l,.゙l、-';j;ノ ゙レ゙lj゙ ........ | / ./.| .レ-‐' 'ソ l,゙l, ./.∧、ヽ、,,/,/,,゙'i,,゙L、‐'゙ / // j゙ レ '二i .i''゙゙´| .| )、V.l゙ ゙l,.゙'V / ゙'i, ゙V゙ /ノ゙ /゙L,___,,,_ l..゙T´ .| | ,.| .| / ゙'i,゙l, `i , l, 〉,,.〈/ .ヽ、,,,,,、、-―‐-、ヽ、 .. . / 京太郎「ふぁぁ……」 京太郎「……外、暗いな」 京太郎「時間は……もう19時!?」 京太郎「風邪のときに童貞卒業してそのまま気絶……か」 京太郎「全裸だけど布団までかけてくれてありがたい」 京太郎「……俺、エイスリンさんとヤった、のか」 コンコン 京太郎「はーゲホッゲホッ!」 咏「よっ、元気かぃ?」 京太郎「あぁ、段々よくなってきたよ」 咏「そっかそっか……ん?」 京太郎「どうした?」 咏「イカでも焼いてんのか?イカ臭えけど」 京太郎「バッ!ま、まあな、霞さんがスルメイカ持ってきてくれてたんだよ、あーおいしかったー」 咏「ほへぇー……ならいいけどよ」 京太郎「で、何しに来たんだ?」 咏「あー、そうだった」 咏「晩飯食わね?」 京太郎「おう、いいぜ、何作って来てくれたんだ?」 京太郎「へぇー、これがサムゲタンか」 咏「そーそー、一日中暇だったから挑戦してみたってわけよ」 京太郎「薬膳料理で体にいいんだっけか、わざわざ俺のために調べてくれたのか?」 咏「ちっ、ちげーよ!たまたま、たっまたま暇だったから作ってみたんだっつーの!」 咏「たまたま買い物に行こうと思ったら霞に会ってお前のこと聞いて、そんでたまたま材料が売ってたんだよ!」 咏「わかったらとっとと食えよ京太郎」 京太郎「そんなとっとこハム太郎みたいに言われてもなぁ」 京太郎「まあいいや、いただきます」 咏「なあ、美味いか?」 京太郎「まだ食ってねえよ」 咏「そうだったよねぃ~」 京太郎(何言ってんだこいつは) 京太郎「なあ、お前どうしてそんなに元気そうなの?」 咏「どうして、ってそりゃあ、まあ……」 咏「京太郎とこうしてると、夫婦みたいかな……って」カァァ 咏「あっ、ししし知らんけど!」 京太郎「あー……確かに」 京太郎「けど俺と咏の子どもってどうなんだよ、絶対小っちゃくなるじゃんか」 咏「うっせー!私はまだまだ発展途上なんだよ!」 京太郎「…………」モグモグ 咏「せめて一言返してくれよ!?」 京太郎「…………」ゴックン 咏「ど、どうだった……?」 京太郎「これは……」 京太郎「うまいな」 咏「反応薄くねーか?私の気のせいか?」 京太郎「いや、疲れたっつーか、まだ元気出ない」 咏「んーそうかぃ……」 京太郎「けど、こんな晩飯だったら毎日食べたいな」 咏「ひゃぇっ?」 京太郎「もちろんサムゲタンじゃなくて、だぞ」 咏「わっ、わーってるよ!このスカポンタン!」カァァ 咏「そんなに作ってほしかったらいつでも作ってやるよバカ!」 咏「そんときは!……そんときは……また、二人で食おうな」 京太郎「おう、楽しみにしてるぜ」ニカッ 京太郎(つーわけで食後なんだけど……) 咏「~♪」シャー 京太郎(なんかデジャブだ) 京太郎(憩さんはあの小ぶりなお尻を振ってるのが良かった) 京太郎(咏はちょくちょく背伸びしようとしてつま先立ちするのが可愛いな) 京太郎(咲とかモモと一緒だとあいつらも料理上手くて三人で作って三人で片づけてたから、こんな風に後ろから見ることはあんまなかったんだよな) 京太郎(そう考えると、新鮮だ……) 咏「あ、うわわっ!」 京太郎「……え」 咏「京太郎、危ねぇ!」 京太郎「ナ、ナベ……?」 京太郎(えっ、なんで鍋?咏は自分の部屋で作って来たんだよね、じゃあなんで鍋なんか落ちてくるの?) 京太郎(それっておかしくねぇ?) 京太郎「ずがーん」 咏「京太郎ぉー!!」 京太郎「」ピクピク 咏「京太郎、おい、京太郎!」ペチペチ 京太郎「」チーン 咏「京太郎ぉぉぉぉぉおおおおお!!!!」 京太郎(起きたら咏に泣いて謝られた) 京太郎(痛かったのは確かだけど、こっちも申し訳なかったから) 京太郎『泣き止まねえと舌入れてキスするぞ』 京太郎(って言ったらしばらくフリーズして泣き止んだ……はぅっ!)ズキッ 京太郎「たんこぶできてるよ、まったく」 京太郎(なんで今日はこんなに疲れるんだ?) コンコン 夜 憩「お邪魔するなーぁ」 京太郎「とはいっても、何しに来たんですか?」 京太郎「夕食ももう食べましたし、憩さんの手を煩わすようなことは何もないはずですが……」 憩「京太郎くんは冷たいなぁ、用事がないと来たらあかんの?」 京太郎「いやいや!そんなことはないっすよ!」 京太郎「憩さんがまた来てくれて嬉しいです!」 憩「ふふっ、最初っからそう言ってくれればええんやで」 憩「……ほんまは用事があって来たんやけど」 京太郎「結局あるんかい」 憩「京太郎くん、もうお風呂入った?」 京太郎「いえ、まだですけど」 憩「まだ、やったら……その、な……」 憩「身体拭くの手伝うで」 京太郎「……えっ?」 憩「ほら、京太郎くん風邪引いとるからお風呂入るのも大変やろ?」 憩「せやから、背中だけでも拭いたろか?」 京太郎「確かに……よく母さんにもしてもらったような」 憩「せやろー?そんなわけで、憩お姉ちゃんにお任せや!」 憩「ほな当てるで、熱かったら言ってな」 京太郎「ぅあ……」 憩「拭くでー」 京太郎「……おお、これは、なかなか」 憩「せやろー流石やろー♪」ゴシゴシ 京太郎「ちょっとくすぐったいですけどね」 憩「そういえば、みんなで銭湯に行ったんやって?」 京太郎「あのときは咏と憩さんがいませんでしたね」 憩「次行くときは、みんなで行けたらええな」 京太郎「そうっすね、俺は一人でゆっくりしたいです」 憩「だーめ、今度も混浴やで」 京太郎「いや、ほんと、耐えられないんでやめてください、まじで」 憩「にしても京太郎くんの背中おっきいなぁ」 京太郎「そうですかね?」 憩「ふふ……京太郎くんの背中、ウチの手でおっきくなってるで」 京太郎「微妙に言いなおした!?そしてなんで色っぽくなってるんですか!?」 憩「ふーっ」 京太郎「ふきゅっ!」 憩「あはは、変な声やなーぁ」 京太郎「そっちがいきなり息吹きかけるからでしょうが!」 憩「背中で気持ち良かったんやったら、耳にもしたろか?」 京太郎「遠慮します、次は俺の番ですからね!」クルッ 憩「あっ……」 憩「ん……」 京太郎「ん……ぅ!?」 京太郎(エイスリンさんも淡のも小さくて柔らかかったけど……憩さんのは、何か違うような) 京太郎(匂いが……歯磨き粉かな?) 京太郎(これは新鮮だな……って違うわ!) 京太郎「ぷはっ……すっ、すみません!」 憩「俺の番……って、そういうことやったんやな」 京太郎(この雰囲気は怒ってる!断言できる、ニコニコしながら怒ってくるに決まってる!) 憩「京太郎くんがその気なら、ウチやって……」 京太郎(やべっ、憩さんの手が俺の頬に!) 京太郎(これはビンタか?) 憩「すぅー……」 京太郎(ビンタなのかぁー!?) 憩「はぁぁぁぁ……」 京太郎(気合入れてるからビンタだね!) 憩「うぅ……えいっ!」チュッ 京太郎「んむっ」 憩「んっ」 京太郎(あれ、両手ほっぺに添えられてるじゃん) 京太郎(ってか、またキスしてるじゃん) 京太郎(……俺、この二日で何回キスしたんだ……?) 憩「っはぁ……」 憩「今度いきなりしたら怒るで、ええな?」 京太郎「キスしてキス仕返されるなら大歓迎です!」 憩「そういう問題とちゃうんやけど……」 憩「……まあ、これで偶然やないファーストキスになったわ」 京太郎(偶然じゃ、ない) 京太郎(ああ、そういや、校門の前で誰かにぶつかられて……) 憩「今のは今までの感謝の気持ちと、さっきのお返しやさかい、特別なんや」 憩「次は……もっと、すごい仕返しにしてまうからな」カァァ 京太郎「はい、あーん」 憩「あー……ん」モグモグ 京太郎(なんで霞さんからもらったみかんを食べさせ合いっこしてるんだ、俺たち) 京太郎(身体を拭く、という憩さんの用事が済んで、なんとなく……) 京太郎「こたつもあれば風情があって良かったですね」 憩「んふふ~ちょっとごめんなー」バサッ 憩「こうして二人でお布団にくるまる方があったかいで?」 京太郎「そんなに近づいたら風邪がうつりますよ」 憩「風邪は誰かにうつした方が早く治るらしいで」 憩「京太郎くんの風邪やったらうつってもええし、かまへんよ」 京太郎「それで憩さんが風邪になったら、俺が憩さんの風邪をもらいますからね」 憩「もう堂々巡りやないか……」 京太郎「そーっすねー」 憩「……こう、京太郎くんの隣におるとあったかくなるなぁ」 京太郎「そりゃあ熱出してる人と同じ布団に入ってたらそうなるでしょう」 憩「ムードもへったくれもないなぁ」 京太郎「じゃあ、こうしますか?」ギュッ 京太郎「キスに加えて手まで握れば、すぐ風邪がうつりますよ」 京太郎「……あ、みかんどうしましょこれ」 憩「右手で食べさせてー」 京太郎「いや、筋とかも剥かないと……」 憩「バナナとかみかんの筋は栄養が入ってるから食べた方がええんやで」 憩「ほらもういっこー」 京太郎「わかりましたよ、あーん」 憩「あーん」モグモグ 憩「ん~おいしいなぁ」 京太郎「俺にも食べさせてくださいよ」 憩「京太郎くんは部長さんに尽くすべきやと思うなー」 京太郎「これからもこんな調子なのか……」 憩「……ええやん、こんな調子で」 憩「京太郎くんはウチを手伝ってくれて、ウチも京太郎くんと一緒に頑張る!」 憩「このまま、二人で頑張ればええやろ?」 京太郎「今の憩さんは思いっきり怠けてますけどね」 憩「それは……臨機応変って言うヤツや」 京太郎「調子いいなぁ」 憩「……ま、何にしてもや」 憩「不束者やけど、これからもよろしうな」 京太郎「こちらこそ、まだお世話になります」 憩「……なんか、照れくさいなぁ」 京太郎「そう……っすね」 憩「そろそろ遅いし、帰るなぁ」 京太郎「今日は一日、ありがとうございました」 憩「ええよ、ご近所さんやし、後輩さんやからな」 憩「明日も長引いとるみたいやったら、また看に来るで」 京太郎「憩さんが毎日来てくれるんなら風邪なんて引きっぱなしでもいいかもしれませんね」 憩「さっきも同じようなこと言ったような気がするわ……」 京太郎「ですね……」 ヒュウウ 憩「くしゅん!」 京太郎「身体冷えちゃいますから、早く部屋に戻ってください」 憩「もうちょっと一緒に話していたいんやけど、女の子にそんな言い方してまうんやなぁ」 京太郎「俺だって、憩さんが俺のことを大切に思ってくれる以上に――――」 京太郎「ずっと、ずっと、憩さんのことが大切なんですもの」 京太郎「……っと、すみません、臭いこと言っちゃって」 憩「ううん、嬉しい」 憩「……京太郎くんは、なんでこんなに嬉しいこと言ってくれるんやろ」 憩「言葉も、麻雀も、料理も勝てないなんて、ずるすぎるわ」 京太郎「そんなこと言ったら、俺も憩さんの笑顔や学力に敵わないですよ」 憩「せやったら、ウチらが一緒におれば最強やない?」 京太郎「一緒にいれば……って、結構大胆なことを言いますね」 憩「京太郎くんに負けないくらいにしてみたつもりなんやけどね」 京太郎「……これからも一緒にいれるかどうか、なんてわかんないっすけど」 京太郎「今なら、こうすれば……」ギュッ 京太郎「一緒になってる、って感じがしませんか?」 憩「冬の夜やから、余計にな」 憩「……せや、クリスマスプレゼントまだあげてんかったやろ?」 京太郎「そんなのいいですよ、今日一日のお世話で十分です」 憩「年上としてそういうわけにもいけへんのや」 憩「せやから、これが、ウチからの誕生日プレゼントやで」 憩さんの両手が顔に添えられた 柔らかい指が顔を撫で、そこまで続く腕は、身体と身体を密着させるために曲げられる 憩さんはほんの少し背伸びをして、ゆっくりと顔をこちらに近づけてきた 目はもちろん閉じられていて、それが何を意味しているのか、なんて容易に想像することができた 唇が触れ合い、甘い歯磨き粉の香りが口の中に広がる 本日三度目の香りが、憩さんの舌によってさらに押し込められたのだ 甘い粘液をまとった舌が絡みついて来たので、こちらも絡め返して、互いの唾液を共有する 風に吹き付けられる寒さよりも、風邪がもたらした熱よりも、このキスの気持ち良さが遥かに勝る 快楽に浸っている間に、この一年の記憶が、脳裏に浮かんできた 初めて霞さんに挨拶をしに行った時のこと 登校初日に照と再会したこと 憩さんの涙を見て、手助けをしたいと思ったこと 憩さんと雀荘へ行って、たこ焼きを食べたこと エイスリンさんと初めて会話をしたときのこと 清々荘のみんなで歓迎会を開いて、お祝いをしてもらったこと 雀荘で怜さんと出会って、怜さんが倒れたこと ゲーセンで郁乃さんを助けたこと 他にも、まだまだある そんな日常の思い出や、非日常の思い出がこの一瞬のうちに思い起こされる 時間というものはあっという間に過ぎ去って、思い出は風化しながらも脳の片隅で生き続ける 俺が清々荘で過ごした八か月間は、どうやっても忘れることのできない思い出だ そして、それはこれからも積み重ねられるんだ 憩「……もう、激しくしすぎや」 京太郎「そっちから仕掛けてきたんでしょうが」 京太郎「クリスマスプレゼントの交換もし終えたんですから早く帰って寝てくださいよ」 憩「うん、ほな帰るな」 京太郎「おやすみなさい」 憩「おやすみー」フリフリ 憩「……あ」 京太郎「まだ何か、忘れ物でも?」 憩「んー……ちょっと一言、な」 京太郎「?」 憩「えー……コホン」 {{{ . .-――-. . . . ´ .` . / ヽ . . / / l ヽ ヽ . / / / / l l l . ′ . . . ′/ | ハ ト、 ヘ i l |. | 1 | .|{ ‘. ヽ\_ ; | | | | | | |-―.lハ{\ fヾ\` i l |l | | | | | |{ ヽ \ { \ \ | 八 | | | レ _ 、 `r==ミx } ∧ . 八 ヽ | r㌃⌒` ムイ } ヽ / \ヾ ,,,,,,,, , '' | ノ \ / 八 ハ .... 、 「 ヽ > / / >-、 ( ノ イ l l ヾ \ -=≦ / ゝ ー ' < l ∧ |` ー---` 「京太郎くん、大っ好きやで」 ∠ イ ∧ ト、 ≧=r-- 1 /レ' .V / \ { ヾr‐ァ' トヘ/ ___/ \ __ / \_____ / \ /ー一ヘ / ハ ハ \/ }/ ̄} / i ヽ } } | У } ∨ .| ′ / } } .. { . / { } } . | | } ,. i i ハ } ' . | }} 憩「いつも、おおきに」 【冬休み12日目】終了
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2281.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364050545/ 京太郎「……あれ?」 京太郎「ない!ないない!アレがないぞ!」 京太郎「ちょっと待て!身長も低い気がする…、ってか胸」 ぷにょん 京太郎「……」モミモミ 京太郎「……俺、女の子の胸とか触った事ないけど多分これがおもちだ」モミモミ 京太郎「落ち着け落ち着け…。クールになれ須賀京太郎」 京太郎「昨日の夜までは…、普通だったよな?」 京太郎「確か…」 和『須賀君、クッキー作ってみたんですけど試食して貰えませんか?』 京太郎『和が俺に?何の冗談だ』 和『じっけ…いえ、たまたま作りまして。ほら、今日は咲さんがお休みじゃないですか』 京太郎『確かに咲は休みだが…。優希とか居るけど』 和『須賀君に食べて欲しいんです!ぜひ!ぜひぜひ!』 京太郎『い、頂くよ。和の手作りとか珍しいからな』カリッ 和(食べましたね!)ニヤリ 京太郎『結構美味しいぞ』ポリポリ 和(効果が出るのは12時間後。とある病院で開発された性別反転キノコを使ったクッキーです) 和(もし…、これが成功すれば咲さんから咲君になって、咲君は私の体の虜になるはずです) 和(男の子は大きいおもちが大好きですからね。須賀君の視線もいつもおもちばっかりですし) 和『えーコホン。明日は必ず部活に来て下さいね』 京太郎『風邪でも引かない限り行くつもりだが?』 和『風邪引いても来て下さい!お願いしますね!』ギロッ 京太郎『お、おぅ…。今日はいつになく優しいな』 和『須賀君は清澄麻雀部に欠かせない存在ですからね』ポッ 京太郎(これは…、脈ありなのか…。優希すまん!お前に悲しい報告をする日が来るかもしれねぇ) 須賀家のトイレ 京太郎「やっぱりチ○コないわ」cv井上麻○奈 シャアアアアア、ブリュブリュュ 京太郎「オシッコしようと思ったらウ○コまで出たぞ!?女の体って不便だなぁ」 京太郎「……」フキフキ 京太郎「あんまりグロいから見たくないな。ちくしょう!モザイクの向こう側はこんな世界だったのかよ!」 京太郎「とりあえず部長に相談してみるか。学校行こう」 33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 02 17 18 ID 9roUFHEs0 部室 京太郎「ちわー」ガチャ 久「あら?見かけない顔ね」 まこ「もしかして入部希望者かの?」 京太郎「いや…、俺…」ゴニョゴニョ 久「一年生誰か!お茶と和菓子の用意を」 咲「は、はい。今すぐ用意して来ます」タッタッタ 咲「お茶もお菓子もどこに仕舞ってあるのかなぁ…。普段は京ちゃんが全部やってるからわかんないよー」ゴソゴソ まこ「困ったの。優希、買いに行ってくれるか?」 優希「ラジャー」 京太郎「あの…、お茶なら白糸台の渋谷さんが送ってくれた玉露がまだありますし」 咲「え?」 京太郎「そこの戸棚の左奥だよ」 咲「こんな所にあったんだ」ゴソゴソ 咲「ど、どうぞ粗茶ですが…」コトッ 京太郎「…どうも」 京太郎(やっぱり気がつかないのか) 久「それで貴方は何年生なのかしら?麻雀部は見学に?」 京太郎(いつもいいように使われてるし、たまには仕返ししてやるか…) 京太郎「い、一年生の山田花子と申します」ペコリ 京太郎「麻雀は点数計算とか出来ない素人で、初心者です」 久「うんうん、麻雀の点数計算は難しいものね。初心者とか全然気にして無いから」ニコッ まこ「そうじゃ、私らがいくらでも教えてやるわい」 京太郎「えー、お…私に出来るかなぁ~」 京太郎(女と男でなんでこんなにも態度が違うんだよ!) 京太郎、男の時 久「須賀君さー、まだ符計算覚えてないわけ?」 京太郎「はい。俺の練習相手ってネトマだから覚えなくても問題なくて」 久「そんなんで上手くなれるわけないでしょ!ほら、紙にでも書いてチャチャと覚える」 和「符計算くらい覚えて貰わないと清澄麻雀部の一員である資格なんてありませんよ」 京太郎「えぇ~」 京太郎「どうしようかな~」悩むふり 久「ね、ね、お願いよ。実は私が卒業して清澄麻雀部の部員が4人になるの」 咲(京ちゃん入れて5人ですが) 京太郎「そんな事言われても私には関係ないし~」 久「全国大会団体戦は5人居ないと出場出来ない。来年、新入部員が入って来る保証もない」ジリジリ 京太郎(女)との距離を詰める久 久「私で良かったら…、何でもするからさ…」サワッ 京太郎(なんか知らんが手を握られた) 京太郎「何でもですか?」 久「金銭的相談以外ならね」ウィンク まこ(あーあー、安請け合いしよってからに) 京太郎「コホン。じゃあ、おもちタッチいいですか?」 久「へ?」 京太郎「おもちタッチですよ。同性ですし、別にいいかなって」 久「うっ…、胸を触らせろって事ね///」 京太郎「はい、触らせて貰えたら入部を考えます」 久「胸かー。胸をねぇ…」ウーム まこ(一応、初対面なんじゃが…) 咲(でも全国大会にも居たなぁ…、そんな女の人) 玄『和ちゃん、お久しぶりですのだー』モミモミ 和『玄さん!?』 久『誰?和の知り合い?』 玄『清澄の部長さんですね?初めまして、和ちゃんの幼馴染の松実玄です』モミモミ 久『…触っていいって言ってないけど?』 玄『これは奈良式の挨拶でして』モミモミ 久『……ふーん』 玄『私のおもちも触りますか?』ズイ 久『結構です』 玄(Cカップですか…。清澄のおもち力は全国でも下から数える方が早いですね) 玄(後は…)チラッ 咲「それでね、そのドラマの女優さんが…」 優希「へぇー、ごり押しじゃないのか」 まこ「最近よくCMで見るのぉ」 玄(さて、次の学校に行きますか) 京太郎(女の人なら初対面でも胸を揉んでいいのか…。男なら即警察行きだからなぁ) 咲「そんな事があったな。後から聞いたら松実さんは大のおもちマニアだとか」 まこ「なーに一人でブツブツ言ってるんじゃ」 京太郎「で、どうしますか?俺、麻雀は初心者ですが料理、裁縫、日曜大工。雑用なら何でも器用にこなせますよ」 久「…うーん。欲しい」 久「ふ、服の上からよね?///」 京太郎「今日の所はそれでいいです」 久「減るもんじゃないし…、いいわよ///」コクン 京太郎「では、触ります」フニフニ 久「んっ…、んふっ…」 京太郎(うーむ、柔らかいけど大きさがなぁ…。俺の方が大きいかもしれん) 京太郎「……」モミモミ 久「あっ…、あん!た、タッチって言ったじゃない!?」 京太郎「失礼しました、つい考え事をして」ペコリ ガチャ 和「おはようございます」 久「で、これが入部届ね。約束は守って貰えるのよね?」 京太郎「はいはい、もちろ…」 和「須賀君ですか?」 京太郎「ぎくっ!?そそそそ、そんなわけあるか!俺は女だぞ」 京太郎「須賀君は男じゃないか!」 和「……」ジトーーー 久「入部届ありがとう。あら?山田花子さんじゃないの?」 咲「須賀京太郎って書いてますけど…」ジトー 優希「おい、山田。お前の持って来た鞄を見せるじょ」ヒョイ 勝手に京太郎の鞄を取る優希 優希「……」クンクン 優希「これ、犬の家の匂いだじぇ!?」 久「きゃあああああああああ!」 まこ「おぬし、京太郎か!」胸倉掴む 京太郎「マジすいません!ほんの出来心で…」ブルブル 咲「最低だよ、京ちゃん」 和「ホントに最低ですね」プンプン ・ ・ ・ 久「で、言い訳とかあれば聞くけど?」ムスッ 京太郎「来年も清澄の雑用係として末席に置いて下さい」ドゲザ 久「ったく。男の子に胸触られるのとか初めてだつーの!」 咲「ホントに京ちゃんなの?」 京太郎「信じられないかもしれないが、須賀京太郎だ。起きたら女になってた」 和(実験は成功ですね)ニヤリ 久「いくつか質問をしましょう。他校から送られてきたスパイかも」 まこ「まぁ…、わしらは仮にも全国大会で優勝したチームじゃしな」 優希「京太郎の事は私が一番詳しいじぇ。おい、花子。私の質問に答えろ」 京太郎「花子じゃねーよ!」 ・ ・ ・ 優希「あっ、間違いないじぇ。この花子は、京太郎だ」 咲「だよねぇ…。私と京ちゃんの中学時代の事まで知ってるなんて」 和(咲さんの中学生時代の話が聞けて貴重でした) 京太郎「信じて貰えましたか?」 久「次は本当に女になったかをチェックね」 咲(胸、どう考えても私より大きい!こんなのってないよ)ズーン 京太郎「ははは…、女の体って不便ですね。体力は絶対落ちました。筋力もですけど」 久「私は貴方の体を触る権利あるわよね?」 京太郎「た、多少は」 久「ふふっ…、少し楽しみね。さぁ、須賀君そこのロッカーに入りなさい」 京太郎「は?」 ギィィィィィ まこ「どうぞ、ごゆっくり」 京太郎「……」ビクンビクン 久「ふぅ、一仕事終えたわ」フキフキ 咲「部長、本当に女の子でした?」 久「間違いないわね。身長169cm、体重49kg、BWHは90-62-92」 久「清澄では和に次ぐナイスバディーよ」 優希「犬の癖に生意気だじぇ」 咲「京ちゃんいいなぁ…。私もバスト90とかなってみたい」シュン 和(咲さん、安心して下さい。私がもうすぐ咲さんをバスト(胸囲)90に変えてあげますからね) そして京太郎が女のまま夏がやってくる 県大会予選 まこ「いいか。優希で稼ぐ。そして次鋒の京太郎に繋ぐ」 京太郎「は、はい」 優希「私が他校を飛ばしてしまってもいいんだじぇ?」 まこ「もちろん。京太郎はあくまで防御にこだわるんじゃぞ」 京太郎「はい、ベタ降りの練習はずっとして来ましたから大丈夫です」 咲「京ちゃん、何点取られても気にしないでね」 和「私達が取り返せばいいんです」 京太郎「おぅ。お前らに任せた。俺は飛ばされない事だけを考えて打つよ」 優希「大丈夫だじぇ。半年間私と咲ちゃんの東場で練習して来たじぇ。もうちょっと自信持つじぇ」 パーン 京太郎の腰を叩く優希 京太郎「いてて…」 まこ(次鋒は火力が高い選手が少ないからの。大丈夫じゃと思うが…) まこ(久が居ない分、去年より確実に厳しい。しかし、京太郎が女になってくれたおかげで県大会出れたんじゃ) まこ(京太郎に感謝せんと) なお県大会優勝は龍門渕 10年後 京太郎「おっ…、動いた!」ドクン 優希「私も動いたじぇ。流石双子」 和「双子なんですかね?まぁ…、母体が違うだけで遺伝子は同じですからね」 京太郎「しかし、和には感謝してるぜ。iPS細胞での女性同士の妊娠。滅茶苦茶お金かかるからな」 優希「何年かかってもお金は必ず返すじぇ」 和「気にしないで下さい。私は須賀君にとても感謝してるのです」 京太郎「俺に?」キョトン ?「京ちゃんも優希ちゃんもお腹大きくなったねぇ~、久しぶり!」 京太郎「お前、咲か!?ヒゲ似合ってねーなー」 咲「むっ?厳つい感じを出したかったのに…」 優希「咲ちゃんはカワイイ男の子だから、ヒゲなんて辞めといた方がいいじぇ。イチローって言うかムネリンタイプ」 和「世界大会はどうでした?」 咲「ごめんね、負けちゃった」エヘヘ 京太郎「ニュースで見たぜ。監督の指示ミスなんだよな?」 咲「違うよ。私の責任。ちょっと焦ってリーチかけちゃったのが原因」 優希「ネットでは戦犯とか言われてるけど、気にする事ないじぇ」 和「当たり前です!咲さんは日本を代表して戦ってたんです、リーチかけて直撃振り込んだからって戦犯だなんて…」 咲「事実だよー。大将だからね、責任は取らないと」 咲「和ちゃん、ごめんなさい。坊主にして来ました」ぺっこりん 帽子を取って坊主頭を見せる 和「咲さん」ウルウル 咲「私の事、嫌いなった?」 和「……」フルフル 和「坊主頭くらいで嫌いになれるわけないです」 咲「良かった。そうそう、日本に帰って来たらね…。ホントは勝って言うつもりだったんだけど…」 咲「け、け、結婚しませんか?」 和「喜んで」ニコッ 京太郎「おおっ!ついに咲が…」 優希「明日の朝刊の一面は決まりだじぇー。染谷先輩や竹井先輩に報告しないと」 こうして女になった京太郎は末永く優希と暮らしました。 男になった咲さんも、末永く和ちゃんと暮らしましたとさ 終わり
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2249.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1372845067/ 京太郎「……飛びました」 優希「またー!?ほんとに犬は弱いじぇ!」 和「こら、優希」 久「あはは、須賀君たら駄目駄目ねー」 まこ「そう笑ってやりなさんな」 久「それじゃ、咲と交代して須賀君は買出しお願いね」 咲「ごめんね京ちゃん」 京太郎「はい、行ってきます」 スタスタ ガチャ バタン 京太郎「…………はぁ」 ―須賀邸― 大沼『……ツモ』 『決まったー!!大沼プロの優勝です!!』 <ワーワー 京太郎「……」 京太郎「…………はぁ……」 京太郎(なんで俺はこんなに麻雀が弱いんだろうな……) 京太郎(最近はずっと麻雀の勉強してるんだけど……強くなった気がしない) 京太郎「……才能、無いのかな」 京太郎(…………それに、正直……清澄の顔に……俺が泥を塗ってる気がする) 京太郎(皆は団体や個人戦で良い成績収めてるのに、俺は一回戦敗退) 京太郎(これじゃ来年は男子麻雀は和や咲目当ての奴しかこないんじゃねえか?) 京太郎(実力のある奴は皆俺を見て清澄に見切りつけて風越に行っちまうんじゃ……) 京太郎「……はぁ」 京太郎「………………部活、やめちまうか……」 ―翌日― 京太郎「……ふぁあ……」 咲「あれ、京ちゃん。おはよ」 京太郎「ん?ああ、咲か」 咲「眠そうだね?」 京太郎「ん?はは、まあな」 咲「……?」 京太郎「?どうした?」 咲「ううん……なんだか、元気ない?」 京太郎「……」 京太郎「いんや?元気過ぎて困るくらいだぜ?」 京太郎「ちょっと寝不足でさあ、まぁ授業中寝れば大丈夫だ」 咲「もう、駄目だよ!授業中に寝ちゃ!」 京太郎「ははは」 京太郎(……わりぃな、咲) ―3年教室― 「竹井さーん」 久「んー?なにー?」 「一年生の男の子が来てるよー」 久「一年生の……?あ」 京太郎「……」ペコ 久「わかったーすぐ行くわー」ガタ ―廊下― 久「おはよう、珍しいわね。須賀君が会いに来るなんて」 京太郎「……いきなりすみません」 久「いいわよ別に。で?どうかしたの?」 京太郎「……えっと」ゴソゴソ 京太郎「…………すみません、コレを」スッ 久「ん?何ー?まさかラブレター?」 久「………………――え?」 【退部届】 京太郎「……すみません、急に」 久「……え」 久「冗談、とかじゃ……ないの?」 京太郎「……すみません」 久「……」 京太郎「……」 久「……考え直してくれたり……しないかな」 京太郎「……御世話になりました」ペコ クルッ 久「あ!ちょっと須賀く――……」 京太郎「……」タッタッタ タッタッタ…… 久「……行っちゃった……」 久「……………………困った、わね……」 スタスタ 優希「情報技術の授業は楽だからいいじぇー」 和「そうですね」 タッタッタ 優希・和「え?」 京太郎「……」タッタッタ 優希「おう!犬っころ!」 和「あ、こんにちわ須賀く――……」 ビュン 京太郎「おう、じゃあな二人とも!」タッタッタ 和「わわ、廊下は走っちゃ駄目ですよ!!」 タッタッタ…… 和「……行ってしまいました」 優希「何を急いでたのか」 タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(少し……後ろめたいけれど……これでいいんだ) 京太郎(麻雀だったら……雀荘でも、ネットでもできるし) 京太郎(元々、和に憧れて入った部活だし……もういいんだ) 京太郎「……」 タッタッタ 京太郎「……これで、いいんだ」 ガタッ!! 京太郎「あぐっ!!?」 ドターン 京太郎「っ……!いてて……!」 京太郎(……な、何も無い所で転んじまった……?) 京太郎(でも、何か足に引っかかったような感触が……) ―帰り道― スタスタ 京太郎「……」 京太郎(結局……みんなには何も言わずに帰ってきちゃったな) 京太郎(皆怒るかな……いや、変わりなさそうな気がする)ハハ 京太郎(でも、咲には怒られそうだな……『誘ったくせにやめるなんて最低』とか) 京太郎「……」 京太郎(咲にゃ悪い事したな……) 京太郎(待ってろよ、すぐにすっげー強くなって……お前相手に飛ばないように、いや) 京太郎(お前に勝てるくらい強くなって、お前を楽しませてやるからな……!) スタスタ 京太郎「……」 スタスタ 京太郎(……ん?) クルッ 京太郎「……」 シーン…… 京太郎(……気のせいか?) クルッ スタスタ 京太郎「……」 スタスタ スタスタ 京太郎「っ!」バッ!! シーン 京太郎「……」 京太郎(…………おかしい) クルッ タッタッタ 京太郎「……っ」 <タッタッタ 京太郎「!」 京太郎(やっぱりだ)チラッ <タッタッタ 京太郎(誰か後をつけて来てる……!) ピタ 京太郎「……」クルッ シーン…… 京太郎「……咲……か?」 京太郎「……」 京太郎「優希……?部長……?」 シーン…… 京太郎「……」 京太郎「……染谷先輩……?」 京太郎「…………まさか、和ってことは……」 シーン…… 京太郎「……」 京太郎(……何も返事が無い) 京太郎(小学生のいたずらか何かか……?) 京太郎「……」 京太郎(…………とにかく、帰るか……) ピタ 京太郎「……ん?」 京太郎(……なんだ?) 京太郎(あの……電信柱の下から……誰かがこっち見てる……?) 京太郎「……」 スタスタ 京太郎「誰、だ?何か用か?」 京太郎(まさか、本当に咲が俺を追っかけて来て――……) 京太郎(隠れっ――――……)ピタッ 男「……」 京太郎「……」 京太郎(……誰だ) 京太郎(誰だ、このおっさん) 男「……」 京太郎(……何だ、このおっさん……なんで、俺をじっと、見て) 京太郎(え、て、事は……さっきから俺を追いかけてたのって) 京太郎「…………――――っ!!!!」ゾッ ダッ 京太郎「ひっ……!!」タッタッタ 京太郎(き、気味悪ぃ!) 京太郎(全速力で逃げよう!!!!) タッタッタ…… …… … ・ ―須賀邸― 京太郎「……はぁ……」グテー 母「どうしたの京太郎、そんなに疲れて」 京太郎「いや……なんでもない……」 京太郎(結局なんだったんだ……あの後は何も無かったし……) 京太郎「……」 京太郎(でも、なんだろう……あのオッサンどっかで) コンコンコンコン 京太郎「……ん?」 コンコンコン 京太郎「……」 京太郎(誰か玄関をノックしてる……?) コンコンコンコンコンコン 京太郎(なんでチャイムを鳴らさな……) コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン 京太郎「……」 コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン 京太郎「っ……」ゾク 京太郎「な、なあ母さん!さっきからずっと玄関のドアをノックされてんだけど!」 母「えー?本当ー?」ジャバジャバ 京太郎「でてくれよ!なんかしつこくて……」 母「洗い物してるんだから京太郎出てよー」ジャバ カラン 京太郎「そっ…………!……ったく……!」ガタ スタスタ 京太郎「……」 京太郎(や、俺の考えすぎか……。流石に撒いたはずだし) ガチャッ 京太郎「はーい」ギィ シーン…… 京太郎「……?」 京太郎(誰も……いない……?) 京太郎「……はぁ」 京太郎(なんだろう、動物とかか) 京太郎(な――……) 男「……」 京太郎「……――え」 男「……」 京太郎「……」 京太郎(あいつ) 京太郎(家の、塀の外から……こっち見てるあのおっさん) 京太郎(あいつ、あいつだ) 京太郎(夕方の……あいつだ……!!) 男「……」 京太郎「な……な……」 京太郎(なんだこいつ……なんだこいつ) 京太郎「な、なんの用ですか……!あんた……!」 男「………………鬼門」 京太郎「っひぃっ!!!」バターン タッタッタ! 京太郎「か、母さん!!家の前に変な人が居るんだけど!!」 母「はぁ?変な人?」 京太郎「そ、そう!!なんか、禿げたおっさんでさ!!」 母「ちょっと見てくるわ」スタスタ 京太郎「ちょ、あ、危ないって!」 母「見るだけだから大丈夫よ」スタスタ ガチャッ 母「……」 京太郎「か、母さん!俺の後ろに隠れて――……」 母「何もいないじゃない」 京太郎「……――え?」 シーン 母「……あんた、疲れてる?」 京太郎「ほ、本当だって!!確かにあそこにいたんだ!!」 バタン スタスタ 母「ほらほら、もうバカ言ってないでさっさとお風呂入っちゃいなさい」 京太郎「でも本当に――……」 <ワーワー 京太郎「……――?」 『……ロン』 『また決まった―!!大沼プロ、捲り上げた―!!』 母「まーた麻雀の番組……」 京太郎「……こいつだ」 母「え?」 京太郎「こいつだ、大沼プロだ」 京太郎「俺が言ってた変なおっさん、こいつだよ!!」 京太郎「大沼プロがさっきあそこに本当にいたんだよ!!」 母「……」 京太郎「さっき塀の外から――……」 母「京太郎」ポン 京太郎「え?」 母「あんた、ここ最近ずっと麻雀の勉強してて碌に寝てなかったでしょ」 母「もう寝なさい……暖かくして、風邪引かないように」 京太郎「ほ、本当だって!本当なんだって!!」 母「さ、カピは今日はママと寝ましょうねー」 カピ「ピカピ」 京太郎「母さん!母さーん!!」 …… ―翌朝― スタスタ 京太郎「ふあ……ふぅ……」 京太郎(……結局、信じてもらえなかったな……本当なのに) 京太郎「……」 京太郎(でも、もしかしたら大沼プロに似てるだけのおっさんだったのかもな……) 京太郎(いや、それでも問題だけども) 京太郎(もう来ないといいな……今の所、家の外にも居なかったし、つけられてる様子も) 「京ちゃん」 京太郎「っ!!!!!?」ビクゥッ!!!! 咲「はゎっ!?」ビクッ!! 京太郎「って、さ、咲?咲か……」 咲「ご、ごめんね?驚かせちゃって……」 京太郎「いや、いいんだ……ごめん、おはよう」 咲「う、うん……おはよ」 京太郎(ビックリした……良かった、咲か……) 京太郎(……ん?咲?) 咲「……っ……」 京太郎「……」 京太郎(……あ) 京太郎(そうだ……俺、昨日……) 咲「あの、ね?京ちゃん……」 咲「なんで…………麻雀部、やめちゃったの……?」 京太郎「……」 京太郎(……――部活、やめちゃったんだっけ) 京太郎「……ごめんな」 咲「う、ううん……でも、何で――……」 京太郎「……悪い、咲」 咲「え?」 ダッ 咲「え!?京ちゃん!?」 京太郎「ちょっと急ぐから先行く!ごめんなー!!」タッタッタ 咲「……京ちゃん……」 タッタッタ…… 京太郎「っ」 京太郎(だっせぇ……!だせえぞ俺!!何逃げて来てんだよ……!) 京太郎(本当に根性なしだ俺……!!素直に言えばよかったんだ!!) 京太郎(『弱すぎて自信がなくなったから、やめました』って――……) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(……あぁ……) 京太郎(……駄目だな、俺……本当) 京太郎(駄目な奴だ……) ガサッ 京太郎「ん?」 京太郎(なんだ?今……道の左の山の奥) 京太郎(何か――……) ガサッ!!ガサガサガサガサッ!!!! 京太郎「……」 大沼「……」ガサガサガサッ!!! 京太郎「う」 京太郎「う……~~っ……!!!?」 大沼「……」ガサガサガサガサ!!!!! 京太郎(あ、あいつだ……!!) 京太郎(あいつが、山の奥を……走ってる……!!!) 京太郎(俺の事) 京太郎(俺の事を凝視しながら) 京太郎(俺に平行して、走ってきてる!!!!) 京太郎「う」 ダァッ!!!!! 京太郎「うわああああああああ!!!!!!!!!」タッタッタ ガサガサガサッ!!!!! 京太郎「ひっ……!ひい……!!」 京太郎(は、走らなきゃ!!あいつより早く走らなきゃ!!) 京太郎(右にはガードレール、その向こうは少し高い崖だ……!!) 京太郎(後ろには、咲がまだ歩いてる……巻き添えにしちまう!!) 京太郎(前しか、逃げ道が無い……!!)チラッ 大沼「…………」ガサガサガサガサガサガサ!!!!!!! 京太郎「ひぃっ!!!!」 京太郎(とにかく走るんだ……!!もうすぐで人気の多い場所に、開けた場所に着く!!!!) ガサガサガサッ 京太郎「えっ?」 大沼「…………」ガサガサガサガサ 京太郎「う」 京太郎「うわぁぁぁっ!!!!」 京太郎(こ、こっちにきやがった!!!!今まで並走してたのに!!いきなりっ!!!) 大沼「…………」ガサガサガサガサ!!!! ガサッ!!! 大沼「………………おはぎ」タッタッタッタッタ 京太郎「ひぃぃぃ!!!」 京太郎(山から抜けてっ!!!道路に来たっ!!!!) プァァァ――――!!!!! 京太郎「うわぁっ!!!!!」ガバァッ!! キキィー!!!! …… ドサァッ!! 京太郎「はぁっ……!!はぁっ……!!」 ガチャッ バタン 女「だ、大丈夫ですかっ!!?」タタタ 京太郎「はぁっ……!!はぁっ……!!?」 京太郎(あれ……あ、あいつは……)キョロキョロ シーン 京太郎(……いなく、なっ……た……?) 女「もう!危ないでしょ!いきなり飛び出してきちゃ!!」 ―学校― スタスタ 咲「おはよー……」 クラスメイト「宮永さんおはよー」 咲「おはよ……あれ?」キョロキョロ クラスメイト「ん?どしたの?」 咲「えっと……京ちゃ……須賀君は?」 クラスメイト「京太郎君?さっき保健室行ったよ」 咲「え?保健室?」 クラスメイト「うん。なんでも来る途中に怪我しちゃったみたい」 咲「怪我……!?」 ―保健室― 京太郎「いつつ……」 保険医「もう、なんで登校するだけで怪我してるの」ペタペタ 京太郎「すみません……」 保険医「はい、おしまい」ペシン 京太郎「いだっ!」 保険医「全く……歩ける?」 京太郎「はい、なんとか……」 保険医「そう、それじゃ私は職員会議行ってくるから痛みが引いたら教室に帰りなさいよ」 京太郎「はい、分かりました」 保険医「それじゃ、御大事に」 ガラッ ピシャン 京太郎「……はぁ」 京太郎(……) 大沼『………………おはぎ』 京太郎(どうしよう……) 京太郎(あいつの事……先生達に相談した方がいいのかな) 京太郎「……」 京太郎(やっぱり相談した方がいいよな……) 京太郎(俺以外にもこんな目に遭わせないようにしなきゃ) スクッ 京太郎「よし」 京太郎(それじゃ……教室じゃなくて職員室に) スタスタ 京太郎「!!」 スタスタスタスタ 京太郎「……」 京太郎(この、足音……保健室に向かってきてる) 京太郎(……まさ、か……) スタスタ…… ピタ 京太郎(…………っ) ガラッ!! 京太郎「……っ!!」 スタスタ 優希「せんせぇー……ちょっと体調が」 優希「……――って」 京太郎「……」 優希「……京、太郎……」 京太郎「…………はぁぁぁ……」ヘナヘナ 優希「って、ええ!?ど、どうした!?」 京太郎「いや、優希か……本当にびっくりした……」 優希「だ、大丈夫か……?」 京太郎「悪い悪い、ちょっと色々あって――……あ」 優希「……」 京太郎(……これまた、気まずい奴が……) 京太郎「……えっと」 優希「……なあ、京太郎……」 京太郎「……」 優希「……本当に辞めるのか?」 京太郎「……」 優希「え、えっと」 優希「あの、一昨日言った、弱いなんちゃらっていうのは冗談というか」 優希「その」 優希「えっと……」 京太郎「……優希」 優希「やめるのは……考えてみて欲しいというか」 京太郎「……」 優希「えっと、いや、正直、私も言い過ぎたし」 京太郎「……――優希」 優希「あう、えっと、うう……」 京太郎「……優希」 優希「と、とにかく!」 京太郎「おい、優希」 優希「気にすることは――……え?」 京太郎「優希……こっち」 優希「え……京太郎?」 京太郎「こっち、来い」 京太郎「ドアの方……振り向かずに」 大沼「……」 京太郎「早く……こっち……!!来い……優希……!!」 優希「え?な、なにが」 京太郎「振り向くな!」 優希「っ!?」ビクッ 大沼「…………」 京太郎「いいから……こっち来い」 優希「う、うん……」スタスタ 京太郎「……ここ、座ってろ」 優希「ど、どうした?ドアに何か……」 京太郎「……優希」 優希「え?」 京太郎「しばらく、耳と目……塞いでてくれ」 優希「……」ギュッ 京太郎「……あ、アンタ……なんなんだ」 大沼「…………」 京太郎「なんで俺をつけてるんだよ!!警察に突き出すぞ!!」 大沼「……」 京太郎「……っ……」 ガシッ!! 京太郎「どっか!!」 ブンッ!!!! 京太郎「いけよぉっ!!!!!」 バリィン!!!!! 優希「ひっ!?」ビクッ 大沼「……」バッ!! 京太郎「!!待ててめぇっ!!」ダッ ガラッ! 京太郎「逃げるなっ!お前っ」バッ 保険医「須賀!!どうしたの!今の音!!」スタスタ 京太郎「せ、先生!!」 保険医「あー!薬瓶が割れちゃってるじゃない!」 京太郎「先生!!今そっちに男が行きませんでしたか!?」 保険医「え?」 京太郎「禿げてて、ヒゲ生やしたおっさんが行きませんでしたか!?」 保険医「や、私は忘れ物取りに……こっちから来たからちょっとわかんないけど」 京太郎「……じゃあ、反対側に……?」 優希「きょ、きょうたろぉ……!?」ビクビク 京太郎「ん?……あ」 優希「も、もういい……!?ねぇってばぁ……!」フルフル 保険医「……ちょっと須賀……」 京太郎「あ、いや」 保険医「いやらしい事してて……誤魔化すためにそんな事いってるんじゃないでしょうね……」 京太郎「ほ、本当です!!本当なんです!!!!」 優希「ま、まだかぁ……!?」ビクビク ―教室― ガラッ 京太郎「はぁ……」 咲「!京ちゃ……」 クラスメイト「おー!どうしたんだよ京太郎ー!」 クラスメイト2「なになにー?重役出勤じゃーん」 京太郎「はは……色々あってな……」 咲「……っ」 咲(京ちゃん……大丈夫なのかなぁ) ガラッ 先生「ほら、席つけー」 咲(……次の休み時間に話してみよう) 先生「えっと、突然だが、今日はこれで終わりだ」 生徒「「「えぇ!!!?!」」」 先生「ちょっと校内に不審者が紛れ込んだとある生徒から報告があってな……今日は自宅から出ない様に」 ザワザワ 「まじかよ」「やったぁ!」「早く帰ろうぜ」 咲「……」チラッ 京太郎「…………」 咲(……まさか、京ちゃんの怪我と何か関係が……) 先生「あー、それと……須賀」 咲「!!」 京太郎「……はい」 先生「お前はちょっと残ってくれ……それじゃ、号令」 <キリーツ レーイ 先生「よし、先生達が誘導してるからそれに沿って安全な道で帰れよー」 ザワザワ 先生「……それじゃ、須賀」 京太郎「はい……」 咲(……京ちゃん……) ブロロロロロ…… 先生「はは、お前が変質者につけ狙われるとはなぁ」 京太郎「笑い事じゃないですよ……」 先生「すまんすまん、まぁちゃんと家まで送ってやるから」 京太郎「お願いします……」 先生「しかし、最近お前目のクマ凄いなと思ってたが……こんな状況じゃ眠れやしないよなあ」 京太郎「はは……まぁ、でも家の中は安全ですから」 先生「あはは、違いない」 京太郎「あ、先生。赤ですよ」 先生「おっと」 キィー 先生「すまん話に夢中で」 京太郎「はは、しっかりして下さいよ」 京太郎「……」 京太郎「…………あ、れ」 先生「ん?どうした?」 京太郎「……」 先生「……須賀?」 京太郎「……」 京太郎「先生、青、です」 先生「ん?ああ、すまん……で?どうかしたか?」 京太郎「……走ってください」 先生「え?」 京太郎「走ってください」 先生「走ってるが」 京太郎「もっと!速く!!走って!!!!」 京太郎「乗ってる!!!…………後ろの車!!!!」 大沼「……」 京太郎「あいつが……あいつが乗ってる!!!!」 先生「なにっ!!!?」 京太郎「後ろ見ないで!!走って!!」 先生「そ、そういうワケにもいかんだろう!」 京太郎「いいから!!」 先生「いや!ちょっと降りて先生が捕まえて――……」 京太郎「駄目!!駄目だって!!」 京太郎「あいつ……いや!!」 京太郎「あいつら……!!!!一人じゃない!!!!!」 先生「一人じゃない……!?」チラッ 先生「…………たし、かに……見えにくいが、車に何人か乗ってる……!」 京太郎「あいつら!!!笑ってる!!!!」 京太郎「笑ってるよ!!!!あいつ!!!!」 大沼「…………」ニコォ 京太郎「遊んでる!!」 京太郎「俺たち二人追いかけて……あっ、あ、遊んでるんだ!!!!」 先生「ど、どうする……!」 京太郎「……!」 先生「一先ず、警察署がしばらく行った所にあるから、そこまで」 ガチャッ!! 先生「!!!?須賀ぁ!!!?」 京太郎「多分あいつらの狙いは俺です!!!!」 京太郎「車だと小回りが利かないと思うんで……俺、走って帰ります!!」 先生「ば、バカっ!!」 京太郎「先生!さようならっ!!!」 バッ!!! 先生「須賀ぁ――――!!!!」 ドンッ ゴロゴロゴロゴロ!! 京太郎「ぐぁぁっ!!……――くっ!!!」ガバァッ!! 京太郎「っ!!」ダッ!! タッタッタ 京太郎「はぁっ!!はぁっ!!」 京太郎(すぐに小道に入ったから……多分、大丈夫だ……!!) 京太郎(もし、俺に気付いたとしても……そんなに早くは) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎「……」クルッ 京太郎「……」 京太郎「…………――嘘、だろ」 大沼「………………」タッタッタッタ 京太郎「う、あぁ」 大沼「…………」タッタッタッタ 京太郎「わ、わぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!!」 京太郎(あ、ありえるか!こんなの!こんなんありえるか!!!) 大沼「…………」タッタッタッタ 京太郎「な、なんで」 京太郎「なんで俺を追いかけんだよ!!!!!」 京太郎「何がしたいんだよぉ!!!!!!!!!やめてくれよぉ!!!!!!!」 大沼「…………素敵なくらし」タッタッタッタ 京太郎「……!!!!?」 大沼「…………膝の皿を使って」 大沼「…………飯をよそう」 大沼「…………素敵なくらし」 京太郎「!!?……!!?……!!!!!?」 大沼「………………痙攣」 大沼「………………脳内のポリープ」 大沼「………………単騎待ち」 京太郎「わ」 京太郎「わけ、わかんねぇっ」 京太郎「わけわかんねぇ!!来るなぁぁ!!!!」 京太郎「来るなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!来るなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 大沼「………………喉仏は」 大沼「………………悲願なので」 大沼「………………素敵なくらしを」 大沼「素敵なくらしを……素敵なくらしを」 京太郎「うぁぁぁっ!!!!うぁああぁぁぁあ!!!!」 ズザァァァッ!! 京太郎「はひぃう!!!!」 京太郎(よ、ようやく開けた場所に着い――……) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(なん、だ) 京太郎(なんだ、向こうから走ってくる人) 京太郎(こっちを、凝視しながら……こっちに向かって――……) 健夜「……」タッタッタッタッタ 京太郎「わ、あ、あう」 京太郎「あっ、わぁぁぁっ、わあああああっ」 京太郎(同類だ……!!多分、あの人、大沼の……!!同類だ!!!!!) ダッ!! 京太郎「はひっ!!」 タッタッタ 大沼「…………素敵なくらし」タッタッタ 健夜「待ってよー」タッタッタ 京太郎「はぁっ、はぁっ!!!!」 京太郎(なん、だ、こいつらっ) 京太郎「なんなんだ!!あんたらぁっ!!!!」 健夜「きっと止まればいいよ。そこに腰を据えるんだよ」 健夜「きっといい人生が待ってる。全てが生まれ変わる」 健夜「多分あなたも分かってるはずだよ」 健夜「アラサーだよ」 京太郎「わああぁぁぁっ!!!来るなぁっ!!!来ないでくれぇぇっ!!!!」 タッタッタ 京太郎「!!」 京太郎(前から人が!!) 京太郎(た、助けを) 京太郎「す、すみませっ……」 京太郎「……」 京太郎(……なん、で……この人……) 京太郎(俺の事、凝視、して…………) 京太郎(走って……) 照「美しい暮らしなどいない」ギュルルルルル 京太郎「……」 京太郎「ウワァァ」 京太郎「ウワアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」 大沼「………………尿道」 健夜「きっと、素晴らしい威光を授かれるよー」 照「ここには健康的なハイエンドなどいない」 京太郎「ウワアアァ!!!!!ウワアアアアア!!!!!」 京太郎(逃げ道っ!!逃げ道!!っは!!!!) 京太郎「っ!!!!」 京太郎(か、河に……!!) ガシッ!! バッ!! 京太郎(飛ぶしかねぇぇっ!!!!!) バシャーン!! 京太郎「っっぷはぁっ!!!」 辻垣内「腹を切れ」バシャバシャ 京太郎「うああああああああああああああああ!!!!!!!!」 ―須賀邸前― 咲「……」 ズザッ 咲「!!」 京太郎「ぜぇっ……ぜぇっ……」ヨロッ 咲「京ちゃん!」ダッ ガシッ 咲「大丈夫!?京ちゃん、大丈夫!?」 京太郎「さ、き……どうして」 咲「だって、京ちゃんが心配だったから……大丈夫だったの!?」 京太郎「はぁっ……はぁっ……変な、奴らに……追いかけられまくって……」 京太郎「でも……はぁっ……皆、撒いてやったぜ……」 咲「と、とにかく休まなきゃ!!」 ガチャッ 京太郎「ただ、いまっ……」 シーン 京太郎「誰も、いない……か」 咲「大丈夫?早く休まなきゃ!」 グイッ 咲「靴、脱げる?」 京太郎「大丈夫、だっての……」 咲「……もう……無理しちゃだめだよ……」 ―京太郎の部屋― ドサッ 京太郎「はぁっ……!はぁっ……!!」 咲「すごく疲れてる……」 京太郎「……はぁっ、わるい、な……咲」 咲「ううん、気にしないで」 京太郎「っ!そ、そうだ……!」 ムクッ 咲「!だ、だめだよ!寝てなきゃ!!」 京太郎「あ、あいつらの事……警察に、電話しなきゃ」 咲「だめ!休まなきゃ!!」 京太郎「……咲」 咲「休みなさい!」 京太郎「……」 咲「もう、本当に京ちゃんはいつもいつも……」 京太郎「……咲」 咲「……ん?」 京太郎「……悪かった」 京太郎「勝手に……部活……やめて」 京太郎「お前、らに……相談も無い、ままで……」 咲「……京ちゃん」 京太郎「俺……情けなかったんだ」 京太郎「一人だけ、才能なくて……」 京太郎「俺だけ、必要とされなくて……」 京太郎「くやし、かったんだ……」 ギリッ…… 京太郎「悔しかったんだ…………本当、は」 咲「……」 京太郎「いつの、間にか……麻雀自体を……すげぇ好きに、なってて」 京太郎「でも、才能も……頭も足りなくて……」 京太郎「お前たちに…………すげえ、嫉妬……してた……!!」 咲「……」 京太郎「そんな、ちっぽけな……屑なんだ……俺は……――俺はっ……!!」 ナデ…… 京太郎「!!」 咲「…………そんな事ない」 京太郎「……咲」 咲「そんな事ないよ」 咲「京ちゃんは京ちゃんなんだから」 咲「そのままで……いいんだよ」 咲「屑なんて……言っちゃ駄目」 咲「私は、知ってるよ」 咲「京ちゃんの良い所も……勿論、悪い所も」 咲「でも、そんな私が見ても……」 咲「京ちゃんは、ゼッタイゼッタイ……屑なんかじゃないよ」 京太郎「……――――咲……」 咲「だから、休まなきゃ……」 京太郎「………………え?」 咲「休まなきゃだよ。京ちゃん」 咲「ちゃんと休むのは肯定だよ。休めばきっとわかるんだ」 咲「人生はきっと美しいって」 京太郎「……」 ヴーヴー 京太郎「……携帯……が」ゴソッ 咲「皆、屑は休まないし休めないよ。風が吹くもの」 咲「だから休んだら今度は風になるの。次は鬼ごっこの鬼役になるの」 咲「そうすればもう誰もが休めない、全部風速が持っていくの!」 京太郎「……」 着信 宮永咲 咲「全部全部!!!!!美しい人生が始まって終わっていくの!!!!」 ピッ 咲『あ、もしもし京ちゃん?』 京太郎「……咲」 咲『うん、大丈夫だった?』 京太郎「……何が」 咲『ううん、今日、クラスでなんだか様子おかしかったし……』 京太郎「……」 咲「次は皆を箱の船で雨の洪水に浮かべるの!!!!!」 咲「きっと皆は『助けてー』って言うよ!!!!!!!!」 咲「でも駄目!!まだ駄目!!!!」 咲「だってそれはまだ人生じゃ、生きている人じゃないから!!!!!」 京太郎「………………」 咲『京ちゃん?どうしたの京ちゃん!』 咲『京ちゃ――……』ピッ 京太郎「……」 咲「まるでそれはア・プリオリな頸椎上の宣教師みたいに」 咲「笑って泣いて、食べて、転んで、交わって生きるの!!!!」 咲「素晴らしいでしょ!!!」 咲「だって皆カルテを待ちわびる間に」 咲「脂ぎった肉を精一杯頬張る事ができるんだよ!!!!!」 咲「誰だって止める権利なんてないよ!!!!!!!きっと自分自身にだって!!!!!」 咲「京ちゃん!!!!踊ろう!!!!踊ろうよ!!!!!もうすぐ車が来るよ!!!!!」 咲「大変な事なんだよ!!!!そしてコレはとっても大事な事!!!!!」 咲「踊ろう!!!!!!!!!!京ちゃん!!!!!!!!!!!!!」 咲「人生は!!!!!!!!!!!美しいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 京太郎「……」 京太郎「人……生……?」 スタスタ 大沼「…………人生」 詠「七転八倒とは言うけどねぃ」 藤田「人を殺して食べる飯は糧になるのか」 辻垣内「それを趣味と、スポーツと言い張る姿はまるで」 衣「跳梁跋扈の魑魅魍魎」 美穂子「人は一人では生きられないもので」 豊音「気付いた時にはやりたい事がちょーしんどいよー」 淡「それでもご飯をお腹いーっぱい食べたくなるのは」 洋榎「ひとえに欲望のお陰っちゅうやつや」 健夜「アラサーだよ」 はやり「だから素直になるのが一番☆」 咲「愛おしい人は放っておいて」 照「邪魔な人は撲殺し尽くさなきゃいけない」 戒能「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「人生七転八倒とは言うけど」 京太郎「人を殺して食べる飯は糧になるのか」 京太郎「全てをモラルと、常識と言い張る姿はまるで」 京太郎「跳梁跋扈の魑魅魍魎」 京太郎「俺は一人では生きられないもので」 京太郎「気付いた時には一人だった!!!!一人きりだった!!!!」 京太郎「それでも飯を食べたくなるのは」 京太郎「俺に欲望しかないからだ!!!!!」 京太郎「だから素直になるのが一番で」 京太郎「愛おしい人は放っておいて」 京太郎「邪魔な人を殺しに行こう!!!!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 ―長野のとある病院― 母「あの……先生……それで、京太郎は……」 医師「……大変申し上げにくいのですが……雀力に起因する心因性知覚障害です」 母「……雀……力……?」 医師「えぇ、京太郎さんは麻雀部に所属されてましたね?」 母「はい……」 医師「それで、全国大会まで勝ち進んだとか……原因はそれです」 医師「麻雀の手練というのは、特殊な波といいますか、そういうものを放っておりまして」 医師「その波長によって精神に影響を及ぼすケースが稀にあるんです」 母「……」 医師「まあこれは普通その波を放っていない普通の人間には影響がないんですが……」 医師「おそらく京太郎さんはあまりにも強い雀波を間近で長い年月をかけて浴び続けてきたのでしょう」 医師「……きっと、京太郎さんのご学友の方の仲に……強い雀波の発信者がおられます」 医師「今回はきっとその影響により、京太郎さんの麻雀に対するコンプレックスが」 医師「“今までに見た麻雀の強い人々が追ってくる”という幻覚をみせたのでしょう」 スタスタ 咲「……」 ―京太郎の病室― コンコン 咲「京ちゃん……京ちゃん、お見舞いに来たよ」 咲「……」 ガラ 咲「京ちゃん、お花を持ってきたよ」 咲「……」 サァァァ…… 咲「……京ちゃん?」 咲(いない…………あれ?) 咲(窓………………開いてる) ――東京―― 「いやぁ、今日も流石でした!大沼プロ!」 「また今度もお願いします!御疲れ様でした!!」 大沼「…………お疲れ」 スタスタ 大沼(帰って一杯やるか……)スタスタ 大沼「…………」 ピタ 大沼「……?」 京太郎「はぁっ……はぁっ……!」ニコォ… 大沼「……!?」 大沼(何だ……?この、寝巻きの格好をして) 大沼(ツルハシを持っている少年は…………) ……………… ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「愛おしい人は放っておいてっ」 ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「邪魔な人を殺しに行こうっ」 ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6223.html
特別編 和とクリスマス ※本編との関係も一切ない特別編です。普段と違う形で書いてます ※メインヒロインは和です。多少キャラのねつ造等がありますので気になる方はスルーでお願いします 京太郎(和と付き合い始めて数ヶ月……今日は待ちに待った12月24日、クリスマスイブ) 京太郎(親父もお袋もちょうどいないが、あの和をどうやってうちに誘うか悩んだ……が) 和『クリスマスイブは……うちに来ませんか?』 京太郎(ぶっちゃけ大チャンスだと思ったね!あの和が誘ってくれるんだし!期待したよ!) 京太郎(なのに……なのにっ!) 和父「…………その皿とコップはこっちだ」 京太郎「…………はい、これですね」 京太郎(なんで俺は和の父親とテーブルの準備してるんだ!!) 数十分前 京太郎「よし、こっちは仕上げだけだな」 和「京太郎くん、これは?」 京太郎「あぁ、そっちはまた食べる前に火を通せばいいだけだ」 和「はい……でも、本当に料理上手ですね。少し彼女として複雑ですよ」 京太郎「和の料理だって美味いだろ。この前の弁当とか、毎日でも食べたいくらいだ」 和「ふふ、御世辞を言っても何も出ませんよ?」 京太郎「本音だって。っと、そろそろテーブルの方準備するか?」 和「そうですね……料理も後は仕上げたり盛り付けたりするものばかりですしね。時間もそろそろですし」 京太郎「そろそろ?何が?」 和「えぇ、実は…」 ガチャ 和父「和、今帰った……ぞ……」 和母「ただいま。あら、料理もほとんどできてるのね」 和「2人とも、おかえりなさい」 京太郎「…………はい?」 和母「あなたが和の彼氏?へー、和が言ってたよりかっこいいじゃない」 和「も、もう!そんなこと言うくらいなら手伝ってください!」 和母「はいはい。それじゃあなた、2人でテーブルの用意よろしくね?」 和「お願いしますね、京太郎くん」 京太郎「…………え?」 和父「…………」 現在 京太郎(何故だ!何故クリスマスイブにご両親と対面からの父親と2人きりという状況にしたんだ和!!) 京太郎(つーかさっきから滅茶苦茶怖いんですけど!なんかプレッシャーやべーんですけど!!) 和父「…………」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎(ただ食器とか置いてるだけだよな?だけだよな!?) 和父「…………京太郎くん、といったかな」 京太郎「は、はい!須賀京太郎です!!」 和父「…………和のことだが」 京太郎「こ、高校生らしい健全なお付き合いをさせていただいておりますっ!!」 和父「…………まだ何も言ってないが、まぁいい」 京太郎(よ、良かったのか?) 和父「もしもの場合はしかるべき対応をするだけだからな」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎(やっぱ良くなかったっ!!) 和父「君も、清澄の麻雀部だったか?」 京太郎「は、はい」 和父「一応試合結果などに目を通してはいる。君の名前は無かったようだが」 京太郎「それは……その、俺初心者で、部でも男子が俺1人な状況で、試合らしい試合も初戦敗退の個人戦だけだからでして……」 京太郎(やべ、言ってて悲しくなってきた) 和父「なるほど……同じ部だから和と親しくなったと……」 京太郎「そ、そうですね」 和父「そうか……最近、いや、9月に入ってから、和は楽しそうにしている」 京太郎「楽しそう?」 和父「あぁ。こちらに残ることが決まってからだ」 京太郎「あぁ……全国制覇してから……」 和父「私は今も和は東京の進学校に行くべきだと思っている」 京太郎「!?」 和父「だが……今のように楽しそうなら、それも悪くないと思っているよ」 京太郎「そ、そうですか」 京太郎(良かったな、和) 和父「だが娘はまだやらん」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「は、はいっ!?」 和父「いいか?和に何かあってみろ。私は弁護士で妻は検察官だ。分かるな?」 京太郎「そ、それはもう!」 京太郎(社会的に抹殺される!!) 和父「……泣かせるような真似をしたら許さんからな」 京太郎「……当然です。和を悲しませるようなことはしません」 和父「……ならばいい」 京太郎(お義父さん……) 和父「それと間違えてもお義父さんと言うな。心の中でもだ」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「は、はいっ!!」 和「それでは、メリークリスマス、と言うべきでしょうか?」 和母「あんまり気にすることじゃないでしょう?さぁ、食べましょう」 和「ですね。はい、どうぞ」 和父「うむ」 和「はい、京太郎くんも」 京太郎「お、おぅ」 和母「あーん、とかしていいのよ?」 和「も、もう!でも、京太郎くんがいいなら……」 和父「」ギロッ 京太郎「ふ、普通でいいって!ほら、和も食べな」 和「むぅ……では二人きりの時に、ですね」ニコッ 和父「……ほーぅ」 京太郎(和さーん!?なんで今そういうこと言う!?ご両親の前で言っていいの!?) 和母「あ、これ美味しいわね」 和「それ、私が作ったんですよ」 和母「腕上げたわね」 和父「これも中々だな」 和「それ、京太郎くんが作ったんですよ」 和父「……そうか……君が作ったのか」 京太郎「え、えぇ……まぁ」 和「京太郎くん、料理は私より上手で……この前も京太郎くんのおうちでご馳走になってしまいました」 京太郎(今言う!?それ今言っちゃう!?できれば今言っちゃ駄目なことだよね!?) 和父「彼の家で……ねぇ?」ギロッ 和母「いやー、和にこんないい彼氏さんができるなんて、嬉しいわねー」 和「いいんですか?父に送ってもらわなくて」 京太郎「まだそんな遅くないし、大丈夫だって」 京太郎(これ以上和父と同じ空間に居たら胃に穴が空きかねん。さっきもほとんど料理の味が分からなかったし) 和「……その、ごめんなさい」 京太郎「お、おい。なんで謝るんだよ」 和「京太郎くんのご両親が留守だったといえ、私の両親も一緒にクリスマスを過ごしてしまって……」 京太郎(あ、一応悪いって考えはあったんだな) 和「……久しぶりに、父と母も揃う日でしたし……京太郎くんとも居たかったので……」 京太郎「……いいって。和がそうしたかったんなら、そうしてやりたいし」 京太郎「それに……こんな形だけど、和とクリスマス過ごせて俺は嬉しかったし」 和「京太郎くん……」 京太郎「次こういうことになるなら事前に言ってくれよ?ちゃんと、親父さんとお袋さんの好みのもの作るからな?」 和「……はい。でも……」グイッ 京太郎「ちょ、引っ張って…」 和「つ、次は……2人きりがいいです……これは予約ということで……」チュッ 京太郎「……和、今……」 和「そ、それではおやすみなさい」 京太郎「あぁ、おやすみ、和」 和母「もう、そんな顔して。彼なら大丈夫じゃない?」 和父「ふん、どうだか」 和母「少なくともそこいらの男よりはいい男だったわよ?」 和父「……まぁ、それはそうだな」 和父「……だがまだ娘はやらん」 カンッ!!
https://w.atwiki.jp/sangamaki/pages/33.html
. エイスリン「ネエネエキョウタロー」 京太郎「何ですかエイスリンさん?」 エイスリン「ンッ!」つ 京太郎「何ですか?」 エイスリン「ンッ!」つ 京太郎「エイスリンさんが何をしたいのかわからないなー」ボウヨミ エイスリン「~~ッ」ウルウル 京太郎(涙目かわいい) エイスリン「フンッ!」プイッ 京太郎「エ、エイスリンさん?」 エイスリン「…………~~!」カキカキ エイスリン「キョウ、タロー……」ウルウル バッ |京太郎とエイスリンが手をつなぐ絵| エイスリン「キョウタロー、キライ?」ウルウル 京太郎「そんなわけないじゃないですか」ニギッ エイスリン「!」 京太郎「エイスリンさんの考えは全部わかりますよ」 京太郎「意地悪してみました」 エイスリン「…………」ウルウル 京太郎「ちょっ、泣き止んでくださいよ!」 エイスリン「メソッ、メソッ」 京太郎「エイスリンさーん、許してくださいよ!」 エイスリン「キョウタロー、キライ」 京太郎「えっ」ガビーン エイスリン「メソッ、メソッ」 京太郎「許してください!エイスリンさんに嫌われたら俺どうやって生きていけばいいんですか!」 京太郎「許してくださいよぉ、なんでもしますからぁ」 エイスリン「イイヨ!」ニコッ 京太郎「あっ、エイスリンさん嘘泣きしてましたね!」 京太郎「無効ですよ、無効!」 エイスリン「フッフ~ン」ピッ 京太郎『許してくださいよぉ、なんでもしますからぁ』 京太郎「」 京太郎「……エイスリンさんを可愛がればいいんですね?」 エイスリン「」グッ 京太郎「はぁ……」 京太郎(へへっこのまま流されてたまるかってんだ!) 京太郎(この状況を楽しんでやるぜ!) 【肩車】 京太郎「肩車をしましょう!」 エイスリン「カ・タグルマ?」 京太郎「どこの人ですか」 京太郎「肩車ですよ、えーっと」カキカキ 京太郎「こんな感じです」バッ エイスリン「umm……」グッ 憩「エイちゃんと京太郎くん、何してるんやろか?」キキミミ 京太郎「じゃあ、俺に跨ってください」 エイスリン「んっ……っ」 京太郎(ああ、やわらけえ) 京太郎「それじゃ立ちますよー」 エイスリン「ウン!」 京太郎「よいしょ、っと」 エイスリン「んっ!」 京太郎「どうかしましたか?」 エイスリン「No problem!」 京太郎「了解です、動きますよ」 憩「はっ、こ、これって」カァァ 京太郎「ぅっ、ど、どうですか?」 エイスリン「タノシイ!」 京太郎「俺もですよー」 京太郎「じゃあ少し跳んでみましょうか」 エイスリン「エ?」 憩(と、跳ぶ?跳ぶって何や?) 咏「おーす、何やってんのー」 照「遅くなった」 郁乃「中入らんの~?」 憩「しーっ!今いいとこなんやから!」 京太郎「いっちにー、さんしーっ」ピョンピョン 京太郎「どうですかー?」 エイスリン「んっ、あっ……んっ」 京太郎「楽しいですか?じゃあもっとやりますねー」ピョンピョンピョンピョン エイスリン「ヤメッ、ああっ、んっ、はぁっ!」 京太郎(だんだん頭が濡れてきたな……いい匂いだ) 京太郎「休憩しますよー」 エイスリン「はぁ……はぁ……」 京太郎「さっきから息荒いですけど、大丈夫ですか」 エイスリン「ダメ、ウゴカ、ナイデ」フルフル 京太郎「えっ?何か言いました?」フリムキ モゾッ エイスリン「ん~~~~~っ!」ビクッビクッビクッ 京太郎(あ~なんかめっちゃ濡れてる) 憩「///」 照「///」 咏「///」 郁乃「///」 【膝枕】 京太郎(エイスリンさんが寝てしまったので膝枕してます)ナデナデ エイスリン「あうっ……」ビクッ 京太郎(寝顔が可愛い) 憩(京太郎くんとエイちゃん……///)トン 照(部室で、あ、あんなことして///)トン 咏(だぁーっ!変なこと考えちまったじゃねえか!///)トン 郁乃(私も、いつかは……///)トン 京太郎(嗚呼、なんと幸せな日々よ) 憩照郁咏(うらやましい……///)
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6417.html
霞「さて、みんなの着替えも済んだことですし午前の仕事を分担しましょうか」 霞「二人は文化祭を回りつつ宣伝、集客」 霞「ばらばらでも二人で行動してもいいわよ」 霞「残った四人は接客・お茶入れをします」 霞「基本的に一人一卓、強そうな人が来た場合はその時々で相談ね」 霞「それじゃあ始めましょうか」 京太郎「えーっと、俺の仕事はー」 京太郎「俺と憩さんが集客ですね」 憩「せやね、どこ行こか?」 京太郎「遊ぶ気満々すね」 憩「京太郎くんと遊べるんやから張り切らんとね」ニコッ 京太郎「そ、そうですね」テレッ 憩「あ、京太郎くん照れとるーぅ」 京太郎「照れてません!」 憩「照れとる!」 京太郎「照れてません!」 泉「手いれ取る?」 憩「照れとる!」 泉「ひゅ~どろどろ~」 京太郎「照れてませんってば!」 憩「照れてますーぅ!」 泉「あ、あの……」 京太郎「絶対照れてません!」 憩「ぜーったい照れとる!」 泉「ここまで無視されると……もう……」 京太郎「ん?泉いたのか」 泉「酷くないですか!?」 憩「ひぃっ!」 泉「怖いですよね?そうでしょうそうでしょう」 憩「いつの間に!」 泉「そっち!?手の込んだメーキャップよりも突っ込むところそこなんですか!?」 京太郎「千里山はお化け屋敷だったっけ?」 泉「はい、こっちですよ」 京太郎「面白そうだし行ってみましょうよ」 憩「お、お化け屋敷……」ガクガク 泉「荒川さんはお化け屋敷苦手ですか?」フフッ 憩「そ、そんなことないですーぅ!」 憩「ここやな、一緒にいくで京太郎くん!」グイッ 京太郎「えっ、あっ、憩さん!?」 泉「行ってらっしゃーい」 ヒュードロドロ カァーカァー 京太郎「和風のお化け屋敷ですか、よく用意しましたね」 憩「うぅ……」 京太郎「憩さん?」 憩「ちょっと待ってな、すぐ行くから」ガクガク 京太郎「待ってますよ、ゆっくり行きましょう」 憩「うん……おおきに」 「……ら……し……」 怜「トリプルや!!!」クワッ 憩「ひゃあっ!」ダキッ 京太郎「んんっ!?」 怜「見える……見えるで……」クワッ クワッ クワッ←赤い目 憩「いや、いやぁ……来んといてぇ」ナミダメ 怜「トリプルや!!!」 憩「きゃあぁっ!」ギュッ 京太郎「憩さん!当たってます!」 憩「きゃああっ!」ギュッ 京太郎(小っちゃいけど……ありだな)グッ 怜「ふふっ、ええ仕事したな」ドヤッ 【廊下】 京太郎「落ち着きましたか?」ナデナデ 憩「……うん」ションボリ 京太郎「憩さん、お化け屋敷苦手だったんですね」 憩「ごめんな……」 京太郎「なんで謝るんですか?誰だって苦手なものはあるじゃないですか」 京太郎「元気出して笑ってくださいよ、いつも通り」 憩「これで、ええか?」ニコッ 京太郎「はい、上出来です」ニコッ 憩「……なぁ」 京太郎「はい?」ナデナデ 憩「いつまで頭撫でとるん?」 京太郎「さあ?」 咏「よーっす、おっ仲良さそうじゃん」 憩「まあ……ね」 京太郎「色々あったんだよ」 咏「お化け屋敷の奥にあるベッドでやらかしてきたとかかぃ?」ケラケラ 京太郎「?なんだそりゃ」 憩「やらかっ……///」カァァ 咏「そろそろ戻ってこいってさ、仕事分担しなおすんだと」 京太郎「はいはい、行きましょうか」 憩「うん」 咏「あ、そういや宣伝はしてきたん?」 京太郎「宣伝……だと?」 憩「一応やってたつもりやで」 咏「ふーん、まいっか速く行こうぜー」 京太郎「今度は接客か、どんな人が来るんだろうなー」 郁乃「いらっしゃいませ~、二番の卓へどうぞ~」 京太郎「郁乃さんはああいうのもできるのか」 京太郎「お客さんが来たな、上手く接客しよう……」 煌「コスプレ雀荘とは実にすばらです!」 京太郎(裏声)「いらっしゃいませー」 煌「おや?貴方は準決勝ではお見かけしませんでしたが?」 京太郎(裏声)「今学期から入部したので、お手柔らかにお願いします」 煌「そうでしたか、初心者の方!なるほどすばらです!」 京太郎(罪悪感が半端ねー!) 哩「よろしく」 哩(姫子ば下してバツゲームばさせる!)メラメラ 姫子「よろしくお願いします」 姫子(部長ば倒して罰ゲームばさせる!)メラメラ 京太郎(裏声)「よろしくお願いします」 京太郎(なんでこの二人もいるんだよ!) 京太郎(裏声)「終わり……ですね」 煌「なんともすばら!姫子と部長を相手にトップとは!」 京太郎(裏声)「そ、そうでしょうか?」 煌「はい、たいっへんにすばらです!」グイッ 京太郎(顔近いって!) 煌「さあさあ!それでは罰ゲームを!」 哩「遠慮なく」 京太郎(裏声)「えーっと、それじゃあ……」 京太郎(裏声)「おしりペンペンで」 煌「な、なるほど……」 姫子「花田がすばら言わん!?」 哩「おしりペンペン……よか」コウコツ 姫子「ぶ、ぶちょー!?」 京太郎(裏声)「卓に手をついておしりを出してください」 哩(この命令される感じ……たまらん) 京太郎(……ごくり) 京太郎「いきますよー」ペシッ 哩「んっ」 ペシッ 哩「あっ」 ペシッペシッペシッ 哩「あっ、あっ、んんっ!///」 姫子「ぶちょー……」 京太郎(やばい、白水さんがすごくエロい)ペシッペシッ 哩「もっと!もっとぉ!」 煌(あ、あわわ、なんということでしょう……ん?) 煌「ウィッグ?」 京太郎「なにっ!」 姫子「急に声ば低くなった?」 煌「というか、貴方は須賀さんではありませんか!」 哩「つぎぃ、はやくぅ……」ビクン 京太郎「やばっ!」 煌「まあ、騙される方も騙される方ですからね。ここがコスプレ雀荘ということを失念していました」 煌「ただ、姫子には注意した方がいいですよ」ボソッ 京太郎「えっ」 姫子「」ゴゴゴゴゴ 哩「つよくぅ、つよく……っ」ビクンビクン 京太郎「……あーこれ無理だわ」 京太郎「亀甲縛りの刑ってなんでだよ」 京太郎「次も接客か、頑張って行こう」 ゾロゾロ 京太郎「早速お客さんが来たな」 京太郎(裏声)「いらっしゃいませー」 穏乃「お願いします!」 初美「よろしくですよー」 梢「宜しくお願いします」 京太郎(裏声)「よろしくお願いします」 初美「須賀くんはいないのですかー?」 京太郎(裏声)「外回りの方に行ってますので」 穏乃「お姉さん、大阪の人なのに関西弁じゃないんですね!」 京太郎(それはお前もだろ!) 梢「そうですね、不思議です」 京太郎(あんたもでしょ!?) 京太郎(裏声)「あ、あはは、じゃあ始めましょうか」 初美「和了れなかったのですよー」 穏乃「お姉さん強いですね!どうしてそんなに強いんですか!」 京太郎(裏声)「え、いや……」 梢「負けてしまいましたか……」 穏乃「落ち込まないでくださいよ!まだ次がありますから!」 梢「そう……ですね、ありがとうございます」 初美「それで罰ゲームはどうするんですかー?」 京太郎(裏声)「罰ゲームをするので、ついてきてください」キリッ 梢「はいっ!」ビクッ 梢(何でしょうか……今の) 梢(まるで殿方のような……でもこの方はどこからどう見ても女性の方ですし……)カァァ 京太郎(裏声)「離れると危ないので」ニギッ 梢「はうっ///」 梢(この方の手、とても逞しい) 梢(でも私をどこへ連れて行くつもりなのでしょうか?) 京太郎(裏声)「着きました」 梢「ここは……?」 梢(人気が無い、ここって……まるで……いやでも私たちは女性同士ですし、そんな……)カァァ 京太郎(裏声)「こちらを向いてもらってもよろしいでしょうか」 梢「!」ドキッ 梢「はい……」ドクンドクン 梢(これが告白、というものなのでしょうか……)ドクンドクン 京太郎(裏声)「これが俺の正体のハンサム顔だ!」ババーン! 梢「」ポカーン 京太郎「」ババーン! 京太郎「さ、帰りましょうか」 京太郎(裏声)「お待たせしましたー」 穏乃「あ、ありがとうございましたー……」イソイソ←一部始終を見てた 初美「なのですよー」イソイソ←上に同じ 京太郎「……なんかさっきの対局で変な感じがしたけど……まいっか」 京太郎「放課後はどうしよっかな」 霞「京太郎くーん、片づけ手伝ってくれるかしらー」 京太郎「今行っきまーす!」 京太郎「コスプレのまんまなんすね」 霞「着替えるのも面倒くさいからね」 京太郎「俺は何をすれば?」 霞「そうね……誰か適当な人を手伝ってくれる?」 京太郎「了解です!」 霞「よろしくね」 咏「んしょ、んしょ」 京太郎(ダンボールを棚の上に乗っけようとしてるけど高さが足りねえのか……よし) 京太郎「咏、手伝おうか?」 咏「ふんっ」プイッ 京太郎「まだ怒ってんのか?」 咏「当たり前だろ、バカ」ツーン 咏「それにお前の手助けなんかいらねーっつうの」 京太郎「あれはごめん、って」 咏「もういいからあっち行けよ」 咏「んしょっ!」 ダンボール山「」グラッ 京太郎「あぶねえっ!」 京太郎「咏っ!」ダッ 咏「――――っ!」 ドサッドサドサッ 霞「咏ちゃん!?」 京太郎「いっつっつ……」 咏「京太郎……?」 京太郎「怪我、ねえか?」 咏「お、おう……」 郁乃「二人とも大丈夫……はっ!」 憩「ふ、二人とも、それは大胆すぎるっちゅうか、その……」モジモジ 京太郎「へ?」 咏「は?」 京太郎「…………」←咏を押し倒してる 咏「…………」←京太郎に押し倒されてる 京太郎「あっ、えーっと……」 咏「……」カァァ 咏「はっ!はやく離れろ!」 京太郎「すまん……」 咏「ふんっだ!」プイッ 京太郎(はぁ……なんでまたこうなるんだよ) 咏(……京太郎) 咏(私が京太郎とそんなことになるなんて……まだ百年も先だよな) 咏(……素直になりてえな) 咏「……ありがとよ」ボソッ 京太郎「さーてと、もう夕方か」 京太郎「どこいこっかなー」 京太郎「勉強するか」 京太郎「街に行けば今日文化祭に来てた人とも会えたかもしれなかったけど、宿題出てるしな」 京太郎「大人しく行こう」 京太郎「……誰か誘ってみよっかな」 京太郎「早速この問題から解いてみよう!」 ポキッ 京太郎「うっ、芯出しすぎたか、もう一回!」 ポキッ 京太郎「失敗失敗、やり直しだ」 ポキッ 京太郎「えい!」 ポキッ 京太郎「……」 ポキッ 京太郎「……メゲるわ……」 夜 京太郎「メゲずにもいっかい!」 京太郎「不屈の闘志の京太郎に敵はない!」 京太郎「今度は課題のプリントを片付けるぞ!」 カキカキ 京太郎「ふむふむ」 カキカキ 京太郎「なるほどなるほど」 カキカキ 京太郎「うっし!完成だ!」 京太郎「不屈の闘志の京太郎に敵は無いんだぜ!ヒャッホー!」カチャッ 京太郎「……ん?」 コーヒー「」ドバァッ 京太郎「…………」 京太郎「嘘……だろ……」 京太郎「あーもうなんかもう!やってられないんだぜ!」 【一日目】終 【10月第2週 休日】 【三箇牧・千里山合同文化祭】 【二日目】 京太郎「今日は千里山の方でやるんだよな」 京太郎「ちょっと早めにでてくか」 京太郎「千里山まで結構かかるんだよな」 京太郎「そういえば前の体育祭のときは泉と行ったっけ?」 京太郎「あ、でもあれは三箇牧か」 セーラ「なーにブツブツ言うとんのや?」パシッ 京太郎「痛っ!って、江口さんですか」 セーラ「須賀と会うんは久しぶりやな」 京太郎「話すのは体育祭以来ですね」 セーラ「いっつも竜華とか怜とかとおるからなー、たまにはオレとも話そうや!」 京太郎「そうですねーじゃあ何について話しましょうか」 セーラ「んーせやなー」 セーラ「せや、オレトランクス派なんやけど―――」ムグッ 京太郎「女の子が下着の話を男子にするものじゃありません」 セーラ「オレはオトコや!」 京太郎「いえ、どこからどう見ても女の子です」 京太郎「……そういえば、江口さんは文化祭でなにやるんですか?」 セーラ「オレは大道具作ったで!」 京太郎「妖怪とかにはならなかったんすか?」 セーラ「あ……それは……やな」ポッ 京太郎「のっぺらぼうとか?」 セーラ「せやったら良かったんやけど……化け猫なんや」 京太郎「化け猫?」 セーラ「ネコ耳にしっぽ付けて、襲い掛かるいうやつなんや」 京太郎「あー、憩さんみたいな感じですか」 セーラ「浩子に無理やり着せられたんや……」 京太郎「でも結構似合いそうですけどね」 セーラ「似合わん似合わん」プイプイ 京太郎「江口さん元が可愛いから似合うと思うんだけどなぁ」 セーラ「!」バッ セーラ「かっかわい!?」 京太郎「江口さん可愛いなぁって」 セーラ「……~~~!」カァァ セーラ「須賀のアホー!」ダダダダダダダ 京太郎「ええええええっ!」 京太郎「何で逃げるんすか!待ってくださいよ!」 セーラ「嫌やー!」ダダダダダダ 京太郎「準備も終わったし、二日目も頑張るぞ!」 京太郎「接客かー」フヘー 京太郎「また裏声でやらなきゃなんだよな……」 霞「あ、そのことなんだけど『チャンピオンはいないんですか!』っていう人がいっぱいいてね」 霞「人寄せパンダってことでウィッグは取ってやって頂戴」 京太郎「制服はどうするんです?」 霞「うちはコスプレ雀荘よ?何言ってるのかしら」 京太郎「」 京太郎「裏声出さないでいいってのは楽だな」 京太郎「お、誰か来たな」 京太郎「いらっしゃいませー……え」 菫「……あ」 菫「…………」マジマジ 菫「そうか、つまり君はそういうやつだったんだな」 京太郎「エーミールですか!」 はやり「あっ!理沙ちゃん理沙ちゃん!須賀くんがいるよっ☆」 理沙「久しぶり!」プンスカ 菫「瑞原プロに……野依プロ!?」 京太郎「どうも、お久しぶりです」 菫「おい、この二人と知り合いなのか?」ボソボソ 京太郎「ええ、まあ」 菫「…………」 菫「私にはお前のことがわからないよ……」 「京ちゃん!危ないよ!」 「ばか!見捨てられねえだろ!」 「京太郎!」 京太郎(……なんだ、今の) 京太郎(咲とモモの声が聞こえたような……) 京太郎(あっ、俺の番か)トン はやり「ロン、12000」 京太郎「まだ一巡目ですよ!?」 はやり「人和じゃないだけラッキーだったよ」 京太郎「跳満でも十分アンラッキーなんですけどね」 理沙「ドンマイ!」プンスカ 京太郎「ありがとうございます」 京太郎「じゃあ次行きましょうか……」 理沙「ロン!」 京太郎「ハコワレ……」 菫「まあその……なんだ、すまなかった」 理沙「ごめん!」プンスカ はやり「ごめんね」 京太郎「いえ、俺が弱いだけですから……」 京太郎「罰ゲーム、どうします?」 はやり「そういえばそんなルールだったね、それじゃあ……」 はやり「ねーねー、理沙ちゃんブログやってたよね?」 理沙「一応!」プンスカ はやり「菫ちゃんは?」 菫「わっ、私ですか!?」 はやり「うんっ☆」 菫「い、一応やっております」 はやり「それじゃあ須賀君への罰ゲーム!」 はやり「はやりたちとツーショットを撮ってブログにアップするよっ☆」 京太郎「それって、この状態で……ですか?」 はやり「もちろん☆」 京太郎「……わかりました、いいですよ」 はやり「まずははやりからだよ!」 理沙「撮影!」プンスカ! はやり「ほら須賀くん、もっと近くに!」ムギュッ モニュッ 京太郎「Oh……」 京太郎(なんたるおもち!なんたる巨乳よ!まさにこれは母のめぐみ!) 理沙「チーズ!」プンスカ! はやり「うん!いい笑顔だね!次は理沙ちゃん!」 理沙「近く!」ムギュッ フニュッ 京太郎(これもまたはやりさんではないほどだがやわらかく、すばらなおもち!) はやり「はい、チーズ!」パシャッ はやり「さーさー次は菫ちゃんだよ!」 菫「は、はい……」 はやり「ほらほらもっと近くに寄って!」プッシュ 菫「うぐっ」フニュッ 京太郎(これもなかなかのなかなか……) 理沙「チーズ!」プンスカ! はやり「いい写真が撮れたよ!それじゃあね須賀くん!」 理沙「バイバイ!」 菫「じゃあな」 京太郎「はい、またのお越しを!」ニコニコ 京太郎「いい罰ゲームだった、実にいい罰ゲームだった」 昼 京太郎「今度は俺と霞さんで集客ですか」 霞「よろしくね」 京太郎「じゃあどこ行きましょうか?」 霞「うーん、今日は体育館かしらね」 京太郎「ライブ会場ですか」 霞「生徒さんがいっぱいいると思うから行ってみましょう」 キーミート ハイ! イッショガイチバン! 霞「みんな楽しそうね」 京太郎「ですねー」 ザワザワ ワーワー 霞「段々人が増えてきたわね」 京太郎「はぐれないように気を付けてくださいよ?」 霞「京太郎くんこそね」 京太郎「もちろんっすよ」 霞「ふふっ……んっ」 京太郎「どうしました?」 霞「い、いま……誰かが、その……ぅっ!」モゾモゾ 京太郎「大丈夫ですか!?」 霞「大丈夫だから、楽しんでて」ハァハァ 京太郎「……ひょっとして、痴漢、とか?」 霞「」コクッ 京太郎「……それじゃあ出ましょうか、気分悪いですよね」 霞「……もうどこかに行ったみたいだから、大丈夫よ」 京太郎「そうですか……」 霞「ほら、もっと楽しみましょう?」ニコッ 京太郎「……はい」 京太郎「霞さん、無理しなくていいんですよ」 霞「大丈夫だから、ね?そろそろ帰りましょうか」 京太郎「……はい」 桃子「あ、京太郎!」 京太郎「モモ!?」 桃子「一か月ぶりっすね!」ムギュッ 京太郎「モモ、当たってる当たってる!」 桃子「わかってないっすねー、当たってるんじゃなくて、当ててるんすよ」ニコッ 京太郎「……」ゴクリ 霞「京太郎くん?」ゴゴゴゴゴ 京太郎「すみません霞さん、こいつ幼馴染なんですよ」 霞「わかってるわよ」ムギュッ 京太郎「はあっ!?」 京太郎「霞さん!当たってますよ!」 霞「当ててるの♪」 桃子「むむっ、私に対抗するとでも?」 霞「知らなかった?京太郎くんは年上好きなのよ」 桃子「本当っすか!」 京太郎「年齢なんて関係ねーよ」 桃子「それ見ろっす!京太郎はおっぱいが好きなんっすよ!」 京太郎「モモ、公衆の面前で何言ってんだ!」 霞「おっぱいでも私の方が勝ってるけどね」 桃子「ぐぬぬ……とにかく私は負けないっすからね!」 京太郎(なんかすっごい満足感) 昼 照「…………」 京太郎「いらっしゃいま……せ」 照「……京……」アワレミ 京太郎「……はい」※女子の制服 照「に、似合ってると思う……よ」 京太郎「顔引き攣ってんぞ」 智葉「宮永照!」 照「うわ……」 智葉「ここであったが百年目!」 照「インターハイで打ったじゃん」 桃子「あっ!」 桃子「ここで会ったが百年目っすね!」 照「それもう聞いた」 桃子「ふっふっふ、今日こそは負けないっすよ」 智葉「私もだ、はやく打とう」 照「…………」 京太郎「なーに突っ立ってんだ?はやく卓につけよ」 京太郎「打とうぜ、麻雀」 京太郎「うがー勝てねー!」 桃子「ふふっ、やっぱり私には遠く及ばないみたいっすね!」 京太郎「結構僅差だったじゃねえか」 智葉「…………私って何なんだ?」 照(京とモモ……懐かしい) 照(でも、足りない) 京太郎「そうだ照、罰ゲームはどうするんだ?」 照「罰ゲーム?」 京太郎「辻垣内さんに何か一つ罰ゲームを与えていいんだぜ」 智葉「もういい!何でも来い!」 照「ん……じゃあ……」 照「ここに寿司がある、食べて」 智葉「寿司、だと?」 照「辻垣内さんが好きそうな大トロだよ」 智葉「確かに、確かに好きだが……」 京太郎「どーせわさびを入れてあるとかなんだろ」 照「ぎくっ」 桃子「そういえば出店にわさび大量寿司が売ってたっすね」 照「ぎくぎくっ」 智葉「やはり裏があったわけか」 照「ぎくぎくぎくっ」 照「ばれてしまっては仕方がない、さあ食べようか」アーン 智葉「や、やめろ!」 照「食べちゃえば終わるから、ね?」 桃子「それ食べてる人、確か思いっきりむせて死にかけてたっすよ」 智葉「っ、それ見ろ!」 照「ルールは従うためにあるんだよ」グイグイ 智葉「そのルールを知らなかったお前が言うな!」 照「あ、UFOだ」 智葉「なにっ!どこだ!」 照「えいっ」ヒョイ 智葉「」パクッ 智葉「…………」 智葉「げほっ、げほっ!」 智葉「からっ!みずっ!げほっ!水をくれ!」 京太郎「はい、ただいま!」 智葉「がはっ!ごほっ、けほっけほっ、おえっ」 桃子「うわぁ……」 照「つ、辻垣内さん大丈夫?」 智葉「ごほっ、けはっ、ぜぇ、はっっ!」 京太郎「大丈夫ですか!これ、飲んで」 智葉「んっ、んぅ……はぁ、はぁ……」 照「……ごめん」 智葉「いいんだ、負けた私が悪いんだ……」 智葉「須賀も、すまなかったな。もう帰るよ……」トボトボ 京太郎「辻垣内さん!」 照「…………」ズーン 照「……ごめん」 京太郎「謝るなら辻垣内さんにだな」 桃子「私も行ってあげるっすよ」 照「うん、行こう」 京太郎「……照!」 照「……何?」 京太郎「お前が戻ってくるの、待ってるから!」 照「…………」 照「私に勝てたらね」 京太郎「もうすぐ文化祭も終わりか」 京太郎「後は投票結果の発表とキャンプファイヤーだけ」 京太郎「最後まで楽しもう!」 放課後 京太郎「霞さーん、俺何すればいいっすかー」 霞「特にすることもないし、どっか適当にぶらついて来なさいな」 京太郎「いいんですか!」 霞「京太郎くんのおかげでプロが二人も来たんだもの、それに照ちゃんも」 霞「さ、行ってきなさい」 京太郎「ではお言葉に甘えて行ってきまーす!」 京太郎「適当にぶらつくっつっても女子高だし何もないよなー」 京太郎「……女子更衣室にでも忍び込むか?」 京太郎「いやいや、それは違う、違うようん」 京太郎「……暇だ」 恒子「およ?」 京太郎「……あっ」 恒子「君……確かー」 京太郎(福与アナ?どうしてここに?) えり「福与アナ、一体何を?」 京太郎(針生アナまで?) 恒子「ねーねー針生アナ、この子誰だっけ?」 えり「この子?うーん……」マジマジ 京太郎(おお、なんかいい匂いがする)ドキドキ 恒子「気になるよねー」マジマジ 京太郎「って!俺ですよ!須賀京太郎!会ったことあるじゃないですか!」 恒子「須賀?……あー電話帳にあったよーなないよーな」 えり「ああ、男子個人戦チャンピオンの」 京太郎「そうです!その須賀です!」 恒子「そういえばいたねーそんなの」 京太郎「そんなのって……」 えり「福与アナ、この際ですし最後は須賀くんでいいんじゃないんですか?」 恒子「だね!さっさと済ませちゃおう!」 京太郎(針生アナの方が年上だったよな……?) 京太郎「取材って何のですか?」 えり「最近の高校生事情とかですね」 京太郎「恋愛とか部活とか?」 恒子「そーそー、恋愛が真っ先に出てくるあたり須賀くんもそっちの人間なんだね!」 京太郎「そっちってどっちですか」 恒子「針生アナとは逆の方!」 えり「」イラッ 京太郎「失礼ですよね思いっきり」 恒子「というわけで体育館裏!」 えり「いやなんでですか」 恒子「ほらナイショの話は体育館裏でって言うでしょ!」 京太郎「女子高なんで頻度は少ないですよ」 恒子「あ、そだねー」 京太郎(針生アナがいるとツッコミ楽だな) えり(須賀くんがいるとつっこまなくてもいいんですね……) 恒子「そんじゃこっち側の須賀くんには恋愛事情を訊いちゃおうかな!」 京太郎「だからこっちってどっちですか」 恒子「そんでどうなの?好きな子いるの?」 恒子「麻雀部の子だったりする?それとも千里山の方?ひょっとして遠距離?」 えり「福与アナ、がっつきすぎですよ」 恒子「こんくらいの距離感がいいんだよ!それでどうなの?」 京太郎「好きな人……ですか」 えり「いるかいないかで十分ですよ」 恒子「どーせなら誰かとか訊きたいなー」 えり「プライバシーは大事ですよ」 京太郎(好きな人なんて考えたことないしなー) 京太郎(……何て答えよう) 京太郎(好き……恋愛の好きとは違うけど) 京太郎「幼馴染が好きです」キリッ えり「幼馴染さん……ですか」 恒子「確か宮永照と宮永咲ともう一人……誰だっけ?」 えり「東横選手ですよ」 恒子「あ、あーいたねそんなの」 京太郎「影が薄いからわからないですよね」 恒子「そーそー」 えり「だから失礼ですってば」 恒子「じゃあ須賀くんは幼馴染三人でハーレムを作ろうと画策している、と」 京太郎「根も葉もないこと書かないでくださいよ」 恒子「根はあるよ根は!」 えり「葉がなければだめです」 恒子「ぶー」 京太郎「なんだか姉妹みたいですね」 恒子「私と姉妹だったら針生アナはストレスで死んじゃうよ」 えり「自覚があるのなら自重してください」 恒子「あっはっは、私ってバカ!」 えり「そっちの自嘲じゃないです」 恒子「それじゃー次ね」 恒子「じゃあさ!須賀くんがプロで付き合うなら誰?」 えり「そんな内容でしたか?」 恒子「気になるじゃん!すこやんにも頼まれてたし!」 えり「はぁ……」 恒子「で、どーなのどーなの?」 京太郎「えっ、えぇぇ……」 えり「無理して答えなくていいですからね」 恒子「そんなんだから針生アナは生き遅れるんですよー」 えり「なっ、福与アナだって彼氏いない歴=年齢じゃないですか!」 恒子「針生アナこそずっと女子校通いの箱入り娘!」 えり「どうしてそれを!」 恒子「ウ○くる!?でやってた!」 えり「フリーじゃないですから出てませんよ」 恒子「あそっかー」 えり「」イラッ 京太郎(大変そうだなー) 恒子「そんで誰なの?」 京太郎「針生アナ、じゃだめですか?」 恒子「えっ」 えり「えっ……」 えり「えっ?」 京太郎「なんで二回も聞き返したんですか」 えり「まず確認しましょう、質問内容は?」 恒子「プロで付き合うなら誰?」 えり「それに対する須賀くんの回答は?」 京太郎「針生アナじゃだめですか?」 えり「」テレッ 恒子「あれ?針生アナ照れてない?照れてなくなくなくなくない?」 えり「照れてませんから!大体なんで『プロで』と訊いたのに私なんですか!」 京太郎「プロ以上に針生アナの方がかっこいいと思ったので……」 京太郎「テレビで見るときはいっつもキリッとしてますし、今みたいに福与アナを上手く抑えてるじゃないですか」 恒子「むむっ、その言いぐさだと私が馬かなにかみたいだね」 えり「お馬鹿さんですからね」 恒子「むむっ」 京太郎「スタイルいいし、顔も可愛いです、というか綺麗ですし」 京太郎「それでいて苦労人で、頼りになってそこに惹かれるっていうかなんというか……」 恒子「つまり須賀くんは針生アナのヒモになりたい、と」 えり(ヒモ……聞こえは悪いですけど一生一緒に……ってことですよね) えり(ということは……その……)カァァ 恒子「おや?針生アナも満更でもない感じ?」 えり「ば、バカ言わないでください!もうっ!」カァァ 京太郎「クールそうな針生アナもそんなに顔赤くしたりするんですね、可愛いです」 えり「」ボンッ! 恒子「お、おう……やるねぇ」 京太郎「あれ?今何かおかしなこと言いました?」 恒子「無自覚か……」 えり「……可愛い……私が……えへへ……///」 恒子「ありゃりゃ、針生アナがポンコツになっちゃったからここまでだね」 恒子「それじゃあまたどこかで遭おう!」 京太郎「はい、さようなら」 恒子「いい返事だな!ほら行きますよ」 えり「…………えへへ」 京太郎「福与アナも敬語は使うんだな……ってそりゃそうか」 京太郎「そろそろ体育館に行くか」 「麻雀部対決の結果はーーー!」 「18%三箇牧、82%千里山ということで!」 「千里山女子高校麻雀部の勝利ィィィイイイ!」 京太郎「……負けたか」 霞「京太郎くん、ここにいたのね」 京太郎「霞さん、その……すみませんでした」 霞「京太郎くんの責任じゃないわよ、それで千里山の方の要求なんだけど」 『練習のために男子チャンピオンをレンタルできる権利』 京太郎「えっ、何すかそれ」 霞「権利って言ってるからいつでも何回でも使えるのよね」 京太郎「ええっ」 霞「まあそういうルールと日本語だからね、休日に来てくれればいいって」 京太郎「えええっ」 霞「平日にも何回来てもいいけど、毎月最低一回は来るように、ですって」 京太郎「拒否権は……」 霞「諦めなさい」 京太郎「…………」 京太郎「そんなのないっすよおおお!」 京太郎「気を取り直してキャンプファイヤーだ!フォークダンスだ!」 京太郎「前半は校外の人も参加するらしい、後半は校内の人で踊るそうだ」 京太郎「俺も参加するぞ!」 京太郎「さーて相手はいないかなー」キョロキョロ 京太郎「おっ、あの人は……!」 京太郎「針生アナー!」 えり「」ビクッ 京太郎「また会えましたね!」 えり「私はあれですからね!ただ取材のために来たので!」 京太郎「福与アナはいらっしゃらないみたいっすけど?」 えり「あぅ、そ、それは……」 えり(言えない!須賀くんにまた会えるかもと思って来ちゃいました、なんて)テレッ えり(それに須賀くんだってクールな私がす、すすす好きって言ってくれたんですから、そんな浮ついたところなんて……)カァァ えり(でも、あそこまで言ってくれたんですし……)モジモジ えり(未来のある須賀くんに私みたいな年増が近づくなんて恐れ多い……)ズーン 京太郎「じゃあ、取材ついでと言ってはなんですけど、一緒に踊りませんか?」 えり「はい!よろこんで!」ニコッ えり「えっ」 京太郎「えっ」 京太郎「まあ踊りましょうか」 えり「……はい」 えり「…………」カァァ 京太郎(フォークダンスっつっても案外暇だなー) 京太郎(なんか話しかけてみるか) 京太郎(そういえばさっきから顔赤いよな) 京太郎(福与アナが言うには箱入り娘だったらしいし、高橋真○アナみたいな感じだったのか?) 京太郎(いや、なんかイメージ違うな) 京太郎(男が苦手だからなのかな……?)ウーン えり(須賀くんがさっきからずっと見てきます……)カァァ 京太郎(また赤くなってる、ひょっとして体調が悪いからなのか?) えり(私の顔に何かついてるんでしょうか……?) 京太郎「あのー針生アナ?」 えり「はい、なんでしょうか?」 京太郎「さっきから顔赤いですけど、大丈夫ですか?」 えり(赤い……私ったらまた須賀くんを意識して……)カァァ 京太郎「ほらまた、ちょっと失礼しますね」スッ えり「えっ?」 ピタッ←頬に手を当てる えり「……~~~~ッ!」カァァーッ 京太郎「やっぱり熱いですね、風邪とか?」 京太郎(ほっぺやわらけー) えり「か、風邪じゃないですから!大丈夫です!」 京太郎「あ、そうですか」 えり「はい、なので続きを」 京太郎「わかりました、でも無理なようなら行ってくださいね」 京太郎「針生アナが倒れたりしたら一大事なので」 えり「……お気遣いありがとうございます」 京太郎「どういたしまして」 えり(男の人はオオカミだとお母さんに言われてましたけど……優しいじゃないですか) 京太郎「ようやく終わった……」 京太郎「針生アナの手もほっぺもやわらかかったなー、なんか幸せだ」 京太郎「他は誰がいるのかな?」 憩「あ、京太郎くーん!」 憩「探したで!ウチと踊らへん?」 京太郎「いいですけど、後半でもよかったのでは?」 憩「わかってないなー、ここで踊るからこそウチらの仲良しさがアピールできるんや!」 京太郎「ああーなるほど」 京太郎「わかってないですけどわかりました、それじゃあ……」スッ 京太郎「お手をどうぞ、お姫様」ニコッ 憩「もう、京太郎くんはキザやなぁ」 京太郎「そうですかね?」 憩「~♪」 京太郎「楽しいですか?」 憩「もちろん!」 京太郎「でも明日から学校なんですよね……」ズーン 憩「せやな……」ズーン 京太郎「なんで振替休日とかないんでしょうか……」 京太郎(学校と言えば、憩さんの試験の結果ってどうだったんだろうか) 京太郎(前は照も憩さんも学年一位だって言ってたよな) 京太郎「そういえば、試験の結果って?」 憩「ウチの?」 京太郎「はい」 憩「あー……ウチは学年7位やったんよ」 京太郎「7位、ですか」 憩「うん、せやからお父さんに怒られてな、連れ戻されてもうた」 京太郎「…………そうなんですか」 憩「元々勉強は頑張るって条件やったから当然なんやけどね、あはは」 京太郎「じゃあまた試験で頑張れば戻ってくるってことですよね」 憩「さあ、わからん」 憩「多分無理や、お父さんが許してくれへんさかい」 京太郎「そう……ですか」 憩「でも麻雀部の活動はオッケーやから、そないにしんみりせんでええんよ?」 京太郎「ですね、じゃあもっと楽しみましょうか」 憩「……お手柔らかにな」 京太郎(……なら、どうして秘書さんの話をしたときに誤魔化したんだ) 京太郎(俺の思い違いだったのか……?) 「おっとごめんよ」ドンッ 京太郎「えっ」 憩「へ?」 チュッ 京太郎「……っ」 憩「……ん!」ムグッ 京太郎「す、すみません!」バッ 憩「こ、こっちこそ!」バッ 京太郎「…………」カァァ 憩「…………///」カァァ 憩「……その、ごめん、先帰るわ!」ドヒューン 京太郎「あっ、憩さん!」 京太郎「…………二回目、か」 京太郎「そろそろ後半だな、次は誰がいるかなー」 京太郎「絶対憩さんも嫌がってるよな……もうやだ」 エイスリン「ドシタノ?」 京太郎「エイスリンさん、いえなんでもないですよ」 エイスリン「ソーナノ?」 京太郎「そーなんす」 京太郎「エイスリンさんは一緒に踊る人とかいないんですか?」 エイスリン「ボッチダカラネ……」 京太郎「それじゃあ……」スッ 京太郎「Shall we dance?」 エイスリン「Sure!」 エイスリン「チャッチャカチャンチャン♪」 京太郎「楽しいですか?」 エイスリン「ウン!」 京太郎「そういえば、エイスリンさんの夢って何なんですか?」 エイスリン「ユメ?」 京太郎「dreamです、眠らない方の」 エイスリン「フムナル!」ポンッ エイスリン「artist!」 京太郎「あー画家、ですか」 エイスリン「!」グッ エイスリン「…………!」カキカキ バッ! |ベレー帽を被る大きな男の人、エイスリンの絵| 京太郎(でかっ!3mくらいないか!?) 京太郎(大きな男の人……お父さん?でもすごく大きいよな……) 京太郎「あっ、おじいさんに教わるってことですか?」 エイスリン「」コクッコクッ 京太郎「エイスリンさんのおじいさんは画家なんですね」 エイスリン「エッヘン!」 京太郎「じゃあ、いつかはエイスリンさんともお別れしないといけないんっすね」 エイスリン「…………ァ」 京太郎「…………」 エイスリン「……イヤダ」シュン 京太郎「俺も……です」 京太郎「だからこそ、今このときを楽しみましょうよ」 エイスリン「…………」コクッ 京太郎「Continue to dance!ですよ!」ニコッ エイスリン「!」パァァ エイスリン「Enjoy now!」ニコッ 京太郎「その意気です、頑張りましょう!」 エイスリン「オー!」 京太郎(何この青春してる感) 京太郎「そろそろ終わりも近い、か」 京太郎「最後は誰と踊ろっかなー……っとあれは……」 京太郎「おーい咏ー!」 咏「おっ、京太郎!」 京太郎「よかったら一緒に踊んねえか?」 咏「へっ、京太郎がナンパかーでっかくなったじゃん」 京太郎「お前がちっちぇんだよ」 咏「なんだとー!」ウデグルグル 京太郎「効かぬ!効かぬぞ!」アタマオサエ 咏「ぬおー!」ススメナイ 京太郎「はっはっはー!」 京太郎「文化祭どうだった?」 咏「まー良かったんじゃないの?知らんけど」 京太郎「知らんって……」 京太郎「そういえばよ」 咏「んーなんだー?」 京太郎「機嫌直ったんだな」 咏「まーなー」 咏「あ、だからっつってもお前を許したわけじゃないかんな!」 京太郎「わかってるよ、悪かった」 咏「あんな服見たら誰でも引っ張るに決まってんだろ、しゃあねえんだよ」 京太郎「そんなもんかなー」 咏「そんなもんなんじゃねえの?あっはっは!」 京太郎「まあ実際お前の裸見たところでなーんも思わねえけどな!」 咏「あっ!お前それは許さねえかんな!」 京太郎「へへっじゃあ俺に追いついてみやがれ!」ドヒューン 咏「せっけー!待てよー!」 京太郎「いーやだーねー!」 京太郎「学校終わりー!」 京太郎「今日は部活で打ち上げもあるらしいけどどうしよっかなー」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6230.html
特別編 執事と着物 ※本編との関係も一切ない特別編です。普段と違う形で書いてます ※大体色んなとこを参考にしたりイメージだったりなので、理解できるかどうかは個人差があります ※深夜テンション。ちょっと変態度高めでマニアックな内容なので、苦手な方はスルーでお願いします 1月1日 龍門渕邸 京太郎「さて、みんなはどれくらいかかるかな」 ハギヨシ「あけましておめでとうございます、京太郎君。今年もよろしくお願いします」 京太郎「ハギヨシさん、あけましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします」 ハギヨシ「他の皆様は着替え中で?」 京太郎「えぇ。まさか清澄の5人の分の振袖を用意してくれてるとは思いませんでしたよ」 ハギヨシ「皆様との初詣、衣様たっての希望ですからね。誘ったからにはそちらの用意も当然です」 ハギヨシ「お嬢様や衣様、国広さん、井上さん、沢村さんも振袖ですからね。もっとも、井上さんはかなり抵抗していたようですが、お嬢様と衣様には敵わなかったようで」 京太郎「はは、それは勝てませんね」 ハギヨシ「まぁ慣れないのでしょう。着物というのは慣れないと難しいものですから」 京太郎「1人で着るのは現代人には難易度高いでしょう」 ハギヨシ「着付けも中々に難しいもので。一応私もできますが、流石に清澄の方々もいる前でやるわけにもいきません」 京太郎「悪戦苦闘してそうですよね。こっちまで声が聞こえてきますし」 ハギヨシ「えぇ。でもまぁ、着物も良いものです」 京太郎「ですよねぇ」 ハギヨシ「特に下に何も付けないという点。まずこの情報だけでも素晴らしい」 京太郎「全くですな。俺はこの情報を知って、一時期は三尋木プロの試合を追っていましたよ」 ハギヨシ「あの方は着こなしを見る限りその辺りは熟知しているでしょう。実際どうなのか、私でも分かりません」 ハギヨシ「たまに着る程度の方でしたら見破れるのですが」 京太郎「下着のラインが出るってことですよね」 京太郎「そういえば、今回ウチのみんなの分の振袖を用意してもらいましたが、まさか下は…」 ハギヨシ「残念ながら、今回私は振袖の用意をしただけで、その辺りは関わっていません」 ハギヨシ「おそらく、着物用の下着も用意されているでしょう」 京太郎「そう……ですか……」 ハギヨシ「まぁ、ポジティブに考えれば脱がす楽しみが増えるというものです」 ハギヨシ「何より、着物の楽しみはそれだけではない」 京太郎「ですねぇ……いつもと違うという非日常感。はっきり見える体のライン。日本人で良かったと思うことのひとつでもありますよ」 ハギヨシ「えぇ。さらに、髪を上げる方も多いですからね。普段見えないうなじが綺麗に見えるのもまた良いものです」 京太郎「うなじ、いいですよねぇ」 京太郎「そういえば……俺、着物ならぜひ一度やってみたいことがあるんです」 ハギヨシ「あぁ、アレですね」 京太郎・ハギヨシ「「着物の帯クルクル」」 ハギヨシ「正式名称は帯回しとか。あのわざとらしさ、いいですよねぇ。実際には着物の構造的に女性側の協力も必須ですが」 京太郎「でも、やっぱりロマンですよね」 ハギヨシ「えぇ。和の心ですね……誰もが一度は憧れますよ」 京太郎「こう、帯を緩めて着物をはだけさせての半脱ぎも捨てがたいんですけどね」 ハギヨシ「『和服というのは、脱がせたくなるような物が一番』、和服を作り続けている人間国宝の言葉だそうです」 京太郎「全く、素晴らしい言葉ですね」 ハギヨシ「さて、京太郎くん。今日は何月何日ですか?」 京太郎「何って……1月1日の正月ですよね」 ハギヨシ「そう、お正月です。お正月、着物……ここから連想されることと言えば?」 京太郎「……そうか……姫初めですか」 ハギヨシ「正解です」 ハギヨシ「着なれない着物を着ての初詣、しかし緩む帯。直そうとするも徐々に徐々に着物は肌蹴ていき……」 京太郎「最後は着物のまま……いいですね」 ハギヨシ「綺麗な着物を汚す背徳感、ふふふ、素晴らしいものです」 京太郎「着物って、素晴らしいですよねぇ」 ハギヨシ「全くですね。さて、そろそろ皆様の着付けも済んだようですよ」 京太郎「それじゃあ俺達も行きますか。みんなの着物も楽しみですし」 ハギヨシ「えぇ、私もです」 決して忘れてはいけない和の心 形がどうであれ、2人はそれを持ち続けているということだろう 要するに、着物って素晴らしい カンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6418.html
夕 京太郎「打ち上げに行くか、っと場所は―――」 京太郎「遅れましたー……あ」 怜「お、男子チャンピオンさんや」ヒュードロ 竜華「よお来たなー」ヒュードロ 京太郎「ど、どうも、なんで二人とも白装束なんですか?」 竜華「ふっふっふーそれはなぁー」 咏『やめろ!その服だけはやめろおおおお!』 浩子『ええやないのええやないの』 咏『嫌だあああああ!』 京太郎「あ、ちょー嫌な予感」 京太郎「文化祭で使った衣装のまんまパーティーって正気ですか」 郁乃「私はそこまで恥ずかしい恰好やないからな~」 京太郎「まさかここまで計算して!?」 郁乃「さ~どうやろな~」 京太郎「ぐぬぬ……」 郁乃「着替え終わったことやし、どっか適当なテーブル行って食べてきや~」 京太郎「言われずともその気でしたよ」 郁乃「ん~なんか傷つくな~」 憩「お肉もらいますーぅ!」 エイスリン「ワタシモ!」 霞「エイスリンちゃん、袖危ないわよ」 エイスリン「アッ」 京太郎「ここ、座ってもいいですか?」 霞「ダメって言ったらどうするの?」 京太郎「他のテーブルに行きますけど」 エイスリン「ダメ!」 京太郎「えっ」 エイスリン「キョウタロー、コッチ!」 京太郎「なんだそういうことですか」 憩「せやったら京太郎くんはウチの隣やな」 エイスリン「ワタシノ!」 霞「エイスリンちゃんの隣は私なのだけれど」 エイスリン「アッ」 霞「ナチュラルに酷いわね」 京太郎「これで鍋終了ですか」 霞「はやかったわねー」 エイスリン「マンプク!」 憩「これで何かデザートでもあればええんやけど」 霞「この後の二次会で頼めばいいんじゃないの?」 京太郎「二次会なんてあるんすか」 霞「今日文化祭に来てた人とかともいるかもしれないけどね、結構大きい店よ」 京太郎「へー、あ、デザートと言ってはなんですけど」 京太郎「きのこの○山買ってきたんですよ、いります?」 霞「はぁ?」 憩「きのこ!ちょうだい!」 京太郎「はいどーぞ」アーン 憩「ん~おいしいわぁー」 エイスリン「ア○ルフォート……」 霞「ちょっといいかしら?何?きのこ?京太郎くんはきのこ派だったの?」 京太郎「派ってわけではないっすけど」 霞「きのこ派じゃなかったらたけのこも買ってくるでしょ、なのにたけのこ買ってこないって貴方の目は節穴なのかしら?」 京太郎「えっ、ええぇぇぇ」 憩「えーきのこおいしいやないですかー」ブー 霞「きのことか笑止千万、あんな棒っきれ一掴みで粉々よ」 京太郎「そりゃ掴んだら粉々でしょうよ」 霞「じゃあ貴方たちはきのこのどこがいいのか教えてくれるかしら?」 京太郎「だから俺はきのこ派でもたけのこ派でもないですから」 霞「はっ、どうだか、憩ちゃんは?」 憩「ウ、ウチは……あの形が……」ゴニョゴニョ 霞「不潔ね」 憩「」ガーン 霞「エイスリンちゃんは……ああ、ア○ルフォートとか言うぽっと出だったかしら」 エイスリン「ア○ル!オイシイ!」グスッ 京太郎(なんでこんな険悪な雰囲気になってんだよ……) 郁乃「とうちゃ~く」 京太郎「ここですか、結構大きいですね」 雅枝「よく千里山の打ち上げでも使っとるからな、お得意様やで」 咏「んじゃーさっさと入ろーぜー」 ガチャ やえ「たけのこだ!」 菫「いやきのこだ!」 咏「……失礼しましたー」 菫「ほれ照、牛肉だぞ」 照「アイスが食べたい」 菫「栄養もしっかり摂れよ」 憩「」ジーッ 菫「何を見てるんだ?」ポヨン 憩「ハムッ、ハフハフ、ハムッ!」ガツガツ 京太郎「ちょっ、そんなに食べたら危ないですよ」 憩「食べないと大きくなれないんや!」ガツガツ 京太郎「えぇぇ……」 照「……京」クイクイ 京太郎「どうした?」 照「アイス持ってきて」ボソボソ 京太郎「わかった、味は?」 照「……なんでもいい」 京太郎「了解」 京太郎(とは言ったものの、他の二人の分も持っていくか) 京太郎(どれがいいかな……) 照「……京はわかってない」 菫「……サク○レか……」 京太郎「ええっ、どっちもおいしいじゃないですか!」 菫「そう言いながら○ガリ君を食べてるのがお前という男だ」 憩「ウチは梨味大好きやで!」 京太郎「そういってくれるのは憩さんだけです、ありがとうございます」ナデナデ 憩「えへへ~」 照「……」ムッ 照「やっぱり京はわかってる」 照「だからなでなでして」 京太郎「ごめんどういう理屈かさっぱりわからない」 京太郎「俺も梨味好きですよ」ナデナデ 憩「梨味ナンバーワンやな~」 照「むむむ……」ズーン 菫(えっ、何なのカップルなの?) 京太郎「打ち上げ終わり、今日も疲れたな」 京太郎「今日の〆は何をしようか」 夜 京太郎「寝る前にメールでもするか」 京太郎「照辺りにするかな」 京太郎『今日は楽しかったか?』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『すまない、照は寝ている』 照『後で返信させるから待っていてくれ』 京太郎「いや、じゃあ……」 京太郎『誰なんだよアンタ』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『弘世菫だ』 京太郎『整理させてください』 京太郎『弘世さんは寝ている照の携帯を見て』 京太郎『俺に返信した、と』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『つまりは照に変身したわけだ』 ヴーッ ヴーッ 照『すまない忘れてくれ』 照『それではまた会おう』 照『おやすみ』 京太郎『おやすみなさい』ピッ 京太郎「まだ新幹線なのかな……いやそれにしても友だちの携帯なんて見るかふつー……」 京太郎「なんとなく怜さんにメールしよ」 京太郎「そうと決まれば……」 京太郎「とりあえず憂さ晴らしでも」 京太郎『チャンピオンなので今度そっちにお邪魔しますね(ドヤッ)』ピッ ヴーッ ヴーッ 怜『うわ、なんか腹立つわ』 怜『練習やなくて雑用にこきつかったる』 京太郎『嘘です嘘です冗談です!』 京太郎『練習させてくださいお願いします何でもしますから!』ピッ 京太郎「あっ、咄嗟に変なもん書いちまった」 ヴーッ ヴーッ 怜『何でもかーまあ考えとくわ』 怜『そうそう、千里山は女子高やから』 怜『今日のコスプレ似合っとったでー』 京太郎『……つまりまた女装しろと』ピッ ヴーッ ヴーッ 怜『そうやないと校内入れへんからな』 京太郎『マジですか……』ピッ ヴーッ ヴーッ 怜『でもアレやで、ハーレムやで』 怜『右手に正妻、左手にオトコ系美少女』 怜『背中に爽やか美少女、膝に超絶病弱美少女』 怜『どや、最高やろ?』 京太郎『……ですね!』 京太郎『よっしゃー今から楽しみだー!』ピッ ヴーッ ヴーッ 怜『ほなそろそろ寝るわ、おやすみ』 京太郎『おやすみなさい』ピッ 京太郎「……おお」 京太郎「なんか知らないけど興奮してきた!」 京太郎「明日からも頑張るぞー!」 【10月第2週 休日】終 【10月第3週 平日】 京太郎「文化祭終わり!」 京太郎「今週末は選抜の合宿か、そろそろオーダー決めとかするのかな?」 京太郎「今週も頑張って行こう!」 京太郎「今朝も相変わらずのぼっちだったんだぜ!」 咏「ふーん」 和「そうですか」 京太郎「あれ、二人とも冷たいなー」 咏「お前が誰と来ようと知らんし」 和「同感です」 京太郎「うわっ辛辣」 昼 京太郎「ご飯の前には手洗いっていうけどそんなんあんまり気にしないよな」 京太郎「とりあえずトイレトイレーっと」 京太郎「あっ」 和「あっ」 和「またお手洗いで弁当ですか……」 京太郎「ち、違わい!トイレだよトイレ!」 和「でも、友だちいないんでしょう?」 京太郎「憐れみの目で見ないで、ちょっと辛い!」 和「よろしければお昼を一緒に、というのもやぶさかではないのですが」 京太郎「だからただのトイレだから!大きい方だから!」 和「えっ……」ドンビキ 京太郎「あっ」 京太郎「…………」 京太郎「」ダッ きょうたろう は にげだした! 京太郎「なんかもう、なんだかもう疲れた……」 京太郎「もう帰ろっかな……」 放課後 京太郎「今日も練習に来たぞ」 絹恵「あ、京太郎くーん」 京太郎「絹恵さん、こんにちはー」 絹恵「うん!ええ挨拶やな!」 京太郎「今日も一緒に頑張りましょうね」 絹恵「京太郎くんこそな!」 京太郎(相変わらず何もすることがなくて困る) 良子「やあ、また来てたんだね」 京太郎「良子さんに会うためですよ」 良子「ふむ、ずいぶんとグラッドなことを言ってくれるね」 京太郎「紅茶かコーヒー、いりますか?」 良子「それじゃあ今日は紅茶で」 京太郎「了解です」 京太郎「アールグレイ?ですね」 良子「うん、ありがとう」 良子「そういえばキャンプの件なのだけれど、場所は東京になったよ」 良子「最近できたばっかの旅館を取っておいた」 京太郎「東京ってことは……白糸台と、ですか?」 良子「というよりは関東選抜の最終候補+αといったところだね」 良子「こちらも同じく最終候補14名で向かう、オーケー?」 京太郎「オーケーです」 良子「よし、それじゃあ事務連絡も終わったことだし、何か話さない?」 京太郎「いいんですか?コーチともあろうお方が」 良子「京太郎と話すのは楽しいからね」 京太郎「大丈夫なのか選抜……」 京太郎(良子さん、元気そうだけど友だち出来たのかな) 京太郎(まさか俺以外に友だちがいないとか……なんか嬉しいけど悲しい) 京太郎(聞いてみるか) 京太郎「良子さん、最近は友だち出来ましたか?」 良子「よく聞いてくれた!」 良子「実はこの前初めて針生アナと福与アナと食事をしたんだよ!」イキイキ 良子「お二人ともいい人で本当に楽しかったよ」 京太郎「そういえば針生アナの連絡先は持ってたんでしたっけ」 良子「インターハイのときにお世話になったからね」 京太郎(同年代で同性の友だちが出来たのか、とすると俺はもうお払い箱かな、なんだか複雑な気持ちだけど) 京太郎(良子さん嬉しそうだし、なんて言えばいいんだろう) 京太郎(なんかちょっぴり悔しい気がする……) 京太郎「じゃあ!じゃあですね!」 良子「ん?どうした」 京太郎「俺とも今度食事に行きませんか?」 良子「えっ?」 良子「そっそれって……デート?」 京太郎「デートじゃないですよ、友だちとしてです」 良子「だ、だよね!」アセアセ 京太郎「それで、いいですか?」 良子「うん、もちろん!いつにする?」 京太郎「そうですねー……」 京太郎「この練習が終わった後でいいでしょうか?」 良子「了解、楽しみに待ってるよ」 京太郎「はい、それではまた後で」 京太郎(良子さんと食事かー楽しみだな) 京太郎(そろそろ対局に入ってみよう) 京太郎「さて空いてる卓はーっと」 雅枝「須賀、こっち入れ」 霞「私たちと打ちましょうか」 洋榎「京太郎が最後の一人かーウチの勝ちも同然やな!」 雅枝「須賀ー洋飛ばしたらなんかご褒美やるわ」 洋榎「えっなんで!?」 霞「ツモ、4000・8000」 京太郎「」ズタボロ 洋榎「京太郎大丈夫かー?」 京太郎「あはは……」 雅枝「よーし、ほなもう一局いくでー」 霞「監督、京太郎くんはもう……」 雅枝「うーん……それじゃあ戒能コーチ入ってや」 洋榎「どんだけウチを虐める気なんや!おかしいやろ!」 京太郎「あはは……」 京太郎「練習終わり……ああ、なんかへこむな……」 良子「ごめん、遅れたね」 京太郎「いえ、いいですよ」 良子「それじゃあ行こうか、どこに連れて行ってくれるんだい?」 京太郎「えーっと、ここですね」 京太郎「ここですね」 |ワグナ○リア| 良子「ワグナ○リア?」 京太郎「最近人気があるみたいですよ」 良子(……ワグナ○リア) 良子(そういえばこの前……) 恒子『ここの近くにワグナ○リアっていうレストランがあるらしいよ!』 えり『それがどうかしたんですか?』 恒子『あっれー針生アナ知らない?最近このへんのカップルに大人気なんだってさ!』 良子『だったら私たちが行くことはないのでは?』 恒子『いやーでも一回は行ってみたくない?』 恒子『戒能プロは彼氏ができたらしいし針生アナだって……』プクク えり『だから彼はそんな人じゃないですから!』 良子『ボ、ボーイフレンドなんていませんから!』 恒子『ええ~ほんとに~?』 良子(やっぱり京太郎は私のこと……)カァァ 京太郎「良子さん、どうかしましたか?」 良子「どうもしていないノーウェイノーウェイ」 良子「それじゃあ何を頼もうかな!」 京太郎「結構迷いますね……」ウムム 「ご注文はお決まりでしょうかー?」 京太郎(なんで刀なんか下げてんだこの人……) 京太郎「俺はこのえびフライプレートで、良子さんは?」 良子「私も同じので」 「はい、それでは彼女と食べよう!タルタルソース付えびフライプレートがお二つ、でよろしいでしょうか?」 京太郎「えっ」 良子「えっ」 「えっ?どうかなさいましたか?」 京太郎「なんでもないです、お願いします」 「かしこまりましたー」 京良(品名ちゃんと呼んでなかったー!) 京太郎(やばいやばいよ、良子さんに変な目で見られるよ!) 良子(京太郎……私なんかが彼女……)プシュー 京太郎「…………」 良子「…………」 京太郎(気まずい!気まずいぞこれ!) 京太郎(どうにかして空気を変えないと!) 京太郎(どうしようどうすればいいんだ!) 京太郎(でも、良子さんも同じのを頼んだんだよな) 京太郎(ということは良子さんもちゃんと品名を読んでいなかった?) 京太郎(なーんだ、そんなことだったんだな) 京太郎「つまり……そういうことです」 良子「そ、そういうこと……って」 良子(京太郎は私を彼女だと思っている?) 良子(でもさっきはデートじゃないって……) 良子(決心したってことなのか?)カァァ 良子「わ、私も……」 良子「これから、よろしく///」カァァ 京太郎(よろしく?よくわかんないけどわかってもらえたみたいだ) 「お待たせいたしましたー、どうぞごゆっくりー」 京太郎「それじゃあ食べましょうか」 良子「うん……」カァァ 良子(私が彼女……でも彼女って何をすればいいんだ?) 良子(この前買った本によると……) 良子(あーん、だっけ?) 良子(…………) 良子(こんなパブリックなところでやるのは……恥ずかしい) 良子「……」モグモグ 京太郎「……」モグモグ 良子「きょ……京太郎」 京太郎「なんですか?」 良子「そ、その……だな……」モジモジ 良子「あ……」 京太郎「あ?」 良子「あ!アイス!アイスがほしい!」 京太郎「ですね、ここいら辺ちょっと暑いですし」 京太郎「頼みましょうか」ピンポーン 良子「……ありがとう」 良子(なんでヘタれるんだ私のバカ!) 京太郎(良子さん楽しんでくれてるみたいだな) 【帰り道】 京太郎「えびフライおいしかったですねー」 良子「うん……そうだね」 良子(緊張しすぎて味なんてわからなかった……) 京太郎「それじゃあ俺はここまでですね、良子さんはまたビジネスホテルに泊まってるんですか?」 良子「なかなかいいホテルだよ、京太郎も来る?」 京太郎「いやいやいや!そんなことしたら流石にまずいですって!」 京太郎「もしサタデーとかに撮られたらどうするんですか!」 良子「そうだね、京太郎に迷惑がかかるし」 京太郎「他の人にもそんなこと言っちゃだめですからね、誤解して襲ってくるかもしれませんし」 良子「……うん」 京太郎「夜遅くなると危ないですし、そろそろ行きますね」 良子「グッナイ」 京太郎「今度は合宿でー!」ブンブン 良子「じゃあねー!」ブンブン 良子「……ふぅ」 良子「京太郎が心配してくれている……ハッピーな気分だよ」 良子「あと二年か……」 京太郎「合宿は東京って言ってたよな」 京太郎「なら挨拶でもしておくべきだよな」 京太郎「でも誰にしよう……」 京太郎「照とか淡にしてもあんまり意味ないし、弘世さんか小走さんか辻垣内さん?」 京太郎「いや、ここは渋谷さんにしよう」 京太郎「気楽な内容で行こう」 京太郎「ここは丁寧にあいさつからいくか」 京太郎『突然のメールすみません、須賀です』 京太郎『今度の合宿よろしくお願いします』 京太郎「送信っと」ピッ ヴーッ ヴーッ 尭深『こんばんは』 尭深『こちらこそよろしくね』 尭深『それはそうと、どうして須賀くんが挨拶なんて?』 京太郎「部外者から見ればわからないよな、説明しておくか」 京太郎『一応俺もその合宿についていくことになってるんですよ』 京太郎『だから挨拶を、と思いまして』ピッ ヴーッ ヴーッ 尭深『そういうことなんだ』 尭深『それなら弘世部長か小走先輩の方がよかったかもね』 京太郎「そういえばそうだよな……」 京太郎「渋谷さんは照と淡の間の学年なんだよな」 京太郎「そこいらへんも訊いておくか」 京太郎『ところで、照と淡が面倒かけてませんか?』ピッ ヴーッ ヴーッ 尭深『宮永先輩も淡ちゃんも私のお茶菓子食べてくれるし』 尭深『二人ともいい子だよ』 尭深『須賀くんは心配性なのかな?』 京太郎『心配性というか、まあそうですね』 京太郎『バカ二人がお世話になってます』 ヴーッ ヴーッ 尭深『まるで二人のお兄ちゃんみたいだね』 京太郎『そう見えますか?』ピッ ヴーッ ヴーッ 尭深『とっても、ね』 尭深『そういう人がいるのってちょっといいかも』 京太郎『ふっふっふ、別に俺を頼ってもいいんですよ?』ピッ ヴーッ ヴーッ 尭深『じゃあそうしてみようかな』 尭深『悪いけどそろそろ寝るね』 尭深『合宿でも頑張ろうね、お兄ちゃん』 尭深『おやすみ』 京太郎「渋谷さんからお兄ちゃん……かぁ」 京太郎「いいね!」 京太郎「あのメンバーのなかで一番のおっぱいだったし、なんか燃える」 京太郎「俺もそろそろ寝るかな」 【10月第3週 平日】終 【10月第3週 休日】 【合宿1日目】 雅枝「説明は以上や」 雅枝「合宿中は各自自分の実力のために尽力するように」 雅枝「あー、そうそう合宿中テレビの密着取材が入るさかい、そこんところよろしく」 雅枝「ほな各自対局開始!」 京太郎「あのー、良子さん?」 良子「何かな京太郎」 京太郎「良子さんこの前東京のホテルって言いましたよね?」 良子「ここも十分立派な東京のホテルじゃないか」 京太郎「立派ですとも、ええ立派です、立派ですけども!」 京太郎「なんで、なんでこんな山奥なんですか!?」 京太郎「新大阪から東京まで来たぞ!って浮かれてたら電車に乗って」 京太郎「どこで降りるんだろうなーとか考えてるうちに終点まで来てるし!」 京太郎「まあまだそれは良しとしてですね」 京太郎「ここって旅館じゃないですか!」 良子「旅館もホテルじゃないか?」 京太郎「なんか違うんですよ!」 良子「な、なるほど……」 良子(よくわからない) 京太郎(あれ、俺って何が言いたかったんだろ……) 京太郎「大体の人にも挨拶したし、何しよう」 良子「京太郎、暇なの?」 京太郎「良子さん……そうなんですよ、よかったらまた特訓してくれますか?」 良子「うん、私におまかせあれ!だよ」ムネハリッ 京太郎「おおぅ……」 京太郎「シャープシュート」ゴッ 良子「いいぞ、雰囲気でてる!」 京太郎「それじゃあ次ですね」 京太郎「カン!カン!もいっこカン!」 京太郎「麻雀って楽しいよね!」ニッコリ 良子「うん、いいよ」グッ 良子「うまく私の真似ができるようになってるね、流石は京太郎だよ」 京太郎「えへへ、そうですか?」 良子「それじゃあ次に行ってみようか」 京太郎「今度は負けませんからね!」 良子「ふふん、どうかな」 良子「ねえ、京太郎、よかったら私の力を身に着けてみない?」 京太郎「身に着ける、ですか?」 良子「うん、本家に伝わる簡単な儀式なんだけど、どう?」 京太郎「うーん……なんか怪しいですけど」 良子「大丈夫だよ、三十分でもあれば終わるし、疲れるのは私だけだから」 京太郎「それも少し……悪い気が」 良子「やっぱり……ダメ?」ウワメヅカイ 京太郎(唐突に可愛いんですけどなにこれ!) 良子「京太郎?」 京太郎「わかりました、ただし安全にお願いしますよ」 良子「うんっ!」 【儀式終了】 良子「儀式終わり!どうかな?」 京太郎「」ハナヂドバァ 良子「あれ?京太郎?京太郎?」ユッサユッサ 京太郎(お互い裸になって体を寄せ合う儀式とか……)チラッ 良子「京太郎?」タユンタユン 京太郎(そんなん考慮しとらんよ……)ドバァ 昼 憩「おーい、京太郎くーん!」 淡「こっち来なよ!」 京太郎「うげっ」 淡「なんだようげってー!」ウリウリ 憩「せやでーこっち来て一緒に打とうやー」 尭深「あ」 京太郎「あっ渋谷さん助けて!」 尭深「お茶入れたけどいる?お兄ちゃん」ニコッ 京太郎「」ブフォッ 憩「お……お兄ちゃん?」 淡「なるほどー京太郎はそういう趣味なんだ……」 京太郎(あれっ、なんかやばい感じ) 憩「ほなこっち来て打と!お兄ちゃん!」ニコッ 淡「お兄ちゃんは私のだよ!ね?お兄ちゃん」ニコッ 尭深「お茶熱いから気を付けてね、お兄ちゃん」ニコッ 京太郎(何この状況どうすりゃいいの……) 京太郎「ロン、これで俺の勝ちだな」 淡「あわわわわ」 淡「まさかお兄ちゃんに負けるなんて……」 京太郎「いつまで続けるんだそれ」 尭深「はい、お茶」 京太郎「渋谷さんはもどったんですね」 憩「ウチがトップやー」 尭深「うん、言葉にすると恥ずかしいから」 淡「ねーねー京太郎!お昼食べに行こうよ!」 京太郎「はいはい、勝手に行ってこい」 憩「ウチ!ウチがトップやで!」 淡「むぅ、京太郎酷いよ!」 京太郎「ふふん、俺に勝ってから言うんだな!」 淡「わかったよ!じゃあもう一局だ!」 京太郎「受けて立つ!」 京太郎「昼でも食いに行くかなーってここいらへんで食べられる店ってないんだよな」 京太郎「食堂行こ」 「なあ!みんなでプール行かねえか?」 「この前できたあそこっすか?」 「そうそう!タダ券もらったから、どうだ?」 「……私なら大丈夫」 「お姉ちゃんも泳げないでしょ」 「……泳げるもん」 「じゃあ決まりっすね、みんなで行くっす!」 雅枝「須賀、どないした?」 京太郎「はっはい!なんでしょうか!」 雅枝「飯食べ終わったんやったら練習や練習」 京太郎「いやーまだデザート頼んでなかったんで」 雅枝「ほな話しながら食べよか」 京太郎「おっ、いいですね」 雅枝「なんか聞きたいこととかあるやろ、どや?」 京太郎「そういえば……」 雅枝「なんや?」 京太郎「監督の旦那さんって一体どんな人なんですか?」 雅枝「旦那……」 雅枝「……はぁ」 京太郎「あっ、すみません」 京太郎「踏み入ったこと聞いて……」 雅枝「いや、別にええんや」 雅枝「あの男はほんまに……最悪や」 京太郎「あれ?お亡くなりになったとかじゃ?」 雅枝「そうなってくれたらええんやけどな、もう離婚したわ」 京太郎「やっぱりすみません……」 雅枝「いつかは話すことになるかもしれんから別にええわ」 京太郎「……いつかは?」 雅枝「私が須賀にお義母さん呼ばれるかもしれんからな」 京太郎「あ……あー」 雅枝「絹も洋も、泣かせたら承知せんで、ええな?」 京太郎「いつかは監督を鳴かせるかもしれませんよ?」 雅枝「はっはっは、後で覚えとけよ」ニッコリ 雅枝「私は先戻るわ、ほなまた」 京太郎「さよならー」 恒子「ほうほう須賀京太郎くんは熟女にまで手を出している、と」 みさき「これは大スクープですね」 京太郎「ちょーっと待ってくださいそこのお二人さん」 恒子「ありゃ、ばれちゃった?」 京太郎「ばれるも何もないですよ」 みさき「この子が有名な須賀京太郎くんですね……」 えり「有名も何もインターハイ優勝者でしょうが」 みさき「あ、そうでしたね」 えり「村吉アナはツッコミ側だと思ってたんですけど」 みさき「針生アナがいるのでまあ多少は」 京太郎「どうしてお三方がここにいるんですか……」 恒子「聞いてなかったかな?ここに取材が入ってるって」 京太郎「でも別々の局ですよね、それに三日もいるつもりですか……」 恒子「そのくらい話題性があるってことだよ、あ、私たちも練習に参加したりとかもするから」 京太郎「麻雀できるんですか?」 えり「ルールとセオリーは十分覚えてますから」 みさき「だてにアナウンサーやってませんからね」 京太郎「まあそういうことなら」 恒子「そーそー、その意気だぞ少年!後で麻雀教えてねー」 京太郎「えっ?」 えり「そういうことなので失礼します」 みさき「これ私の名刺です、どうぞ」 京太郎「あっはい」 恒子「そんじゃねー」 えり「失礼します」 ガララ 京太郎(なんだよこの合宿ー!) 昼 京太郎「食後の腹ごなしにちょっと打つか」 京太郎「どの卓が空いてるかなー」 智葉「須賀、ここにいたのか」 京太郎「辻垣内さんじゃないですか、どうしたんすか?」 智葉「うちの監督が用があると言ってな、とりあえずついてこい」 京太郎「は、はあ……」 智葉「監督、連れてきました」 臨海監督「おっ、来たか」 京太郎「初めまして、須賀京太郎です」 臨海監督「初めまして、うむ中々にハンサムじゃないか」 京太郎「どうも、監督さんこそスーツが似合っててかっこいいですよ」 臨海監督「世辞がうまいな、気に入ったよ」 臨海監督「そんなに硬くならなくていい、そこに座ってくれ、サトハも」 臨海監督「前から常々君とは打ってみたいと思っていたんだ、興味を持つと我慢できないタイプでね」 臨海監督「三麻もいいが、あと一人誰か欲しいな……」 明華「私が入りましょうか?」 臨海監督「ミョンファか、よろしく頼む」 明華「須賀さん、よろしくお願いします」 京太郎「いえこちらこそ」 智葉「それでは始めましょうか」 京太郎(臨海の監督さんにレギュラー二人ってなんか緊張する……) 臨海監督(スガ……カイノウに似ている打ち手だ) 臨海監督(地区予選ではアラカワ、インターハイではミヒロギと似た打ち方をしていたがこれは一体どういうことなんだ) 臨海監督(そして、これで終わりだ) 臨海監督(……パールハーバー) 臨海監督「ツモ、海底面清、4000・8000」 臨海監督「三人ともトビだな」 智葉「」チーン 京太郎「」チーン 明華「」チーン 臨海監督「面白い対局だったよスガ、来年はうちに来ないか?」 明華「またですか監督……」 智葉「面白いも何も一方的なタコ殴りだったのですが……」 京太郎「そもそも臨海って女子校じゃないんですか?」 臨海監督「大丈夫大丈夫、金さえかければ何とでもなるから」 京太郎(絶対ダメな大人だよこの人……) 夕 臨海監督「午前の様子を見るに、スガは暇なそうだが、どうだ?私と特訓でもしないか?」 京太郎「まあ確かにやることないですね」 臨海監督「よし、なら早速取りかかろう」 京太郎「そういえば監督さんはメジャーで活躍していたんでしたっけ?」 臨海監督「活躍、というほどではないがな」 臨海監督「あそこの卓が空いたようだ、入っていてくれ」 臨海監督「まあ、今日はこんなところかな」 臨海監督「欧米流の麻雀なんだが、理解はできた?」 京太郎「……ほんのちょっと」 臨海監督「そうか……物事最初はこんなものさ」 京太郎「そうですよね……」 京太郎(世界って広いんだよな、考えてみれば明華さんだって世界ランカーらしいし) 京太郎(でも俺だって日本一の男子高校生なんだ!) 京太郎(まだまだ負けてられないよな!) 臨海監督「ふっ、まだ続けてみるか?」 京太郎「……はい!どうせなら時間ギリギリまで!」 臨海監督「うん、いい意気だ。それでは次は……」 雅枝「これで今日の練習は終了や!」 雅枝「各自部屋で休むように!ほな解散!」 「ありがとうございましたー!」 京太郎「結局あの後もわからないまんまだったな……」 京太郎「後二日もあるんだからのんびり行こう」 京太郎「さてと、俺の部屋は……ここか」 京太郎「どうせ一人部屋なんだろうな……」ガチャ 「赤阪さんお帰りなさ……い……」 京太郎「あ……えーっと」 京太郎(この人確か……多治比さん、だっけ?) 真佑子「ど、どなたでしょうか?」ガクガク 京太郎(ってのんびりしてる場合じゃねえ!) 京太郎「すみません、部屋間違えました!」 真佑子「ちょっ、ちょっと!」 バタム! 京太郎「部屋番……401だよな、良子さんに文句つけないと……」 郁乃「あっれ~京太郎くんここで何しとるん~?」 京太郎「実は部屋の場所がわからなくて……」 郁乃「でも京太郎くんと私は同じ部屋やろ~?」 京太郎「えっ」 郁乃「ほな入るで~」 真佑子「多治比です……どうも」 京太郎「須賀京太郎です、よろしくお願いします」 郁乃「二人とも仲良くな~」 京太郎「さっきはなんかすみませんでした」 真佑子「いいですよ、着替えを見られたってわけじゃないんですから」 真佑子「顔上げてください、ね?」ニコッ 京太郎「は……はい」カオアゲ 京太郎(多治比さん、優しい人だな……) 真佑子「この私の優しさに感謝して一生跪いてろこの下等が」ボソッ 京太郎「……はい」 京太郎「…………」 京太郎「ええっ!?」 京太郎(急にキャラ変ったよ何この人!?) 夜 京太郎(ちょっと気まずいから他の人の部屋にでも行くか) 京太郎(誰の部屋に行こう……) 京太郎「適当に歩いてきたけど、ここは誰の部屋かな?」コンコン 京太郎「失礼しまーす」ガチャ 雅枝「……須賀?」 京太郎「……あ」 雅枝「私の部屋に何の用や?」 京太郎「そ、それはですね……」 京太郎「えーっと、ここは誰の部屋だ?」 ガチャ 臨海監督「スガ?こんなところで何をしているんだ?」 京太郎「ここ監督さんの部屋だったんすね」 臨海監督「いかにもそうだが、どうしたんだ?」 京太郎「それはですね……」 京太郎「ちょっと部屋の居心地が悪かったのでお話でも、と思いまして」 臨海監督「ん……そうか、いいぞ上がれ」 京太郎「失礼しまーす」 臨海監督「それで何の話をしようか、私はなんでもいいよ」 京太郎「ううん、そうですね……」 京太郎「じゃあ監督さんの過去の経歴について……とか?」 臨海監督「経歴、か」 臨海監督「知っての通り私は元メジャーの選手だったんだがあまり活躍と言う活躍はなくてね」 臨海監督「コカジさん相手にはズタボロだったよ、まあ恋人がいたというのもあったんだろうけど」 臨海監督「そんなこんなで限界を感じてメジャーから身を引いたんだ、そんなところにかかってきたのが臨海からの声だった」 臨海監督「どうやら私は人に教える方が向いているみたいでね、内心複雑だったよ」 臨海監督「話していて自分でもつまらないな、今度はスガの話を聞かせてくれるか?」 京太郎「俺の方が退屈ですよ、まだまだ」 臨海監督「ふむ、そうか」 臨海監督「そういえばスガはミヤナガと幼馴染らしいけど、そこはどうなんだ?」 臨海監督「噂に聞くに遠距離恋愛だとか」 京太郎「俺と照が遠距離恋愛!?誰がそんなことを!」 臨海監督「私が」 京太郎「根も葉もなかったよ!」 臨海監督「でも結構そんな噂は聞くぞ、それこそアラカワと付き合ってる、とかミヒロギと付き合ってるとか」 京太郎「そもそもなんでそんなことを初対面の監督さんが知ってるんですか」 臨海監督「さっきも言っただろう、私は興味を持つと我慢できないタイプなんだ」 京太郎「えぇぇ……」 臨海監督「そういえば最近はカイノウやハリウアナと関係を持っているとも聞いたがそこのところは?」 京太郎「ないない、なんでもないですから」 臨海監督「そうか……つまらないな」ボソッ 京太郎「聞こえてますからね!」 【脱衣所】 京太郎「風呂は確か温泉って言ってたよな、楽しみだ」 京太郎「そういえば霞さんから……」 霞『ここの温泉は混浴だから、京太郎くんは11時から入ってね、その前に他の子を入れちゃうから』 京太郎『つまり11時前に入れば混浴ができる、と』 霞『そんなことしたらどうなるか……わかるわよね?』ニッコリ 京太郎『イエス!マム!』ビシッ 京太郎「というわけで用心をして11時半」 京太郎「誰か入ってないかな……」 京太郎「いるわけないよな……」 ガララ カポーン 京太郎「うん、わかってた」 京太郎「ちょっとの希望はあったよ、洗面所の前の髪の毛とか、石鹸の匂いとかで期待してたよ」 京太郎「でももうなんか……寂しいよな」 京太郎「気を取り直して飛び込んでみるか」 京太郎「イィィィィッヤッホオオオオオウ!」 バッシャーン 【そのころの脱衣所】 良子「……ふぅ」ヌギヌギ 良子「今日はあまり京太郎と喋れなかったな……」 良子「恋人……なんだよね」※違います 良子「もっとアグレッシヴにならないといけないよね、よし」 イィィィッヤッホオオオオオウ! バッシャーン 良子「まだ誰か入っているのか?」 良子「いや、この際中の人とも仲良くなろう!私ならできる、私ならできる!」 良子「こんばんはー」ガララ 京太郎「あー!気持ちいいー…………」 良子「…………」 良子「これはドリームだ、そうに違いない」ホッペツネル 良子「いたっ!」 良子「ってことは……夢じゃない?」 京太郎「え……っと、どうして良子さんがここに……?」 良子「……それは……だな……」 良子(そういえばカスミに言われてた気がする……) 良子(このまんまだと私は京太郎の風呂に入りに行った淫乱女だと思われるんじゃ……)ガクガク 良子(どうすればいいんだ……) 京太郎(なにこれどうしよう……なんで良子さんがここにいるんだよ) 京太郎(一応腕で隠れてはいるけど……ナイスな……)ブフォッ 良子「京太郎、鼻血出てるぞ!」 京太郎「えっ、うわ本当だ」 良子(京太郎がのぼせてる……のぼせたときってどうすればいいんだっけ……) 良子(えっと、確か……) 良子(膝枕……か) 良子(縁に座って……)チャポン 良子「きょ、京太郎!///」カァァ 良子「膝枕……するよ」 京太郎「えっ」 京太郎(現状を整理しよう) 京太郎(俺は温泉に入っている、当然裸だ) 京太郎(そして今、良子さんに膝枕してもらっている……良子さんも裸だあそこは腕で隠しているけど) 京太郎(どうすればいいんだよ……良子さんの肌やわらかいし白いし……) 良子「京太郎、落ち着いた?」ナデナデ 京太郎(頭、撫でてくれるし……怜さんとかいつもこんな気分なのかな……) 京太郎「はい、ありがとうございます」 良子「よかった、どうしたのかと思ったよ」ホッ 京太郎「……っておかしいでしょう!」ガバッ 良子「」ビクッ 京太郎「どうして良子さんがここにいるんすか!」 良子「……ごめん、入る時間を間違えたんだ……」 良子「私は……京太郎と入っても、その……嬉しいんだけど」 良子「迷惑だよね……もう上がるよ、ごめん」ショボン 京太郎「そ、そんなことないです!俺も嬉しいです!もっと二人で楽しみましょうよ!」 京太郎(何言ってんだ俺ぇぇぇえ!) 良子「そう……なの?」パァァ 京太郎(ええいままよ!) 京太郎「もちのろんですよ」 良子「じゃあまずは何する?体洗いっこする?それとも一緒にお風呂に入る?」 京太郎「え、えーっと……」 京太郎(何その選択肢……おかしいでしょ……) 京太郎「じゃあ……良子さんの身体を洗いますね」 良子「いいのか?」 京太郎「俺だけされてばっかりっていうのは少しなんなので」 良子「……わかった」 京太郎「まずは髪から洗いますね」 良子「うん」 京太郎「どうですかー?」ワシャワシャ 良子「気持ちいいよ」 京太郎「おかゆいところはありませんかー?」 良子「ふふっ、サロンみたいだな」 京太郎「俺もそう思いました、あははっ」ワシャワシャ 良子「痛っ!」 京太郎「ど、どうしました!?」 良子「ごめん、ちょっとシャンプーが目に入ったみたいで……」 京太郎「ごめんなさい、もうちょい丁寧にやります」 良子「ごめんね……」 京太郎「次は体洗いますね」 良子「よろしくね」 京太郎(流石に前はできないよな……) 京太郎「良子さん、髪もそうでしたけど肌も綺麗ですよね」 良子「そうかな?意識したことはなかったけど……嬉しいな」 京太郎「はい、背中終わりです。あとはご自分でどうぞ」 良子「えっ……前は?」フリムキ 京太郎「俺から言ったことですけど、前はダメでしょう」 良子「ダメ……でも……」 良子「……京太郎なら……ううん」 良子「京太郎に、洗ってほしいんだよ」ウワメヅカイ 良子「それでも、ダメかな?」ウルウル 京太郎「」ドキッ 京太郎「どうなってもしりませんからね!」 良子「京太郎になら、どんなことでも……」モジモジ 京太郎(腕が終わってついに最初の関門……胸) 京太郎(確かに触りたいとは思ってましたよ、揉みたいと思ってましたし顔もうずめたいと思っていました) 京太郎(でも何でこのタイミング……) 京太郎(腹くくるしかないよな…………ぐへへ)ワキワキ 京太郎「失礼しますね」モミッ 良子「んっ……」 京太郎(やわらけぇー!やわらけえよぉー!)ムニョンムニョンモミモミモミモミモミ 京太郎(感動!感動した!俺ぁ感動したよぉぉぉぉおお!)モミモミモミモミモミモミ 良子「きょ、うたろぉっ、!そ、そのくらっ!ああっ!」 京太郎(ふぅ……満足した、次はへそか)チョン 良子「んぁっ!」ビクン 京太郎(へそが弱いのかな?)クニクニ 良子「あんぅ、やぁっ!」ビクンビクン 京太郎(……エロい) 京太郎「これで洗い終わりですね、そろそろ入りましょうか」 良子「……ぅん」ビクンビクン 【そのころの脱衣所】 霞「戒能プロ、どこ行ったんでしょうね」 善野「一緒に来ればよかったんやけどねー」 健夜「ここの温泉って若返り効果があるんですよね!」 雅枝「せやで、年寄りに優しいやろ」 臨海監督「コカジプロには特にね」 健夜「どういうことですかね?」ピキピキ ワーワー キャーキャー 良子「…………」 良子(あの声は小鍛治プロ?ということは……) ソロソロハイローカー ガララ 良子「京太郎、潜って!」 京太郎「えっ、何を!?」 健夜「あれ?戒能プロいたんだ?」 霞「呼びに行ったんですけど、もう来てたんですね」 良子「が、我慢できなくてね」 良子(どうしよう、このままだと京太郎が痴漢にされてしまう……) 良子(そういえばあっちに……) 良子「あっちの方にもう一つ大浴場がありましたよ」 善野「あっちってどこ?」 良子「別の脱衣所から入るんですよ、こっちは疲労回復の湯であっちが若返りの湯らしいです」 雅枝「あ、あっちやったんか、ほな行ってくるわ」 臨海監督「私も行きますかね」 善野「小鍛治プロも石戸さんも早くいかへん?」 霞「私はまだ10代ですし……」 健夜「」ギロッ 霞「ひっ、行きますね!」 健夜「私も行こうかな」 良子「私も後から行きますね」 雅枝「ほなまたー」 ガララ 良子「……はぁ」 良子「京太郎、大丈夫か?」 京太郎「」マッサオ 良子「京太郎?京太郎?」 京太郎「」マッサオ 良子「京太郎ー!」 京太郎(現状を整理しよう) 京太郎(俺は温泉に入っている、当然裸だ) 京太郎(そして今、良子さんに膝枕してもらっている……良子さんも裸だあそこは腕で隠しているけど) 京太郎(って、何このデジャヴ) 良子「京太郎、起きた?」 京太郎「おかげさまで、どうもすみません」 良子「ううん、よかったぁ」ホッ 京太郎「こう二回も膝枕してもらってると悪いっすね」 良子「心配したから……いいよ」 京太郎「そう言われても……じゃあ俺も何かしてあげますよ!」 京太郎「何しましょうか?」 良子「何って……なんでも?」 京太郎「俺にできることなら、なんでも」 良子「じゃ……じゃあ……それじゃあ……」モジモジ 良子「充電……してもらってもいいかな?」 京太郎「……充電?」 京太郎(充電って……充電ってまさか……) ここから妄想―――――――――― 良子「京太郎の電気、私に流してほしい!」 良子「しびれさせて?」 京太郎「良子さん!」ガバッ 良子「きょうたろぉ、激しいよ……」 京太郎「流し込むぜ!俺の電気!」 ――――――――ここまで妄想 京太郎(ぐへへ……) 良子「京太郎、どうかした?」 京太郎「いえいえなんでもないですよ、それで、充電とは?」 良子「……エクスプレインよりもやってみた方がはやいと思うから、京太郎は浴槽の縁に座って」 京太郎「はい」 京太郎(……座ると俺の息子がやばいことにならないか?) JR京太郎「呼んだ?」 京太郎(ちょっとすっこんでろ!間に挟まってろ!) 良子「それで私がそこに座る、と」ストン 良子「充電充電!」 京太郎「充電充電!」 良子「チャージチャージ!」 京太郎「チャージチャージ!」 京太郎(どんなプレイ!?) 京太郎(何が悲しくて現役で美人で巨乳な若手プロと疑似挿入して充電充電言わないといけないの!?) 良子「……京太郎」 良子「疲れた」 京太郎「声が涸れるまで叫んでたらそうなりますよ」 良子「だよね……」 良子「……京太郎」 京太郎「何ですか?」 良子「国麻、頑張ろうね」 良子「私は地区選抜のコーチとして、京太郎は個人の部で、一緒に勝とう」 京太郎「……はい、絶対に負けませんからね」 良子「ふふっ、楽しみだね」 京太郎「俺もですよ」 良子「……もう少し、このままでいいかな?」 京太郎「もう吹っ切れましたよ……」 良子「……ありがとう」 良子「京太郎」 京太郎「なんですか?」 良子「私、京太郎といると……毎日が楽しいんだ」 良子「京太郎はどう?」 京太郎「俺もですよ、良子さんや照や憩たちがいて毎日が楽しいです」 良子「……うん、そうだよね」 良子「それじゃあ私は小鍛治プロたちの方に行くから、京太郎は後で出てきて」 京太郎「はい、おやすみなさい」 良子「おやすみ」フリフリ ガララ 京太郎「よし、出てきていいぞ息子よ」 JR京太郎「我慢できねえぜ!」 京太郎「温泉はちょうど白濁!此処ならできる!いくぞ我が息子よ!」 JR京太郎「ヒャッッッッハアァァァ!」 【合宿初日】終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6195.html
特別編 京太郎、夢を見る 京太郎『じゃ、行ってくる』 咲『いってらっしゃい!』 京太郎『そうそう、今日は早めに帰ってこれるかもしれないわ』 咲『本当?それじゃあ京ちゃんの夕飯は好きなものにするね!』 京太郎『おう、楽しみだ。いい嫁だな、お前』 咲『京ちゃんのお嫁さんですから!!』 京太郎「……なんて夢だ……明日嫁田殴ろう」 京太郎「……それにしても……マジで嫁か……まぁ、悪くないかな」 京太郎「…………2度寝しよ」 京太郎『……綺麗だ』 和『ふふ……ありがとうございます』 京太郎『やっべ、今マジで幸せだ俺』 和『もう、気が早いですよ』 和『幸せになるのはこれからですよ?』 京太郎『……だな。これからも、よろしくな』 和『……はい。あなた』 京太郎「……ウェディングドレスの和か」 京太郎「嫁さんになったのは妄想したけどこっちは考えもしてねーよ」 京太郎「……もっかい寝よ」 優希『ほら、京太郎こっちこっち!』 京太郎『引っ張んなって……これか?お前が見たかった映画』 優希『おう!今カップルに大人気のやつだじぇ!!』 京太郎『ほー、結構混んでるだけはあるな。手ぇ離すなよ?』ギュッ 優希『うんっ!絶対離さないからな!!』 京太郎『こっちだって、せっかく捕まえた可愛い彼女を離す気はさらさらねーよ』 京太郎「……優希が恋人かよ」 京太郎「……いや、楽しそうではあるけど……砂糖吐くようなこと言ってんな夢の俺」 京太郎「…………寝た気がしねぇ、3度寝、いや4度寝だ4度寝」 『おーい、兄ちゃんこっちこっち』 京太郎『はーい、注文の品です』 まこ『ほい、お疲れさん』 京太郎『これくらい大したことないって』 『しっかしいい男捕まえたな!』 『ここも安泰だな!!』 まこ『全く、うるさい常連じゃ』 京太郎『でも、言ってることはもっともだがな』 京太郎『これからも、一緒にやっていこうな』 まこ『あぁ、この店を一緒に続けていこう』 京太郎「……染谷先輩もかぁ」 京太郎「……アレか?婿入りして店継いだのか?」 京太郎「…………なんとなく寝たらどうなるか分かるけど、寝てやる」 『決まったー!!ペア麻雀の優勝は須賀夫妻です!!』 『夫婦ならではの抜群のコンビネーションでした!!』 久『やったわね須賀くん!!』 京太郎『おいおい、もう久も”須賀”だろ?』 久『いいじゃない、今は優勝を喜びましょ』 京太郎『仕方ねーなー』 『いやー、まさか小鍛冶プロと瑞原プロのコンビに勝つとは正直驚きましたね』 『ま、愛の力って奴じゃね?知らんけど』 久『これからも2人で勝つわよ!!』 京太郎『ああ、どこまでも付いてってやるよ』 京太郎「……竹井先輩、色々すっ飛ばしてプロで活躍かよ」 京太郎「しかもコンビ打ちで優勝って……」 京太郎「…………昼寝、これくらいにして出かけるか」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6436.html
エイスリンさんに初めてを捧げて、憩さんから口づけというクリスマスプレゼントをもらった夜は、当の昔に過ぎ去った 大晦日はみんなと霞さんの家で年越しそばをごちそうになって、おせちまで用意してもらった 霞さんにお年玉をねだったら俺のお年玉を狙われたのは、まあ、いい思い出だ 照は推薦を使わず、一般で関西の最高学府へ入学。エイスリンさんは大阪の大学へ入った 郁乃さんは身体を元に戻して、元の職業だったプロ雀士のメンタルトレーナーに復職した 卒業式の日は、エイスリンさんに泣きながら抱き着かれ、照に卒業祝いのお菓子をおごらされたりもした 郁乃さんには襲われかけたが、逆に襲い返そうとすると急にしおらしくなり 「えっ……え、本気……なんか?」 「私なんて、どうせおばさんやし、お、襲っても気持ちよくなんかないで」 「せやから……そないなこと……」 こんなことを頬を赤らめて目をこちらに合わせまいとしながら言ってくるおかげで、嗜虐心をそそられて本当に襲ってしまおうか迷ってしまうほどだった ちなみに、メンタルトレーナーというのは、日々削られる雀士の精神を調整する仕事らしい 941 名前: ◆r05KxLrr0E[saga] 投稿日:2013/11/10(日) 23 27 14.59 ID Lo7QWEYqo [5/5] そうして新しい春を迎えた清々荘の二つの部屋は空いたが、そこへ記念すべき後輩一号くんと二号ちゃんが入った 入学式が終わったあと、例年通り新しい二人の住人のために歓迎会を催した 二人とも麻雀をしていて、三箇牧の活躍を見て入学したらしい 一号くんはいわゆる男の娘で、二号ちゃんは綺麗系の女の子で、見た目的には麻雀部は俺のハーレムに見えるらしく、クラスの男衆からの反感を買った 結局、新たな男子部員の獲得はできず、俺と一号くんは個人戦で頑張ることとなった 女子部員は二号ちゃんも含めて三人ほどが入部し、なぜか華菜さんも入部し、新生三箇牧麻雀部の女子は千里山を破り二年連続でインターハイへの出場を果たした たまに照が霞さんの家に寄ったり、郁乃さんが押しかけてきたり、絵を描いているエイスリンさんを川辺で見かけることがあり、三人とも、やはり一年前とは変わっているんだな、という風に感じた インターハイの女子団体の部、第一シードの俺たちの初戦の二回戦の前日、憩さんは一年前以上の緊張を背負っていた あの日の憩さんは危なっかしくて、試合会場の前で車に轢かれそうにもなった 今にも泣きそうな憩さんは見るに堪えず、安心させるために強く抱きしめた 「みんながいるから大丈夫ですよ」 「俺がずっと応援しているんで、頑張ってください」 そんなことを耳元で語りかけて、キスをしてあげると、憩さんはいつもの笑顔になった 943 名前: ◆r05KxLrr0E[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 00 20 31.73 ID a4CeryH+o [1/3] インターハイは準決勝で大将の華菜さんが捲られに捲られて敗退、個人戦は、俺と憩さんで男女優勝を果たし、咏は女子の部の三位に入賞した 大阪へ帰る前に、部員全員で海水浴に行き、一年前と同じく憩さんとデートへ行った コースは一年前とほぼ同じ、下着屋には行かなかった。二人で懐かしさを感じながらぶらついているだけだったが、それでも十分楽しかった 俺たちは、友達以上恋人未満、と言う関係よりもほぼ恋人に近い関係を築いていたが、互いに告白をしようとはしなかった 憩さんと華菜さんが引退して、俺が部長、咏が副部長となり、女子は秋の新人戦に臨んだが、結果は泉率いる千里山に敗北した 顔にこそ出さなかったが、咏は責任を感じているらしく、見かねた俺は咏をかつて二人で初めて行った喫茶店へ連れて行った 「私、このままでいいんかな、て心配なんだよねぃ」 「新人戦も、個人戦もびみょーだったじゃん?」 「……こんなんで、あの子たちのこと引っ張っていけるのかどうか気になって」 「……お前の隣に、立ちたいんだよ」 俺みたいに強くなって、俺と対等になりたい、それが咏の願いだった 憩さんのようになりたいと思っていたようだ 咏の悩みを聞くこと数時間、ようやく気を取り直したらしい咏と店を出て、金木犀の香る道を歩いた なんとなく、咏の手を握ってやると、咏は口をとがらせた 「な、いきなり何すんだよ」 「秋の風も寒いよなーって」 「だからって手ぇ繋ぐかよ」 「ああ繋ぐぜ、咏の手は安心するんだぜ」 「なんだよ……それ」 ぼそぼそ動く咏の頬は、赤くなっているように見えた 944 名前: ◆r05KxLrr0E[saga] 投稿日:2013/11/11(月) 00 59 55.38 ID a4CeryH+o [2/3] 「京太郎!遊びに来た!」 「これまた珍しいですね」 「ウン!」 ある秋の休日、エイスリンさんが俺の部屋へ遊びに来た もしあの日に妊娠してしまっていたなら、今頃は俺とエイスリンさんの子どもがいたんだろうな、と考えながら昼食を拵えた エイスリンさんの日本語は流暢になっていてとても驚かされた 「京太郎にここまで上手くなったんだよ、って教えたかった!」 「凄いでしょ?」 満点の笑顔で話しかけてくるエイスリンさんは天使で、大学で変な男に絡まれていないかどうか心配になった エイスリンさんは一年前の清々荘のみんなを描いた絵を俺に見せに来たのだと言って、俺にその絵を見せてくれた 霞さんの家の前で、俺に後ろから抱き着く郁乃さん、右腕を抱く照、左腕を抱く咏、俺ら四人を見て微笑む憩さんとエイスリンさんと霞さん 霞さんの家の屋根に乗ってる猫は華菜さんだったのだろうか? その後、エイスリンさんと街へ繰り出し、部屋で夕食を一緒に作って食べた 「去年も京太郎と一緒に寝たよね」 「あの風邪うつらなかったですか?」 「ううん、うつらなかったよ」 「…………」 「…………」 「京太郎……キス、しよっか」 「えっ」 今度のエイスリンさんは小悪魔のように笑った 二年生のクリスマスには、プロ・アマ交流戦が行われず、余りある冬休みを過ごす俺の元を照が訪れた 「京、クリスマスケーキ作って」 「今もうクリスマスの8時だからな!?」 「シフォンケーキなら焼くだけでできるから大丈夫」 「この部屋オーブンとか無いし、電子レンジもそこまでできるほどじゃないんだけど」 「私と京の熱であっためればなんとかなるはず」 「無理だからな?大体お前そんなキャラだったっけ?」 照と咲は、小母さんと小父さんの長らく続いたきのこたけのこ戦争を和平に持ち込み、仲直りをさせたらしい 大晦日は家族四人で旅行に行くので、年が終わる前に俺にまた会いに来たかったそうだ 「今年は何が貰えるかな」 「今年?あの赤と白の服を着たおじさんのことか?」 「うん、去年は読みたかった文庫本とブックカバーをもらった」 「そ、そうか、今年も貰えるといいな」 「朝起きたら枕元に京との子どもがいれば満足、ナイスサンタさん」 「それはコウノトリの仕事だ」 「た、たまにはコウノトリにソリを引いてもらうサンタさんがいてもいい」 「コウノトリ酷使するなよ!ホワイトなのに腹ん中ブラックじゃねえかサンタさん!」 「…………」 「…………」 「……うわぁ、みたいな顔するのやめて」 後から聞いた話によると、霞さんが照にクリスマスプレゼントを渡していたらしい バレないようにミニスカサンタのコスプレをして、住人のみんなにプレゼントをしていたそうな ……通りであの日の霞さんの目が少し怖かったわけだ 「京は私の気持ちに気づいているよね」 「……京の気持ちも、考えも、私は多分わかる」 「京が私の方だけを見ていなくても、それでいい」 「京が私のことを好きでいてくれるなら、それで満足できる」 「こうして一緒に寝れるだけで、私は幸せになれる」 「ちっぽけな幸せだけど、このくらいが十分心地いい」 「私も京も、まだまだ子どもで、私には勇気なんてないから」 「今は……こうしている…………だけ」 「ん……」 「……胸が苦しいと思ったら、抱き着かれてたのか」 布団から少しはみ出た照の髪をさらりと撫でた 胸元に漏れる照の吐息があたたかくてくすぐったかった 憩さんや、咏、エイスリンさんと照との距離は、この一年間でもっと縮まったように思えた 郁乃さんにはほとんど会っていなかったが、ほぼ毎日メールのやり取りを行っていたので、縮まった、といえば縮まっただろう ――――俺は、どうやって応えればいいんだろう 一年間、ずっと考えてきたことだ ――――どうすれば、誰も泣かない未来をつくれるんだろう 悩んで 思って 想って 考えて ようやく、答えが出た 憩「……ほんまに、来てくれたんやな」 京太郎「憩さんと三箇牧で過ごせる最後の日に呼び出されたら、行くに決まってますよ」 京太郎「お別れ会まですることもないですし」 憩「ふふっ、京太郎くんは友だちおれへんもんねー」 京太郎「余計なお世話ですよっ」 憩「来年から、部長さん頑張ってな」 憩「ウチの跡継ぎさんなんやから、しっかりしてくれないと困るで?」 京太郎「その辺は任せてください、三箇牧の名に恥じないような立派な部長になります」 憩「うん、そら頼もしいわ」 憩「……あ、でも新入生の子に手ぇ出したらだめやで」 京太郎「出しませんよ、俺を何だと思ってるんですか」 憩「んー……女ったらし?」 京太郎「どういう認識ですか!?」 憩「だって、京太郎くん、エイちゃんとか、照ちゃんも部屋に連れ込んでたやん」 憩「咏ちゃんとも二人だけ遅くまで残って部活してるらしいし」 京太郎「そう言うと俺がすっごいいやらしい男に聞こえるんですけど!」 京太郎「エイスリンさんと照はあっちから入って来ただけで、咏とはちゃんと部室の掃除とかやってんですよ!」 憩「うん、知ってたで」 京太郎「知ってたんかい!」 京太郎「何すか、俺の今の弁解意味ないじゃないですか!」 憩「まーまー落ち着いて」 京太郎(段々憩さんが郁乃さんに汚染されていっているような気がする) 京太郎「そういや、この公園に来るの、久しぶりですよね」 憩「……京太郎くんに出会った日に来た場所やね」 憩「一緒にたこ焼き食べてるの、覚えてる?」 京太郎「ええ、間接キスしましたよね」 憩「わ、わかっててあんなこと……」 京太郎「いやーだって言いにくかったじゃないですか」 憩「それも、そうやけど……」 京太郎「二年ぶりに、たこ焼き食べますか?」 憩「……ううん」 憩「今日はたこ焼きを食べに来たわけやない」 憩「それに、正確に言うと一年半やで」 憩「去年の夏祭りのときに、みんなで食べたやろ?」 京太郎「じゃあ、本題はなんですか?」 憩「……はぁ」 憩「ずーっと、話そうか迷ってたんやけどな」 憩「それで別の話してたのに、京太郎くんど直球すぎるわ」 憩「……もう、勇気出すしかないやん、あほ」 京太郎「……すんません」 憩「ううん、構わんで」 憩「……すぅー……はぁぁ」 憩「……これから話すウチのコト、聞いてくれる?」 憩「大事な、大事なウチの話――」 憩「――ずっと伝えたかった、ウチの想い」 憩「単刀直入に言うと、な」 憩「ウチは、京太郎くんのことが大好きや」 憩「こうして、二人で一緒にベンチで座ってた頃から」 憩「ウチと京太郎くんでたこ焼きを食べていたときから」 憩「……ちゃうな」 憩「京太郎くんと出会って、励ましてもらったときから」 憩「ずっと……少しずつやけど、好きな気持ちが積み重なって来たんや」 憩「……今もこうして、胸から溢れそうになってる」 憩「ウチは、京太郎くんのことが好きで、好きで好きでたまらへん」 憩「これだけは、卒業するまでに伝えたかったんや」 憩「……あらためて、言うな」 憩「ウチ、荒川憩は――」 . .-――-. . . . ´ .` . / ヽ . . / / l ヽ ヽ . / / / / l l l . ′ . . . ′/ | ハ ト、 ヘ i l |. | 1 | .|{ ‘. ヽ\_ ; | | | | | | |-―.lハ{\ fヾ\` i l |l | | | | | |{ ヽ \ { \ \ | 八 | | | レ _ 、 `r==ミx } ∧ . 八 ヽ | r㌃⌒` ムイ } ヽ / \ヾ ,,,,,,,, , '''''''' | ノ \ / 八 ハ .... 、 「 ヽ > / / >-、 ( ノ イ l l ヾ \ 須賀京太郎のことが、大好きや -=≦ / ゝ ー ' < l ∧ |` ー---` ∠ イ ∧ ト、 ≧=r-- 1 /レ' .V / \ { ヾr‐ァ' トヘ/ ___/ \ __ / \_____ / \ /ー一ヘ / ハ ハ \/ }/ ̄} / i ヽ } } | У } ∨ .| ′ / } } .. {. / { } } . | | } ,. i i ハ } ' . | 京太郎「…………憩さん」 憩「はぁー……」 憩「ようやく、言えたわ」 憩「京太郎くんがウチの実家に来てくれたとき、本当にうれしかったんやで」 憩「去年のインターハイに励ましてくれたときも、もちろん」 京太郎「俺も、憩さんが好きです」 京太郎「憩さんが俺を思うそれよりも、遥かに俺が憩さんを想う気持ちの方が強い、ってくらいに、好きです」 京太郎「……けど」 京太郎「俺は、照や、郁乃さん、咏、エイスリンさんも好きなんです」 京太郎「みんなのことが同じくらい大好きで、同じくらいに愛していて、同じくらい恋い焦がれていたんです」 京太郎「……俺には、誰か一人だけを選ぶなんて真似、できません」 京太郎「女の人の泣き顔は見たくないですから」 憩「…………やっぱりなぁ」 憩「ええよ、わかってる」 憩「京太郎くんが他に好きな子がおるの、気づいてた」 憩「ウチも含めてみんな京太郎くんのことが大好きで、京太郎くんもみんなのことが大好き」 憩「……女の子は、矢印を見つけるのが得意なんやで」 京太郎「……俺、最近考えてたことがあるんです」 京太郎「どうすれば、誰も選ばずに、誰も泣かずに済む未来が作れるのか」 京太郎「俺なんかのために泣く人がいなくなるんだろうか」 京太郎「……自信過剰か、って話なんでしょうけど」 京太郎「それでも、みんなのことが大好きで、大切だったんです」 京太郎「そして……この間、答えを出しました」 京太郎「どうしたって誰も選べないなら、選ばなくていい」 京太郎「みんなのことが大好きだから、みんなと家族になればいい――――」 / , / / / / | | . . . / / / ' | | | | i| | . イ ' /| /| l | | | | l| | |// / | | { ' . | | } | l| | { ' 〃 | | | | ト, /| /| /| ' ∧|/ / .' , ' Ⅵ |_'. | | | | l | ' }/ }/ / .イ `\{/ / / / / { | Ⅵ≧!、,| | 、 | _/ム斗七 / . / }' ' ,イ / | { 从 | イ { しメ∧ l Ⅵ イ { し刈 `ヽ' ' }/' / /イ Ⅵ . Ⅵ Vzり \ 、 } / Vzり }/ // | 从 | \ ∨/ , / _∨∧ . ` \ , _ノ> 、_ , <//////{/{{`∧ 、 / }}//////> 、´//////////// l| ,∧ _ ∧ ||///////////>/////////////从 { 、 _ ィ -vノ ' } /'///////////// ――俺は、みんなと幸せな未来を生きたいッ!/////////////{/∧ l\ ー=≦__ , ´ /' / イ∧//////////////////////////|//∧ . \ / / /'////}///////////// 憩「……ははっ」 憩「あははっ!」 憩「やっぱりおもろいなぁ、京太郎くん」 京太郎「そうっすかね……」 京太郎「俺からも、一つ、いいですか?」 憩「うん」 京太郎「……では」 京太郎「……こんなに情けない俺でも」 京太郎「常識的に考えて、ありえない俺でも」 京太郎「途方もなくバカげている俺でも」 京太郎「それでも、憩さん――貴方は、俺のことを好きでいて、くれますか?」 捨てられないのなら、和了ってしまうしかない 例えそれが、チョンボ――――不完全な役であっても 俺には、捨てられない だから、和了る これが俺に選べる唯一の手なのだから、和了るしかない 情けなくても 常識的に考えて、ありえなくても 途方もなくバカげていても どうであろうと、俺は進む これが俺の出した答えだ 照も 咏も エイスリンさんも 郁乃さんも 憩さんも 誰も、誰一人として、悲しませない未来を作る 言ってみると大袈裟で、行おうとしても途轍もなく難しい それでも俺は、女の人の涙は見たくない そう、照を救えなかったあの日に誓った 咲とモモの涙を見てしまったあの日の俺に戒めた ようやく思い出せたあの日のようにはしたくないと決めたから 好きでいて、くれますか? ずるいな、と我ながら思い、嫌悪した そんな一言二言で、嫌いになるわけがないということは端からわかっていたことだ 憩さんなら、怒らないだろうと期待したから、こんな尋ね方をしたんだ 憩さんは、俺の目を真剣にじっと見た後、口元を綻ばせた 随分と前に見たあの笑顔を浮かべた 一年と八か月前、俺と憩さんが出会い、俺が部員を集めることを約束した後で見せたような、 俺たち二人を照らす夕日のように、 明るく、そしてあたたかい笑顔で、その緩む頬を動かした それでも、大好きやで 京太郎「…………」 憩「今通ったん、いつもの公園やね」 京太郎「そうですねー」 憩「もーそろそろ敬語なしでもええんやないの?」 憩「お父さんの挨拶もたったいま済んだことやし」 京太郎「いやぁ……なんか性分みたいなもんで、抜け切れないんですよね」 憩「まあ、お医者さんやから真面目に見えてええかもしれへんけど……」 京太郎「ん……じゃあ直してみるよ、憩」 憩「あーやっぱ京太郎くんには似合わんわ」 京太郎「いやいや、どっちやねん」 秘書「はいはい、お二人さん、もうすぐ着くわよ」 京太郎「秘書さんは十年たっても全然変わらないっすね」 秘書「余計なお世話よ」 憩「車で送ってもらってありがとうございますーぅ」 秘書「いえ、院長が憩さんのお体に負担をかけないように、と」 京憩(なんか誤解されてる!?) 京太郎(憩さんとはまだゴム無しでやったことないから、そういうのは先なんだけど……) 憩(照ちゃん、エイちゃん、郁乃さんはもうおるから、そろそろ欲しいなぁ……) 秘書「はい、到着。それじゃあ、また」 京憩「「ありがとうございました!」」 憩「……さっきな、京太郎に告白した日のこと思い出してたわ」 京太郎「俺もですよ」 京太郎「あのときの選択は、間違っていなかったのかな、って考えちゃいました」 憩「間違ってないと思うで」 憩「少なくとも、ウチは幸せや」 憩「みんなも幸せそうで、楽しそうやろ?」 憩「……これからみんなでもっと楽しくなるんやから、そんなこと考えたらあかんで」 京太郎「やっぱり、そうっすよね」 憩「あ、ウチが今日夕食作るん忘れてたわ」 憩「悪いけど、買い物行ってくるな」 京太郎「俺先に家に行ってますね」 憩「うん、みんなによろしく言うといてー」 京太郎「わかってますよー」 京太郎「しかし、ここに戻ってくるのも八年ぶりくらいかぁ」 京太郎「霞さんの代わりに大家になったけど、どんな人が住んでんだろ」 京太郎「とりあえず家に入るか」 エイスリン「京太郎?遅かったね」 京太郎「ただいま、エイスリンさん」 「パパおかえり!」 京太郎「ただいま、望」 「ただいまー!」 「ねーねーいまねーママとパパの絵、かいてたんだー」 京太郎「そうか、どれどれ」 エイスリン「上手く描けてるでしょ、絵の下手なお父さんとは違って私に似たのかもね」クスッ 京太郎「むっ、そんなことないですよ、目元だって俺そっくり、髪の毛も……」 「パパもママもきんぱつだよ?」 エイスリン「京太郎よりも髪が綺麗だから私よりね」 「ね!」 京太郎「ぐぬぬ……」 「ケイお姉さんはいっしょじゃないの?」 京太郎「ああ、憩さんは買い物に行ってるよ」 「きょうは私もごはんつくるんだー」 京太郎「そうか、そりゃ楽しみだな」 「きたいしててよね!」 京太郎「おう、頑張れ~」ナデナデ 「えっへっへ~」 エイスリン「病院はどんな感じだったの?」 京太郎「良い雰囲気でしたよ、お世話になった先生にも挨拶してきました」 エイスリン「そろそろまたお世話になりたいけど、どう?」 京太郎「もうちょい待ってくれるとありがたいかな……と」 エイスリン「たまにはみんな一緒に相手してくれてもいいのよ?」 京太郎(そっちのが尚更困るんだよなぁ) 京太郎「エイスリンさんは新作を描いてるんですか?」 エイスリン「うん、ここを描こうと思うの、もう少ししたら今日はやめるつもり」 京太郎「風邪はひかないようにしてくださいね」 エイスリン「はいはい」 京太郎(エイスリンさんが日本語を完全に習得して随分経つけど、前はカタコトだったんだよな) 京太郎(あの頃の俺からすると、今のエイスリンさんなんて検討もつかないんだろうな……) 京太郎「ただいまー」 「げっ」 照「げっ」 京太郎「お菓子抱えて何してるんだぁ?うちの作家さんとくいしんぼさんは」 照「輝を慰めるためにお菓子をあげようと思ってた」 「今日もおとこみたいな名前だなーってからかわれた」 京太郎「そうでなくてもお前らは食べすぎだ、ボッシュートです」 京太郎「テレッテレッ……おい放せ」グイッ 「放さない」 照「放してたまるか」 照「「このお菓子」」 京太郎「そんな川柳いらないから!そんなんじゃ二人とも太るぞ!」 照「輝がお腹にいたときと変わらないから、どうでも……」 「母さんは太らないタイプだったから、別に……」 京太郎「お菓子代がかさむんだよぉ……」 照「そろそろ新作書ける、ついでにタイトル戦もあるから大丈夫」 京太郎「本当に稼いでくるから何ともいえねぇ」 「私もしょうらい母さんみたいに年中家にこもっておかし食べる簡単なしごとする」 京太郎「いやそれダメ人間の一歩手前だから、やめておきなさい」 照「失敬な、たまに外にもお菓子を食べに行く」 照「この間駅前にできたクレープ屋さん行って来た、おいしかった」 「ずるい、なんで私をさそってくれなかったの」 照「京と一緒に行って来たから、輝は誘えなかった」 「それは……仕方なくもなくもなくもない」 京太郎「どっちかわからん」 照「京は莫迦だなぁ、四重否定だからすごく強い肯定、京は莫迦だなぁ」 京太郎「そんな二回も言わなくていいからな!?」 照「ふふん、隙あり」グイッ 「逃げるー」トテテ 京太郎「おいィちょっと待てぇぃ!」 京太郎「だぁーっ、疲れたぁー」 咏「ふぁぁ、よく寝たー」 京太郎「今の今まで寝てたのか?」 咏「そーそー、10時に起きたんだけど、コロッと寝ちゃって15時に起きたけどまたコロ~ッと寝ちゃってね~」 咏「17時となると、休日無駄にした感じが凄いんだよねぃ」 京太郎「そんで目ぇ覚まそうと縁側に来た、と」 咏「お前らうるさすぎるんだよ、ちょっとは労働者気遣えっつーの」 京太郎「れっきとした労働者の郁乃さんも十分うるさいけどな」 咏「京太郎が私を鳴かせてくれればもうちょい疲れも取れるんだけどねぃ、肌も綺麗になるっつうし」 京太郎「その効果はよくわからんが、咏は可愛いと思うぞ!」 咏「もう26歳なのに可愛いはどうかと思うんだよねぃ、瑞原プロはあの様だろ?」 京太郎「早く誰か貰ってやればいいのになぁ……」 咏「つーわけで、そろそろ私を大人にしろー!」 京太郎「大人っていっても、十年前と何も変わらないじゃん」 咏「こー見えても身長2cm、胸も1カップ増えたんだぜぃ」 京太郎「ごめん、よくわっかんねー」 咏「なんなら触って確かめてみるかぃ?おっ?」 京太郎「おっさんか、少しは慎みというものを……あっ、ちゃんと慎み深かったな」 咏「おぅい?今どこ見ていったぁ?」 京太郎「わっかんねー、ぜんっぜんわっかんねー」 郁乃「おとん~先に帰ってたんやな~」 「おとんただいま~」 京太郎「おかえりなさい」 郁乃「お風呂もう入ったん~?」 京太郎「たったいま咏と入ってきたところですよ」 郁乃「ほな侑佳もおとんと入りいこな~」 「わ~い!」 京太郎「ちょっ、話聞いてました!?もう入ったんですよ!」 郁乃「ま~そんなん構わんって~」 京太郎「俺に訊いた意味どこ行った!?」 「おとん~お風呂~」グイグイ 郁乃「は~や~く~」グイグイ 京太郎「どこにそんな力がぁ~~~~~っ!」ズルズル 「おとん~あたまあらってーな」 京太郎「ちゃーんと目は閉じてろよー」ワシャワシャ 「は~い」 郁乃「京太郎くんのおとんも大分様になってきたな~」 京太郎「これから一緒に住むことですし、もっと頑張っていきますよ~」ワシャワシャ 郁乃「ほな、あと二人くらい欲しいな~」 京太郎「子どもの前でそういう話はやめましょうよ」 「どういう話~?」 京太郎「なんでもないぞー」 「なんや~なんでもないんか~」 郁乃「今ならおっぱいも大きなっとるし、お母さんプレイもできるで~」 京太郎「いや、今は出ないでしょうが」 郁乃「え?出るで?」 京太郎「マジで!?」 郁乃「試してみる~?」 京太郎「ええ、是非!」 「おとん~?」 京太郎「って、何させるんですかもー!」 郁乃「ちぇっ、あとちょっとやったのにな~」 「目ぇとじるのつかれてきた~」 京太郎「今から流すからもうちょっち待ってろ~」シャー 郁乃「次は私の背中流して~」 京太郎「今度は自分でやってくださいよー?」 郁乃「そう言いながらも洗ってくれるところが大好きなんやで~」 京太郎「そういうこと言うからやりたくなるんですよ」 憩「はーい、カレーできたでー」 「私がサラダ作ったんだよ、えっへん!」 照「甘口……甘口はないの……」 「母さん、みんな中辛まで食べられるんだよ……」 照「くっ、しくじったか……」 咏「辛さ調整スティック?なんての買って来たぜぃ」 照「三袋もらう!」ドバァー 京太郎「あ、バッカお前……」 郁乃「冷める前に食べよか~」 「いただきま~す」 照「いただきます」モグモグ 照「…………っ!」 京太郎「辛さ調整って辛くすることしかできないからな、あれ」 照「咏に騙された……」 咏「へへーん、そっちが勝手にだまされたんだろ~」 エイスリン「二人とも喧嘩しないで、ご飯は仲良く食べましょ?」 咏「へいへーい」 照「ぐぬぬぅ……」 郁乃「憩ちゃんも望ちゃんの料理も美味しいなぁ~」 「ほんまやね~」 憩「そう言うてもらえると、腕によりをかけた甲斐があるってもんや」 京太郎「いやぁ、ほんっと美味いっすよこれ!」 憩「そう?そんなに褒めてくれるんやったら……ご褒美とか、欲しいなぁ」 京太郎「ご褒美ですか?」 憩「一番手っ取り早いのは……ほら、わかるやろ?」ツンツン 咏「いやいや、京太郎と今夜寝んのは私だから邪魔すんなよな」 憩「そんなん誰がいつ決めたんや?何月何日何時何分何十秒地球が何回まわった日?」 咏「さあ?知らんけど」 「憩お姉ちゃん、こどもみたいだね」 「せやね~」 咏「とーにかく!京太郎は私と寝るんだよ!」グイッ 憩「ちゃうもん、ウチが寝るんやー」グイッ 京太郎「喧嘩は止めてー♪」 エイスリン「京太郎は私と寝るのよ」グイッ 京太郎「二人を止めてー♪」 照「違う、私と」グイッ 郁乃「ほな私も私も~」グイグイ 京太郎「やめてって言ってるでしょうがぁー!」 俺がここを初めて訪れてから、もう十年の時が経つ 荒川病院を継ぐべく、某国立大学医学部へ進学し、医者となった俺は霞さんの後を継いでここの管理人になった 照はプロとしては下火となったものの活動は続けているが、今は主に作家活動をして稼いでいる。その稼ぎの大半はお菓子に変換されていくのは言うまでもないだろう 憩さんは荒川病院で看護師として働いている、地元の患者さんには老若男女問わず人気があるらしくお義父さんもそれを誇りに思っているようだ 咏も今となっては立派なOLで、お義母さんの会社を継ぐために働いている、会社帰りにコンビニで酒を買おうとするが毎度毎度店員に高校生だと誤解され買えずじまいでいつも愚痴をこぼしている エイスリンさんは自由気ままな人気画家で、日中は絵を描きながら我が家の娘三人の面倒を見てくれている。これ以上に無いまでの嫁さんだと思う 郁乃さんは教員免許を取得し、三箇牧高校に勤めて麻雀部の顧問をしている、年長者でありながら責任感の無さは相変わらずだ 憩さんの言う通り、こうやってみんなで笑いあえて、飯を食べているんだから、俺の答えは間違っていなかったんだと思う 娘三人が家族に加わった後でも、この思いは変わらなかった こんな未来をずっと前の俺は望んでいて、期待していたんだから、きっとこの先もこの思いは変わらないんだろう これから何があっても、何も無くても、ずっと変わらないんだろう 恋しあいながら 愛しあいながら 笑いあいながら いつか終わるそのときまでずっと ずっと、これから先も、ずっと 俺たちはまた、ここで生きていくんだ ――――そう、ここで、この場所で 京太郎「清々荘にて」 カン!